739列車 お休み
2062年6月5日・月曜日(第90日目)天候:曇り時々雨 西日本旅客鉄道東海道本線草津駅。
「ハァ・・・。色んな所行ってるわねぇ・・・。」
私のスマホを見ながら、梓と美萌は声を揃えていった。
「私もこんな風にいっぱい観光してみたいなぁ。」
「私も。」
「大希君も桃李君も仕事終わって少しは一緒にいる時間増えてるでしょ。少しはどこか行ってみたら。」
「それが出来たら苦労しないっての。」
「ハハハ。」
話がいったん落ち着くと机に並んでいるコップやカップを手に取る。コーヒーやジュースを口に含んでから、また話し始める。
「梓は大希君と白浜とか行ったの。前に行きたいなぁって言ってたじゃん。」
「ああ、それ。前に倒れたことあったでしょ。あれで「梓ちゃん安静にしてないとダメだからな。」って。あの大袈裟太郎が・・・。別に、白浜行くにしても激しく遊ぶって訳でもないんだから、遊びに行かせてくれたっていいだに・・・。」
「ドクターストップならぬ、旦那ストップがかかったんだな。」
美萌はそうニタニタしながら言う。
「旦那ストップってね・・・。」
「いつも大好きな旦那さんと一緒にいれるから良いでしょ。」
「・・・別に大好きって訳じゃないし・・・。寧ろ、萌の方が大好きな旦那と一緒にいれていいと思うけど。」
話が私の方に降ってきた。
「別にずっと旅行一緒にしてるからってイチャイチャ出来るわけじゃないわよ。ナガシィはそういうことまずしてこないたちだし。」
「ああ、それもそうか。ナガシィ君手をつなぐってこともしてこないからねぇ。」
「二人の時はつないできたりしてくれるんだけどね。見られるって言うが公開処刑と同じって思ってるからねぇ・・・。もうそろそろその耐性も出来たっていいだに・・・。」
「ハハハ。」
「・・・ああ、私もどっか行ってみたいなぁ・・・。桃李に連れてって貰おうかな。」
「色仕掛け使って。」
「使うか。演技はするけど、色仕掛けは使わないに。」
「フフフ。」
「こいつら・・・。」
一通り話してから私達は解散する。私も明日からは最長往復切符の旅に出るからなぁ・・・。この旅はだんだんとクライマックスに近づいてきている。今回でたら、次に戻ってくるのは最長往復切符の旅が終わる時だ。




