773列車 お出迎え
2062年6月24日・土曜日(第109日目)天候:雨時々曇り 九州旅客鉄道九州新幹線長崎ルート長崎駅。
「萌。」
「あっ、ありがとう。」
僕は萌に入場券を渡し、改札内へと入る。ふと電光掲示板に目をやる。新大阪行きと博多行きの「かもめ号」が表示されているが、新大阪からやって来る「あかつき623号」の表示はない。当り前か・・・。
「すいません。「あかつき623号」って何番線に着きますか。」
「「あかつき623号」ですか。14番線に到着します。」
駅員さんに聞くとそう答えてくれた。僕たちはエスカレーターをあがって、「あかつき623号」が来るという14番線に行った。えーっと、光達が乗ってるのは7号車だったな。
ホームにあがって5分。博多方から白いライトが見え「あかつき623号」が入線する。7号車が止まる乗降口の近くにいると停車直前の列車内から、孫達の顔が見える。
「ジイジ。バアバ。」
「よく来たな。北斗。」
「海来ちゃんも瑞穂ちゃんも久しぶり。」
「父さん、母さん。」
「光。久しぶり。」
「だいぶ疲れてるなぁ・・・。」
「いや、ちょっと昨日ヤバいのに対応したんで・・・。」
そうなのか・・・。色んなお客さんがいるからな。そう言うのが大変なのはよく分かる。
「お久しぶりです。」
亜美ちゃんは履いているズボンの裾を少し上げて挨拶する。もう癖だな。
「希望に、隼人に、ひばりは。」
「大学や高校生にもなると皆との遊びがあるとか。」
「そう言うもんか・・・そう言うもんだな。」
僕も納得する。
「ねぇ、ジイジ。バアバ。早く行こうよ。」
「北斗君。ちょっと待ってて。皆まだ。」
萌が北斗君を抑えて、どこかに行かないように見張っててくれる。さて、これから長崎観光でもしようかと思っているけど、どこをどうまわろうか。長崎の街は京都と同じで街全体が観光地だからなぁ・・・。グラバー園、浦上天主堂、出島・・・あげたらきりが無いな。
「そういえば、常陸は。」
「常陸はさっきから8号車に。」
「ああ、なるほど。」
「常陸君が来たら、グラバー園にでも行こうかと思ってます。まぁ、先にお昼ご飯でしょうかねぇ。」
「お昼ご飯にはまだ速いと思うけど。」
「この人数ですし早いほうがいいでしょ。父さん。」
「・・・それもそうか。」
僕は光の意見に賛成した。しばらくすると常陸も戻ってきたので、皆で長崎の街へと繰り出す。まず最初はグラバー園を目指そう。
守山→長崎間の乗車券使用終了
長崎駅の入場券使用終了




