755列車 経由:---
2062年6月13日・火曜日(第98日目)天候:晴れ 西日本旅客鉄道宇部線新山口駅。
僕たちは学生に混じって宇部線の列車に乗り込む。普通列車に揺られて宇部新川駅、小野田駅、厚狭駅で乗り換え、長門市駅で途中下車する。
新山口8時25分→宇部新川9時15分
宇部新川9時27分→小野田9時56分
小野田10時08分→厚狭10時13分
厚狭10時32分→長門市11時36分
最長往復切符復路長門市駅で途中下車
「さて、ここまで来たけどどうしようか。」
問題はここから先なのだよなぁ・・・。今日は長門市で泊まる予定なのだ。盲目的チマで来てしまっているからなぁ・・・。それを考えないと行けない。
「うーん。どうしようねぇ・・・。この近くにある観光地でも調べてみる。」
萌はそう言うとスマホを手に取った。近くにある金子みすゞ間って言うのもあったが、鉄道駅で一つ隣の仙崎駅まで行かないとならないらしい。列車は12時34分まで無い。
「・・・宇田郷の近くにあるあの橋は。」
僕はそう言った。あの橋は惣郷川橋梁と言うらしい。鉄道ファンの間で有名な撮影スポットとなっているのだが・・・。
「でも、列車ないわよ。14時34分発の列車だった途中の木与行きだし・・・。」
「木与って宇田郷よりも向こうじゃなかったっけ。」
僕はそう言ったが、それはどうも甘かったらしい。木与駅は長門市から見て宇田郷駅の一つ手前。今の時間から宇田郷まで鉄道で行く手段は16時18分発の益田行きまでない。そんな時間までないのかぁ・・・。
「なかなかうまくいかないわねぇ・・・。」
「うまくいかないなぁ・・・。」
「でも、どっちに行くことも出来るわよね。」
「とりあえず、仙崎行きと木与駅までの切符を買うか。」
窓口に行って、長門市→仙崎の切符と長門市→木与の切符を2人分購入する。仙崎行きのマルス券には経由地の表記が「---」となっていた。こんな表示は初めて見る。
1時間程度列車を待って、下関からやって来る仙崎行きの普通列車に乗り込む。ここまで乗っていた乗客は全員降り、僕ら二人だけがキハ129系の中に入った。がらんとした列車は時間通りに長門市駅を出発する。
長門市12時34分→仙崎12時38分
長門市→仙崎間の乗車券使用開始および終了
仙崎駅に到着してから、僕たちは駅舎を出て金子みすゞ記念館に立ち寄る。記念館を一通り見て回ってから、タクシーに乗って長門市駅に戻る。タクシーで行くと金子みすゞ記念館から長門市駅までは10分程度。こりゃ、鉄道には誰も乗らないわけだ・・・。




