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君に夢中   作者: 紳城 零
5/9

第五話

「結ばれる」

昨日はあんな酷いこと言ってしまった。

想い人に

最低だ。私って

どこまで最低なんだろう。

いくら嫉妬してたからってあんなこと言っちゃう?

もうだめだ。もう終わった。

私の本当の初恋は。


「はぁー」

今日もため息をつきながら大学に向かう。

昨日、あんな事をいってしまったから

気が重い。

想い人につい、きつく当たってしまった。

もう会ってくれないだろう。

自分からまた会いたいですって言ったのに


「綾さん!」

講義が終わって昼の準備をしていると恵美に呼ばれる。

「お昼、いこうか」

そういって恵美から視線を離す。

「話があるの」

恵美が真剣な顔で私を見つめる。

その真剣な顔に目を反らさずにはいられなかった。

そして誰もいないテラスに向かうのだった。

「話って何?」

私がそう言うと恵美は決心したのか言ってくる

「白重さんの事なんだけど」

「・・・うん」

「綾さん もしかして白重さんの事・・・」

「・・・好きだよ」

「そっかぁー」

恵美はその言葉を聞き、安心したのか。 話を続ける。

「白重さんもきっと綾さんの事、好きだと思うの!」

「えっ?」

恵美の言葉に私は驚く。

白重さんが私の事を・・・。

いやいや、絶対ない。

「それはないよ」

「だって彼は恵美が好きなんだよ?」

「どうしてそう思うの?」

「だって昨日も一昨日も恵美に会いにきたんだよ。それに初めて会った時も私の隣にきたのでしょ?あれは恵美を見つめられる場所だからわざと座ったんだと思う」

私の答えに恵美は笑う。

なんで笑うのよ。

「ごめんね。私と真逆なことをいうもんだから」

真逆?どういうこと?

「白重さんからメールがあってね。あれは恥ずかしいから隣に座っただけなの。あと私に会いに来ていたのは綾さんの事を知るためだったの。」

嘘?

恥ずかしい?私の事を知るために?

ますます訳が分からない。

「えっ?それってつまり私の事を・・・」

「そうだよ。綾さんが好きって証拠だよ!」

「で、でも」

「でもじゃないよ!本当の事だもの」

白重さんが私の事を・・・好き?

嘘でしょ?

「でもまだ会ったばかりだよ」

「人を好きになるのに時間は関係ないよ」

「そ、そうだけど私・・・」

白重さんに会って話がしたい。

でも本当に白重さんが私が好きだったら

ど、どうしよう

ますます会いにくい。

「私がメールしてあげようか?」

「なんて?」

「会いたいですって」

シンプルな言葉だけど色々言いたいことがある。

でも言えないから

「お願いします」

「うん、メールするね」

そういって彼にメールする恵美。


どのくらい時間が経っただろうか

恵美の携帯の音が鳴る。

「メールきたよ」

「なんて?」

「俺も会いたいって」

彼に会える。緊張のあまり心臓がドキドキする。

「恵美。どうしたらいいの?」

「落ちついて。とりあえず普通にしてれば大丈夫だよ」

落ち着いてって言われても落ち着けないよ。

私は緊張しながら休み時間を過ごすのだった。

講義が終わり、ついにそのときが来る。

白重さんが来てしまう。

大丈夫かな?うまくお話し出来るかな?

顔に何かついてないかなぁ

ど緊張で彼を待つ。

「綾さん。もうそろそろ行こうか?」

「う、うん」

恵美に誘われ、外に出る。

外に出て門を見ていると白重さんの姿が

私は緊張感を押さえて平静を保ち、彼に近づく

「こんにちは。白重さん」

恐る恐る彼に挨拶する。

「こんにちは」

彼は安心したようにニコッと笑う。

「あの・・・・・・・」

言葉が上手く出てこない。

どうしたのよ?私。

ちゃんと謝るんでしょ。

嫌な思いさせてすみませんって

固まった私に彼は

「ここで立ち話もなんだし、もうちょっと落ち着ける所で話をしよ?」

彼は私に気を遣ってくれる。

やっぱり優しい。

「恵美ちゃん。ごめんね。丘浦さんと話がしたいから今日は送れない。」

「大丈夫ですよ」

「ありがとう」

そういって助手席の扉を開けてくれる。

「どうぞ」

「ありがとうございます」

彼にお礼をいって助手席に乗る。

彼はまだ恵美と話をしている。

どんな話をしているのかな?

私の話をしてくれていたらいいなぁ

彼が私の視線に気づいて車に乗り込む。

「待たせてごめんね」

「いえいえ」

「じゃあ。恵美。また大学で」

「綾さん。大丈夫。頑張って」

小声で私を応援してくれる。

そう言われて少し元気が出た。

「出すよ」

「お願いします。」

恵美に見送られるまま、車は夕日の街を疾走した。

どのくらい時間が経っただろうか

二人とも沈黙のままだった。

何を話せばいいんだろ。

彼女はちらちらと彼を見ることしか出来なかった。

沈黙を破ったのは彼のほうだった。

「海を見に行かない?」

「海?」

「海、嫌いかな?」

「いえ、好きです」

「良かった。近くにあるからそこで話そうか」

「は、はい」

そういって私達は海に向かうのだった。


海に着くと誰もいないが海風が気持ちいい。

白い鳥が飛んでいる。

なんて素敵な場所なのだろうか。

「素敵!」

そう言って海を眺めるのだった。

しばらく海を見つめると彼が話しかけてくる。

「丘浦さん。俺と付き合って下さい」

「えっ?」

「はじめて会った時から好きでした。」

彼の言葉に私は涙目になる。

「どうして?あんな酷いこと言ったのに」

「あれは恵美ちゃんに嫉妬して言ったんでしょ?俺は嬉しかったよ」

「嬉しい?」

「だってそれってつまり俺が好きって事でしょ」

「・・・・!(照)」

顔が夕日みたいに真っ赤になる。

ストレートな彼の言葉にますますドキドキしてしまう。

「ずるいです」

「男はずるいもんなんだよ」

そういって彼はニコニコする。

「いつから私の事を・・・」

「はじめて会った時だよ。可愛い子だなって」

「私もはじめて会った時です。素敵な人だなって見とれてました。」

「そうなの?」

「はい」

顔を真っ赤にさせながら勇気をふりしぼって言う。

「じゃあお互い、一目惚れって訳かぁ」

彼が笑う。

「そうですね」

私も彼につられて笑う。

良かった。彼が笑ってくれて

「丘浦さん。いや綾。」

私に近づいてきていとおしそうに私の名前を呼ぶ。

「白重さん?」

彼が私の頬に手を置く。

「あらためて俺と付き合ってください」

彼の言葉に私は泣いた。

「はい」

彼は私の答えを聞いてニコッとしながらわたしの涙をぬぐってくれる。

そうして夕日に包まれながら惹かれあうように

キスをした。

白重さん。好きです。

そう思いながらも彼の背中に手を回した。


海を後にし、私の家に着く。

「今日はありがとうございました。」

そういって助手席を降りる。

「俺の方こそありがとう」

「じゃあ、また」

「綾!」

彼が私の名前をいとおしそうに呼ぶ。

「好きだよ」

「私も好きです」

彼に向かって私も言う。

「ひとり暮らし?」

「う、うん」

「帰したくない」

「私も」

そういって彼を抱き締めるのだった。

「俺の家に来る?」

「えっ?」

「今夜は帰したくない」

彼のまっすぐな瞳に私は吸い込まれる。

「・・・はい」

そう言って再び彼の車に乗り込む。

そして彼の家で彼の愛を受け止めた。



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