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夕暮れ

日も随分傾いた。丸一日、太陽に焦がされたアスファルトの上を俺と桜木は、とぼとぼ歩く。元気なのは前を歩いているバカ一人だけ。


「いいか?二人とも!見つけたら持ってきたカメラで写真撮るんだ!絶対、学校で人気者になれるぞ!」


「船越。ホラー小説では大体お前みたいなヤツが一番に死体で見つかるぞ。」


「げ!?マジかよ…」


船越は調子に乗るとよく転ぶ癖があるので少し釘を刺しておく。案外、効いたようだ。


「そ、それって推理小説じゃない?」


「そうだったな。ホラーじゃ基本誰も死なない。」


桜木は昼間よりずっと大人しくなっている。いつもツッコミ担当は船越なのだが、どうも調子がおかしい。


「ほらっ!じゃあ大丈夫だ!バッチリ写真撮ってやろうぜ!」


あぁ…全く…


「なんで写真にこだわるんだ?あと後ろ向きながら歩くな。」


「証拠がなかったら誰にも信じてもらえないだろ?」


速度を落として左隣まで来た船越は俺に訴える。


「証拠がなくてもここの三人は信じるぞ。」


右隣の桜木も頷く。


「他の人に信じてもらってこそ、行く甲斐があるんじゃないか!」


「はいはい…」


こいつ、夏バテが一周したな…そっとしとこう。


そうこうしている間に川沿いになってテクテク歩いて行くと噂の柳が見えた。


「おっ!見えてきたぞ!」


大げさに船越が指を差す。ん?“見えてきた”だと?


「『見えてきた』って、もしかして木の下まで行くとか言い出すんじゃないだろな?」


「ご名答!氷室君、その通りだ!」


「マジかよ…」


こいつ、お化けなめてんのか?


「近くまでならいいんじゃないの?」


「桜木まで…」


「よし、二対一で行ってみるに決定!さぁ、行こう!」

次回話で完結します。させます。

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