719列車 生前の姿
2062年5月23日・火曜日(第77日目)天候:晴れ 東海旅客鉄道関西本線名古屋駅。
名古屋駅に戻ったらお昼ご飯を食べる。名古屋と言えばきしめん。と言うわけで、名古屋駅のホームにはきしめん屋さんがたくさんある。ただ、お昼と言うこともありどこもたくさん人が入っている。
「どう、時間ある。」
「時間は大丈夫だよ。念のためにお冷やで冷やして一気にすすっちゃう。」
ふと脳裏に琴平電鉄のマスコットキャラクターが讃岐うどんを「ズゾゾゾゾ」してる絵が出てくる。
「それはパス。」
僕たちはきしめんを食べてから、関西本線の列車に乗り込む。止まっている車両はもう見慣れた315系だ。
名古屋13時07分→「快速」→亀山14時09分
最長往復切符復路名古屋駅から使用再開
亀山14時16分→松阪15時07分
名古屋駅から終点の亀山駅まで向かい、亀山からは紀勢本線へ向かう列車に乗り換えて、松阪に来る。
最長往復切符復路松阪駅で途中下車
さて、松阪駅で降りたら目的はやはり松阪牛だ。だが、松阪牛を堪能しまくろうと思うほどお腹を空いていない。駅弁を買って、そういうところはごまかすことにしようか。跡は周辺の多気駅から参宮線伊勢市駅に行く乗車券を買って、次の鳥羽行き「快速みえ13号」で伊勢市に行くことにする。
だが、それでもまだ発車まで30分近くある。
「駅弁食べちゃう。」
「そうしようか。お昼ご飯おうどんはあんまりねぇ・・・。」
近くにベンチがあったので、そこに腰掛ける。
買った駅弁は2000円くらいの結構なもの。容器からは黄色いひもがでている。これを引っ張るとこの中にある物質が化学反応を起こして発熱、お弁当を暖めるのだ。これって結構凄いものだと思うんだよねぇ・・・。
「おっ・・・。」
お弁当の封を切るとポロッと紙が飛び出した。
「なんだろう、これ。」
拾い上げてみると・・・。
「このお弁当箱に入っている牛、生前の姿・・・。」
「へぇ・・・。こういうのが見れるって言うのはいいかもね。最近は産地偽造とか色々五月蠅い世の中だし。」
「ああ。まぁねぇ・・・。でもさぁ、これ見せられると食欲失せない。」
「・・・まぁ、どこか悲しくなるって言うか。」
萌はそう言ってから、
「でも、今まで姿を知らないだけで食べるだけ食べてきたものはいくらでもあるでしょ。それ見て悲しくなってるようなら人間生きていけないと思うんだけど。」
「・・・ハハハ。それもそうだな。」
お弁当をゆっくり食べて、鳥羽行きの「快速みえ」で2つ隣の伊勢市駅で下車する。伊勢神宮に行こうかとも思ったが、それは明日に回すことにしよう。
松阪15時46分→「快速みえ13号」→伊勢市16時06分
最長往復切符復路松阪駅から使用再開
最長往復切符復路多気駅まで使用
多気→伊勢市間の乗車券使用開始および終了




