第三話
「君に夢中」
昨日は一睡も出来なかった。
白重さんの事ばかり考えてしまう。
白重さんの事を考えると胸を熱くなる。
「はぁー」
私はついため息をついてしまう。
どうしちゃったんだろう。私は。
「綾さん?どうかしたの?」
心配そうに私を見つめる彼女。
しまった。
つい感情がただ漏れしてしまった。
「なんでもないよ。ただ昨日は一睡もできなかっただけだから」
「忙しそうですもんね。アルバイトもしているみたいですし、無理しないでね」
「ありがとう」
そういって講義の準備をするのだった。
講義が終わり、恵美と食事をする。
「そういえば」
恵美が何かを言いたそうに言ってくる。
「白重さんとはどうだったんですか?」
私は思わずむせてしまう。
「綾さん?大丈夫?」
「大丈夫。ちょっとむせただけだから」
なんで白重さんの話題になるのよ!
私は乱れた心を整える。
「車の中でお話ししてメアドと電話番号を教えてもらっただけだよ」
私は平静を保つ。
「そうなんだ」
恵美はそれ以上、何も聞かなかった。
よかった。恵美がそういう性格で
「白重さんっていい人だよね!」
「そ、そうね。」
私はカフェオレを飲みながら話を続ける。
白重さんの話をしていると白重さんに会いたくなっちゃうな。
メールしてみようかな。
そう思いながら昼休みを過ごすのだった。
講義が終わり、アルバイトに向かう。
勉学とアルバイトの両立は大変だけど色々勉強になるからいいと思っている。
アルバイトに向かおうと門に向かうと一台の車が止まっている。
恵美の彼氏の鷹文さんかな。
と思い、車をスルーすると
「丘浦さん、待って」
聞き覚えのある声がする。
もしかしてと振りかえると白重さんが車から出てくる。
「白、白重さん。どうしてここに?」
「ちょっと近くまで来たから寄ったんだ」
「そうなんですか」
信じられない。白重さんだ。
「今日は恵美ちゃんと一緒じゃないの?」
「恵美なら教授に呼ばれていますよ」
「そうか」
「もしかして恵美に用事があってきたんですか?」
「そ、そうだね。」
なんだ。恵美に用事だったんだ。
なんかショックだな。
あれ?私、恵美に嫉妬してる?
嫌だな。私って
「すみません。今日はアルバイトがあるんで失礼します。」
「えっ?丘浦さん?丘浦さーん!」
私は彼の制止を無視してアルバイトに向かうのだった。
いままでそんな事なかったのに!
私は苛立ちと嫉妬の感情を殺して長い道のりを歩くのだった。
白重さんは別に私に会いにきたんじゃない。
恵美に会いにきたんだ。
それがすごいショックだった。
白重さんは恵美のことが好きなんだろう。
きっと。
どうすればいいの?
私は?
恵美は友達で大切な人なのに。
恵美に嫉妬するなんて
最悪だな。
そう思いながらも涙が溢れてくる。
私は涙をぬぐい、アルバイト先に向かうのだった。




