718列車 好きを見る目
2062年5月23日・火曜日(第77日目)天候:晴れ 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線名古屋駅。
名古屋から今日はあおなみ線に乗って終点の金城ふ頭に行くことにする。金城ふ頭の先には東海旅客鉄道の鉄道博物館リニア館がある。久々に行ってみたくなったのだ。
名古屋9時30分→名古屋臨海高速鉄道→金城ふ頭9時54分
名古屋→金城ふ頭の乗車券使用開始および終了
リニア館は金城ふ頭駅に併設されている状態に近い。リニア館には歩いて向かうことが出来る。
入館料を払って、僕たちはリニア館へと入る。入ってすぐに出迎えてくれるのはC62形蒸気機関車、955形新幹線「300X」、リニア中央新幹線L0系の3両だ。どれも記録にゆかりのある車両ばかりである。
「でも、ナガシィはこれには興味ないでしょ。」
「・・・別に興味ないってわけじゃないよ・・・。」
彼らを横目に奥へと進む。すると往年の東海道新幹線の車両が出迎えてくれる。0系、100系、300系、700系。時代を作り上げてきた新幹線車両のお出ましである。ただ、僕個人としては一番惹かれるものはやはり尖った鼻の100系新幹線だな。
「うん、やっぱりいつ見ても格好いい。」
それは正直な気持ちだ。
「・・・ナガシィの100系を見る目はいつもより輝いて見えるわねぇ・・・。正直羨ましい。」
「えっ。良いでしょ。」
「悪いとは言ってないわよ。」
「・・・おい・・・。」
「時には嫁でも見つめとけば。」
「怒ってるじゃん。」
「別に、怒ってないに。」
「口調が全然違う。怒ってるじゃん。」
「・・・。」
萌はどこか言いたそうに100系を見る。これに何を言っても返事を返すわけじゃないんだけどなぁ・・・。今、萌は何考えているのかな。「羨ましいなぁ・・・。機械なのにそんな眼差し向けてくれて。」とでも考えているのかな。
「クシュン・・・。」
「・・・何、今の。」
「噂した。私の。」
「したよ。」
「なんて。」
「なんとも・・・。」
「教えろ。」
「・・・じゃあ、黙っとこうかな。」
「おい。」
2時間かけてリニア館の展示をゆっくりと見て回り、僕たちは名古屋臨海高速鉄道あおなみ線に乗り名古屋駅へと戻った。
金城ふ頭11時59分→名古屋臨海高速鉄道→名古屋12時22分
金城ふ頭→名古屋間の乗車券使用開始および終了
一口メモ
東海旅客鉄道100系新幹線
東海道新幹線で長らく運用された0系のモデルチェンジ車として投入された。最高時速は220キロに上がり、新幹線初の2階建て車両も連結された。「シンデレラエクスプレス」、「クリスマスエクスプレス」など数々の看板と肩書きを冠し、JR発足当時の花形として君臨した。そんな彼が時代と技術の荒波に勝てなかったのは悲運というほか無い。




