4話目 危機
うん。ちょっと待て。
ドスンドスンっておかしくない?
近づいてくるたびに地響きがするんですけど。
これ近づいたら確実に仕留められるわ。
殺気がやばい。
とりま石の場所まで戻ろう。
そうしよう。
うわーしかも意外と速い。
まさかもう見つかったとかじゃないよね?
いやでも地響きの音的に距離は結構あるはずだし…大丈夫なはず……多分。
………ちくしょう結構走りづらい。
歩いてる時は割と平気だったのに…
って思ってるうちに最初の場所に帰ってきました!
そして一時間半ぐらいで削った努力の結晶である私お手製ミニ洞窟へ。
万が一の事があるかもしれないので一応埋めなおしておく。
これなら見つからない。
…多分。
いや、見つかってたまるか。
ドスンッ!!ドスンッ!
うわやべーまじできた。
いやまあ、向こうの通路からここまで一本道だったから当たり前なんだけど……
ていうか何でここまで一本道なの?
洞窟なんだから通路も沢山枝分かれしてると思ったんだけどそんな事は無かったぜ。
ドスンッ!!ドスンッ!!
今目の前を通過中。
つってもこっちからも見えないけどね。
……。
ごめん、超怖い。
この恐怖は多分あまり伝わってないと思う。
うん。
あーでも人ってアレだねこんな時でも笑えるんだね。
なんかね、恐怖通り越して笑えてきたわ。
みんなそういう事ない?
……誰に話しかけてんだろ、私。
いや、喋ってないわ。
考えてるんや、これ。
あとさ、地響きのせいで舌噛みそうになる!こっちも怖え!
もうそろそろどっか行けよ!行ってくださいお願いします!
ドスンッ…ドスンッ…
足音が小さくなってきた…確認しようか?ううん…あんまし行きたくない…
ドスンッドスンッ!
フェイントでした!
あっぶねええええええええ!!
今出てったら死んでた!フェイントやめて!真面目に!
いつまでじっとしてればいいんや!長い!
いかんいかん、危うく出て行くとこだった…なんかムカつくが落ち着け私……平常心平常心…
ん?位置的にあいつここら辺をウロウロしてる?
そういや動物って鼻とか耳とか良いから、私がここにいるのばれてる?
えーまじで?詰んだじゃん……ここがバレてるならね
ん?あれ、地響きが止ま
「ピギィィィィイイイイイイ!!」
「グォォオオオオオオオオオオオオン!!」
え!?なに!?なにが起きてんの!?え!?二匹いたの!?一匹は地響きですぐに分かったけどもう一匹はわかんなかったよ!?なんなの!?忍者!?忍者なの!?
なに言ってんの私!?なんで忍者なの?少なくともここには人間いねえよ!いたら化け物だと思うんだ!
「!?」を乱用したせいで軽くゲシュタルト崩壊してる私。
うん、どうでもいい。
でも二匹目が本当何処から来たのか分からなかった…
しかもなんか戦ってるし…今、ありえないほどの轟音が鳴り響いてます。
五月蝿いです。
鼓膜破れそう。
……壁大丈夫かな…私が殴れば削れるくらい脆いからなぁ……
これやばくね?
大丈夫か?って聞かれたら私は速攻で大丈夫じゃない、大問題だ。って答えるに違いない。
うん今の状況で大丈夫大丈夫なんて言える奴はいないだろ。
いたとしたらそいつを囮にして私は逃げるぞ。
え?それは流石に酷いって?
そいつが大丈夫って言ったんだきっと倒してくれる。
っていう茶番兼文字数稼ぎは終了します。
もう外静かになってますし。
もう出て行っても大丈夫な頃なんじゃないかと。
いても怖いので超慎重に行きますけどね。
まず埋め直した場所を再び解放します。
目一つ分の穴を開けて周りを確認します。
ここで何がいても決して挨拶をしては行けません、生きては帰れなくなります。
それで少し待って何もいないと判断したら外へ!
ふー。
さすがに緊張したわ。 こえー。
……?
なんか鉄っぽい匂いがするような…
「…!!」
私が振り向くとそこには案の定赤い液体が。
そして何かを運んだのか洞窟の奥の方へと引きずられて行った跡があった。
ですよねー。
いやまあ、戦ってるような音はしてたし。
今一番不安なのはこれの臭いを嗅ぎ取って新手が来たらどうしよう、という事。
壁?あまり被害が無かったよ。
崩れるどころか無傷の場所があるし、無傷で無いにしてもちょっと削れてるだけだったし。
なんでだろうね。
私の時はガリガリ削れてたのに。
うーんやっぱ奥の方は暗くて見えな
『スキル経験値が最大にまで達しました。スキル「夜目」を入手しました』
今度は何!?
作「はい。作者です。」
雫「本編でフェイントかけられて死ぬかと思った。雫です」
作「いや、あんた主人公だから死なんて。…多分」
雫「なんで最後不安にするような単語を言うの?」
作「……大丈夫だよ!少なくとも雫は死なないから!」
雫「じゃあこれから出てくるかもしれないキャラとかは?」
作「保証はできません!雫は主人公補正があるから死なない!」
雫「不安すぎる」
宇「ねえ、こんな感じの話題って俺んとこでもしてなかったか?」
作「気のせいじ」
宇「似たような話題は話してただろ?」
作「…」