736列車 時間があれば・・・。
2062年6月2日・金曜日(第87日目)天候:曇り 西日本旅客鉄道北陸新幹線芦原温泉駅。
芦原温泉駅から車で約30分。切り立った断崖絶壁には多くの人々の影が見える。したには荒々しい日本海の波が打ち寄せる。ここは福井県東尋坊だ。
「おお、テレビで見たとおり・・・。」
「いや、そりゃそうだろ。」
「東尋坊も来てみたかったのよねぇ。」
「これてよかったじゃん。」
僕たちは海岸の方へと近づく。岸壁は垂直に海面へと吸い込まれている。こんな所から落ちたら100%昇天出来るだろうなぁ・・・。だから、自殺したい人はここに来るのか・・・。それはそれで東尋坊にとっても不名誉なことだろう。
しかし、東尋坊の由来からしてここは曰く付きと言える。昔いた僧侶の名であり、しかもその人はここで殺害されているというのだ。もうそこから何かあるとしか言えないなぁ・・・。まぁ、ここの由来は複数あるらしいからその中で有名(?)なのがそれと言うことに止めておこう。
「もうちょっと近くに寄ってみる。」
「良いよ。ここからで。」
東尋坊を遠巻きから眺めて、僕たちは車で芦原温泉駅まで戻る。
芦原温泉15時01分→「つるぎ823号」→福井15時10分
最長往復切符復路福井駅で途中下車
福井駅からはタクシーに乗り1時間ほどで恐竜博物館へと到着する。福井県と言えば日本で数多くの恐竜化石を発掘出来ることでも有名だ。福井県に来たら一度入ってみたいと思っていた場所でもある。
「こうしてみると恐竜って結構色んな形してるのがいるのね。首の長いのから、背中にとげがいっぱいあるのまで。」
「1億6000万年も生きればそれだけいろんなのが出てくるって。」
「恐竜ってそんなに長いこといたの。」
「あっ、知らなかった。そんなに長いこといたんだよ。人間の歴史がせいぜい700万年くらいしかないって考えたら、何倍だ・・・。計算出来ねぇな。」
「フフフ・・・。って、こうしてる場合じゃないでしょ。閉館まで時間無いんだから。」
「そうだったな。」
結局足早に中を見学することくらいしか出来なかった。
「・・・もうちょっと早く金沢でてもよかったわね。」
「ハハハ・・・。ちょっと疲れたな。」
「うん・・・。こういう所はもうちょっとユックリ見ないとダメだって。」
「・・・今日は色々と失敗したかな。」
「まぁ、良いわよ。恐竜の化石とか見れたし。ここぐらいでしか見れないんでしょ。」
「ああ、まぁ・・・。」
恐竜博物館からタクシーでえちぜん鉄道の勝山駅に向かい、そこから福井駅まで乗ることにした。
勝山17時49分→えちぜん鉄道勝山永平寺線→福井18時42分




