772列車 早起きは三文の得
2062年6月24日・土曜日(第109日目)天候:雨時々曇り 西日本旅客鉄道山陽新幹線新大阪駅。
守山5時53分→「快速」→新大阪7時00分
新大阪7時12分→「あかつき623号」→長崎10時54分
守山→長崎間の乗車券使用開始
守山→長崎間の乗車券新大阪駅まで使用
「早起きは三文の得。しかし、これは三文以上の得。」
現在の価値で一文は平均20円。三文は60円と言うことになるが、今の常陸には60円なんてあっという間に使い切ってしまう金額としか思っていないだろうなぁ・・・。
「皆、常陸お兄ちゃんみたいに騒がないで静かにしようね。」
「はーい。」
私の出来た息子、娘達はいい返事を返してくれる。けど、ちょっと声が大きい子もいるかな。
「えっ、ちょ。母さん。」
「シーッ。」
「亜美も座れ・・・。」
隣で光ちゃんがつぶやいた為、私も席にちゃんと座ることにする。常陸は何時にもまして元気だけど、他は皆眠そうだな・・・。
「これ。もう少し遅くてもよかったんじゃ。」
「先に決めちゃったのは亜美ちゃんだろ。もう少し後のことを考えて欲しいもんだ・・・。全く亜美ちゃんはいつでも何も考えてないところがあるからなぁ・・・。」
「わっ、私だってちゃんと考えてるわよ。」
「最初から職場の先輩にドンパチやりにいったり、クレーマーと喧嘩してた人の台詞とは思えんなぁ・・・。」
「うっ・・・。」
後から聞いた話だけど、私の上司からの評判は最悪だったみたいだからなぁ。別に出世の為に上司に媚び売ったりするつもりはなかったから、そんな小さいことはどうでも言い。ただ、私はクレーマー対応をした時に実感した。クレーマーには正論も何も通じることはない。そして、いさめることの出来ない私にサービス業は人として向いていないんだとね。
「まぁ、もう決めちゃったものは仕方ないさ。乗車変更しようにもここまで人数多いとね・・・。」
「う・・・うん。」
「乗ってる間に眠らせておけばいいさ。ウチの子供達は皆早起きには慣れっこだから、心配ないって。」
「・・・。」
「ウチはしばらく寝ることにするよ。何かあったら起こして。」
「はい、はい。」
「「はい」は一回。」
「はーい。ハァ、これじゃまるで私が子供みたい・・・。」




