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モブ女子、あなたに会いに行くことに決めました。

なんだか書いていくうちに、真っ白で名前もなかったお母様が生き生きしてきました。

キャラクターってやっぱり生きてるんですね!

さて、自分の生きる道が決まったところで、とりあえずこらからの脳内作戦会議のスタートです。




カンカン!!




議長『それでは、ジークフリート団長の長生き&幸せな未来の為の黒子作戦!をこれより開始いたします!意見のあるものは挙手で!』



『はい!死亡フラグがありすぎて、何から手をつけていいのかが全く分かりません!!』



議長『確かに!』



『はい!むしろ、下手に動いたら死亡フラグが早回りしてできてしまうのではないでしょうか?!』



議長『確かに!!』



『はい!意義あり!それではこの作戦自体が何もできません!!』



議長『た、確かに!その通りだ!!』



『はい!それに、なんだかいつの間にか身についてる、この他者自動回復機能も、まだ何も活かせてないです!!』



議長『確かに!!一瞬、そんな設定があることすらも忘れてました!思い出させてくれてありがとう!!』



『はい!とにかく、今どんな死亡フラグが団長の周りに創設されているかを、まずは本人の近くで確認したらどうでしょうか?!』




ガンガン!!!





議長『全くの正論だ、素晴らしい!!!その通りだ!ではまず、今回の作戦の対象者となる、団長に会いに行くことから始めよう!』




『『賛成!!』』




議長『それでは諸君、健闘を祈る!!』



『『ラジャーーー!!』』





※※※※※※※




「・・・・・よし、決まった」




脳内会議を終えた私は、とりあえず噂でしか聞いたことのない、ジークフリート団長の無事に生きている姿をこの目で確かめに行くことにした。


そうと決まれば、善は急げだ!ついさっき朝食を食べ終えた頃だから(この世界には時計がまだない)今から会いに行けば、レストランがスタートするお昼ごはんの仕事に間に合う!




「お母さん!ごめん!私ちょっと、出てくる!」


「あら〜?そうなの?それなら1つ、お願いしてもいいかしら〜〜?」




レストランの入り口側で、店の前をほうきで言葉と雰囲気とは逆にテキパキとはいてるのが、私クローディア=シャーロットの実のお母さんである、ララ=シャーロット。


穏やかでおっとりとした雰囲気の、優しい笑顔に癒されるお客様続出の女性らしい柔らかさを持つ母だが、ひとたび仕事になると鬼のような厳しいモードに入り、一気にできる女上司と化す。


あれは本当に怖かった!!



最近、私のこの他者自動回復機能のおかげか、うちのレストランに来ると元気になる!と評判が広がり始め、以前よりもお店がだいぶ賑やかになってきている。


最初こそ、同じ店員のハンナさんの持病?を一気に直してしまった、超強力回復機能を発揮したものの、それ以降誰かに対してあそこまで能力が出たことはなく、どうやらかなりの波があることも分かった。


コントロールできない上に、無意識発動だなんて。なんなの?この使えるんだか、使えないんだかの微妙な能力は??



ただ、近くにいるよりも直接私が触った方が効果は高いのは変わらない。

おかげで肩こり腰痛に悩んでたお母さんとお父さんは、すっかり元気になってしまった。




「いいけど、お願いって何?」


「うふふ〜〜♪実は昨日、昼食の持ち帰りランチの新作を作ってみたのよ〜〜♪」


「えぇーーー?!そういえば、昨夜の仕事後もちょっと新作考えるって起きてたけど、まさかもう新作できちゃったの?!」


「だって〜〜♪不思議と次から次へとアイデアが生まれてくるんだもの〜〜♪こんな感覚久しぶりで、やめられない♪とまらな〜〜〜い♪」




お母様それはカッパエビ◯ン!!!




じゃなくて!


