771列車 肥前白石
2062年6月23日・金曜日(第108日目)天候:曇り 九州旅客鉄道長崎本線佐賀駅。
佐賀駅近辺でお昼ご飯を済ませて、僕たちは長崎本線の列車に乗り換える。
佐賀13時24分→肥前白石13時50分
ホーム上に「旅情」と書かれた石碑が見えてくる。肥前山口駅まで戻ってきたらしい。この列車はそのまま長崎本線を走行し、肥前鹿島駅まで行く。最長往復切符のルートはここからさせ母船を通るルートを取るが、僕たちはいったんここから外れることにした。6分肥前山口駅に停車して、次の肥前白石駅で下車した。
最長往復切符復路肥前山口駅まで使用
肥前山口→肥前白石間肥前白石駅で下車時運賃精算の上乗車
肥前白石駅はただの駅である。跨線橋と簡単な駅舎を備えたどこにでもありそうな駅だ。
「改めてくると街にある普通の駅ね。」
「まぁ、肥前白石からどこかに行くって訳じゃないからな。来るだけならちょうどいいもんでしょ。」
2017年3月6日。ここから播州さんの最長往復切符の旅第1回目が開始されたのだ。もっとも、この駅は特急「かもめ」で通過したので、この駅を出発する電車で旅を始めたわけではないが・・・。
「あの伝説はここから始まったのね。」
「・・・今はこの駅から最長往復切符を始めることも、往路の折り返し地点になることもなくなっちゃったんだよなぁ・・・。」
というのも、さっき乗った列車の終点肥前鹿島駅から諫早の間は九州新幹線長崎ルートの開業に伴い第三セクターの鉄道線に転換されてしまったからだ。最長往復切符のその鉄道を組み込むことは出来ない。そのため、僕たちのように最長往復切符は播州さんがやった時とは開始駅も違うようになった。まぁ、僕たちの持っている最長往復切符も「最長往復切符もどき」なのだが・・・。何か似てるなぁ、第1回目の最長往復切符と。
「ナガシィ、そこ立って。写真撮ってあげる。」
「写真なんていいよ。」
「いいから、いいから。そこに立って。」
「・・・分かった、分かった。」
肥前白石14時16分→肥前山口14時20分
肥前白石→肥前山口間肥前山口で下車時運賃精算の上乗車
肥前白石で降りて、最初に来る肥前山口方面行きの列車に乗り、肥前山口駅に戻る。肥前山口駅からは最長往復切符のルートに復帰し、佐世保線、大村線と乗継いで諫早駅に向かう。諫早駅からは再び最長往復切符のルートから外れ、九州新幹線長崎ルートで終点の長崎へと向かう。
「もうあと2日でこの切符も終わりだよ。どうする。」
「どうするもこうするもないな・・・。ここまで貫禄のついた切符をみすみす返したくもないけど・・・。」
ただなぁ・・・。使用した切符って言うのは本来鉄道会社に返すものだからなぁ・・・。九州旅客鉄道がそういうことをするとはあまり思わないが、万が一と言うこともあるからな・・・。
「本当に終わるんだね。全然実感わかないよ。この切符はあと1回の乗車で全部の効力を失うなんて。」
「・・・。」
その感情はいつでも同じなのかもしれない。京都市内→稚内の往復もあれだって戻ってきた時は終わったという感情がわいた。今回はそれを優に超える期間使用し続けたものだし、愛着でもわいているのかな。
「まぁ、それはそれとして、明日は皆来るんだし、笑顔で迎えてあげよう。」
肥前山口15時10分→早岐15時58分
早岐16時13分→諫早17時20分
最長往復切符復路諫早駅で途中下車
諫早17時39分→「かもめ467号」→長崎17時50分
諫早→長崎間の乗車券使用開始および終了




