表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Longest Journey Episode:14
723/779

723列車 うねうね、畝傍

 2062年5月25日・木曜日(第79日目)天候:晴れのち曇り 西日本旅客鉄道(ジェイアールにしにほん)和歌山線(わかやません)橋本(はしもと)駅。

 橋本(はしもと)駅からは再び和歌山線(わかやません)の列車に乗り、奈良(なら)を目指す。この列車は和歌山線(わかやません)をそのまま進んで王寺駅に行ってしまう為、途中の高田(たかだ)駅で桜井線(さくらいせん)の列車に乗り換えなければならない。1回の乗り換えを挟む必要はあるが、それでも乗り換え回数は少ない方だし、ありがたいか・・・。

橋本(はしもと)15時08分→高田(たかだ)16時08分

最長往復切符復路橋本(はしもと)駅から使用再開

 高野山(こうやさん)で歩き回った疲れが来たのか、乗っている間を寝て過ごす。ふと目を覚ますと高田(たかだ)駅の手前であり、そそくさと列車から降りて桜井線(さくらいせん)の列車に乗り換える。

高田(たかだ)16時13分→畝傍(うねび)16時20分

最長往復切符復路畝傍(うねび)駅で途中下車

 畝傍(うねび)駅は木造の駅舎の付いた無人駅である。ただ、ホームの規模や駅舎を見る限り昔は有人駅だったところであろう。

「・・・。」

「・・・。」

「思った以上に普通の駅ね。」

「いや、どんな駅だと思ったのさ。」

播州(ばんしゅう)さんの最長往復切符で取り上げられた時はもうちょっと特別な駅だと思ってたんだけどなぁ・・・。」

「特別ねぇ・・・。」

畝傍(うねび)駅というのは1893年5月23日に開業した駅である。当初は私鉄として開業し、1907年に国有化され現在に至る。1940年には文化財にも登録されている由緒正しい駅である。それを考えるとこの駅がどこにでもある普通の駅と考えるのは行けないだろうなぁ・・・。

 駅舎側に通じる通路は2つある。しかし、使える入り口は1つだけだ。片方は白い板で完全にふさがれてしまっている。

「ほう。これがねぇ。」

「ここが天皇陛下だけが入れるお部屋のある場所ね。」

畝傍(うねび)駅が普通の駅でない点はここだ。この板の向こうには皇室専用の部屋が隠されている。ただ、見る限り使えるようにはなっていないのだが・・・。本当に今でも使えるようになっているのだろうか。

「今は天皇陛下近畿日本鉄道(きんてつ)使うのよね。」

「あー、そうだなぁ・・・。名古屋(なごや)までリニア使って後は近畿日本鉄道(きんてつ)かな。」

「やっぱり、そっちの方が奈良(なら)に来るには早いのかな。ていうか奈良(なら)までリニアじゃないんだ。」

「・・・お召し列車は最優先列車だからなぁ・・・。お召し列車の上を別の列車がとお茶行けないとか色んな制約があるからじゃない。」

「・・・何か面倒くさいわねぇ。」

「それぐらいいいと思うよ。天皇陛下は日本の象徴なんだし。寧ろ、天皇陛下が乗っている列車を追い抜いたりする方が問題じゃない。」

「・・・ああ。それはなんとなく分かる気がする。」

「まぁ、それはどうであれこの中どうなってるか気にならない。」

「・・・言っとくけど、板の隙間から中をのぞき込むとかしないでよ。やりそうだから言っとくけど。やりそうだから言っとくけど。」

「2回も言わなくてもいいじゃん。」

30分ほど経つと奈良(なら)行きの列車が入線する。その列車に乗って僕たちは奈良(なら)駅に行った。

畝傍(うねび)16時51分→奈良(なら)17時30分

最長往復切符復路奈良(なら)駅で途中下車


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