どうやらこの他者自動回復機能のおかげで、お母さんの体力だけではなく色んなものが活性化されてるらしい。


そういえば、あんなに日々の疲れから老け込んでたお父さんは、今朝は早起きして『太陽が俺を呼んでいるんだ!!!』と、いい笑顔で走りに行ってしまった。


どうやら、クローディアにとって身近な人であればあるほど、この回復機能も恩恵を受けやすいようだ。




疲労回復、滋養強壮、細胞まで活性化してお肌もツヤツヤに!!!

今なら1本なんと!350円!!税込み価格350円の提供です!!!


こんなチャンス2度とありませんよ〜!!


さらに今なら!!・・・・・って、




やめよう、なんか自分の能力が何かの栄養ドリンクになっているのを想像したら、むなしくなってきた。




「そういえば、今度はどんな新作作ったの??」


「あら?知りたい〜?知りたいわよね〜?ウフフ〜どうしようかしら♪」


「え?!まさか、教えてくれないの?」


「だって、本当に自信作なのよ〜〜〜♪もったいぶりたいじゃな〜〜い♪」




お母様が頬を赤らめながら、その頬を両手で包み込みながらクネクネ体を揺れだしました。


あれ?うちのお母さん、こんなだったっけ?


いつも穏やかな笑みを浮かべてどちらかといえば普段は控えめな人で、仕事の時はモード変わって厳しかったけど、なんだか面白い人になってきてる。




「・・・・・教えてくれないなら、引き受けないからもういいよ」


「あん!もう〜〜もう少し粘ってくれてもいいじゃな〜〜い!そういうつれないところ、お父さんにそっくりだわ〜〜♪」


「いやだって、得体の知れないものを持ち歩くの嫌だし」


「ひど〜〜い!得体の知れないってなによ〜〜!お父さんと同じこというんだから!」



すでに先に打診されていたのか、父よ。

だからあんなにダッシュで、どこかへ駆けて行ったのか、父よ。




「ハァ〜〜とりあえず、どんな新作か教えてよ」


「ウフフ〜〜〜いいわよ♪じ・つ・わ・ね!」




ジャーーーーーーーン!!





「!!!???」



目の前にお母様の小さな手の上から、今にも落ちそうな大きな物体が現れた。


って、どこから出したんですか!?お母様!?





「秘密よ〜〜〜♪」


「え?!今私声にだしたっけ?!」


「うふふ〜〜♪それよりも、どう?この新作♪」


「どうって・・・」




上に乗っかってるのは食パン、だよね?

しかも、この形は多分サンドイッチ?




テレッテレーーーーー!!!




目の前に、パン・レタス・お肉・チーズ・レタス・パンで挟まれたサンドイッチが現れた!!




いや、失礼しました。

これは嘘です。正確にはーーーーーー。



パン・レタス・お肉・お肉・玉ねぎ・チーズ・レタス・パン・レタス・お肉・お肉・玉ねぎ・チーズ・レタス・パン・レタス・お肉・お肉・玉ねぎ・チーズ・レタス・パン・・・・・。




あぁーーーーもう!!

言っててわけがわからなくなる!!



これは世に言う、あれだ!!

あの某有名ファーストフード店のビック◯ック、それのまさに食パンバージョン!!!!



しかも、この大きさは日本でも期間限定・数量限定で出たまさにあのギガビック◯ックに近い!!!



・・・・・いや、改めて見ても、本気ででかいな!!




「新作料理を考えている時に、突然頭にこの完成系の絵が浮かんで〜〜〜♪その後に、意味は分からなかったけど、この言葉が急に降ってきたのよ〜〜〜♪すごいと思わない?」




(え?!)




「名づけて〜〜〜♪」



「!!??」



(まさか!?!?)



「ビックマッ………ムグッ!!??」



「お母さん!!それだけはだめーーー!!!」



(やっぱりかぁーーーーい!!!)





それだけはだめです!お母さん!!


世界が違うといっても、版権・著作権乱用で捕まってしまう!!




