717列車 金の鯱
2062年5月22日・月曜日(第76日目)天候:晴れ 東海旅客鉄道飯田線飯田駅。
飯田線の列車に乗り込む。車両は東海道区間で見慣れた315系である。車内はセミクロスシートである為3000番台らしい。僕たちはボックスシートに腰掛けた。ちょうど開いている為僕と萌で思いっきり足を伸ばしてボックスシートを占有することにした。
飯田9時45分→岡谷11時56分
3分で隣の桜町駅に停車。
「早いなぁ・・・。」
「早いけど・・・。停車駅は多いし、距離は長いし。乗ってるのが苦痛になるわ。」
「・・・。」
それに関しては何も言わないことにする。僕たちの乗っている列車も飯田線を抜ける辰野駅まで1時間59分かかる。距離は66.4キロの為表定速度は33.2キロと言うことになる。あんまり速くもないなぁ・・・。
「寝るか。」
「寝ちゃおうかな。」
「・・・誰か来るといけないから、シートから足だけはおろしとこうかな。」
飯田線に乗っている間を寝て過ごし、岡谷駅で列車を乗り換える。塩尻方面に向かう列車に乗り換え、塩尻からは特急「しなの」に乗り換え一路名古屋を目指すことにする。
岡谷12時25分→塩尻12時35分
塩尻13時03分→「しなの12号」→名古屋15時01分
最長往復切符名古屋駅で途中下車
名古屋でおやつを食べ、名古屋市営地下鉄東山線と名城線を乗り換え、名古屋城へと向かう。
名古屋→名古屋市営地下鉄東山線→栄
栄→名古屋市営地下鉄名城線→名城公園
「名古屋城には考えたら行ったこと無いわね。」
「近い観光地ほど行かないものなんじゃない。」
僕は萌に言った。僕も浜松の観光地って言うところにはまず行ったことが無い。大体地元の人からしてみれば、地元にあるが故に観光地じゃないんだよなぁ・・・。普段から見れるし。ただ、地元の近くにある観光地にあまり行かない理由にはならないなぁ・・・。となると考えられるのは手頃にいけると思うからだろうなぁ・・・。いつでも行けるという思考が近い観光地を遠ざけるんだろう。
「名古屋城はコンクリで復元したものなのよね。」
「燃えちゃったからね。」
「戦災。」
「うん、戦災。」
名古屋城の中へと入り、展示を見て回る。木で復元されたものではない為、お城の中が歩きやすくはあるが、味がないといえばそうだな。
展示を見ていると名古屋城が燃えた原因というのも分かる。
「何か、これ見たらすっごい悔しかったろうねぇ。」
名古屋城は名古屋空襲の際に燃えているのだが、金の鯱を降ろす為に組んだ足場が燃えたことにより焼失するという運命をたどっている。戦災を回避する努力をしたにもかかわらず、それが報われることはなかったのか。萌の言うことは間違いじゃないだろう。
「・・・どう思ったんだろうねぇ。」
「・・・アメリカもアメリカよねぇ。何もこういうのまで燃やさなくてもよかったのに。」
「・・・まぁ、アメリカは日本人のこと人とすら思ってない狂育してるようなもんだからなぁ・・・。アメリカ軍の上層部の考えがイッテルだけでしょ。」
「・・・相変わらずアメリカには辛辣ね。」
「別に・・・。同時のそっちの人間が人の考えなんて高等な考えを持ってなかったって言いたいだけさ。」
名城公園→名古屋市営地下鉄名城線→久屋大通
久屋大通→名古屋市営地下鉄桜通線→名古屋