とりあえず口を急いで塞いで、モガモガいってりお母さんを横目に、頭をフル回転させて別の名前を探す。



「お、お、お母さんのスペシャルメニューなんだから、あ!ほら、ララなんとかはどう??ララスペシャルとか!!どうせなら、ビッグ・ララとか!!!」


「えぇ〜〜?私が大きくてどうするのよ〜〜?」


「いや、そうなんだけど!え?!お母さん、ビッグの意味しってるの?!」


「あら〜?当たってたの??ただの勘よ〜〜♪

まぁ〜〜いいわ♪ネーミングよりも、味で勝負だし、ビッグ・ララでいきましょ〜〜〜♪」


「え?ま、ま、マジかぁーーーー!?!?」




そういえば、このレストランの名前は



『ステル・ララ』



こちらの言語は元いた世界がごちゃごちゃ入ってる感じで、ステルというのはこの国の古い言葉で星という向こうのステラと変わらぬ意味を持ち、お父さんが星のように美しいお母さんと一緒にやるお店だからと、大変子どもからは居心地の悪いネーミングの由来だった。




「・・・・・・なんか、朝から疲れた」


「あら、いやだわ〜〜クロエちゃんったら!

まだ今日は始まったばかりよ〜〜〜♪」


「・・・・・朝から夜中まで仕事して、朝方まで新作制作してた割に、お母様はなんだか生き生きしてらっしゃいますね」


「だって〜〜〜♪なんだかここ最近、全然疲れないのよ〜♪どれだけ徹夜しても、体も肌もすごく調子がいいし♪」


「くっ!!知らないうちに発動されてる能力が憎い!!」


「ウフフ〜〜〜♪どうしたの?クロエちゃん♪」


「なんでも、ないです」




私にも発動して欲しいです、回復機能。


昨夜はかなりお客さんが混んで、かなりコキ使われまくったのだ、この目の前のお母様に。




「ハァ〜〜。とりあえず、このビッグ・ララを私はどうしたらいいの?」


「そうそう〜〜♪新作の感想を知りたいのと、宣伝も兼ねて、騎士院に差し入れとして持っていってくれないかしら〜〜〜?」


「はい、はい。騎士院ね、騎士院。でも感想聞くなら、何人かに食べてもらわないとだめじゃない?」


「うふふ〜〜そうだろうと思って、すでに30人分を作っておいたから、よろしくね〜〜♪」


「さ、さ、30人?!ちょっと、これ、一個がどれだけ大きいと思ってんの、お母さん!!

こんなの30人分を、しかもここから結構キョリがある騎士院まで持っていくなん・・・・!!!」




そう、騎士院はここから普通に歩いても20分ぐらいの体感的時間があって、



騎士・・・・・院には、騎士がいて、



騎士の上にはリーダーがいて、



リーダーの上には団長がいて、



団長はジークフリート様で、



ジークフリート様が

ジークフリートだから・・・・・・!!!!????






キャーーーーーーーーーーーー!!!!!






「お、お、お、お、お母様ーーーーー!!!」




突然降り注いだ、あまりの奇跡への喜びと感動に、目の前のララに向かって勢いよくとびつく。




「クローディア、心から喜んで!!このお役目を果たして参ります!!!」


「あら〜〜♪どうしたの?急に〜〜?」




さすがはお母様。ものすごい勢いで飛びついたのに、しっかりと受け止めてなおニコニコ笑顔が全く変わらない。



「もうーーーーー!!お母様最高!!大好き!愛してる!!さすがは我が家の女神様!!」


「あらま〜〜〜♪クロエちゃんたら、愛情表現がパパそっくりで、お母様ちょっと体が痛いわ〜〜〜♪」




もう、何キロあるビッグ・ララを何十分背負って歩かなきゃいけなくとも、その後にまた大変にこき使われるレストランの開始が待っていようとも、私の心は一気に黄金・虹色パラダイスだ!!!


まさか今朝の脳内会議での目標が、こんなにも早く叶うなんて!!!




待っててね!ジークフリート様!!





今すぐそこに、クローディア=シャーロット!!


いっきまーーーーーーーすっ!!!!!

ここまできて、ようやく家からの旅立ちの時です。RPGでいえば、ようやく始まりの町の外へ出たところでしょうか?


進行が遅くてすみません。

早く攻略者達を出してあげたい!次こそは!

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