表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Longest Journey Episode:12
713/779

713列車 国道上にある国道

 2062年5月20日・土曜日(第74日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道(ジェイアールひがしにほん)鶴見線(つるみせん)浜川崎(はまかわさき)駅。

 僕たちは浜川崎(はまかわさき)から扇町(おうぎまち)行きの普通列車に乗り込む。工場が業務をしない土曜日であることと昼間であることも絡んで3両編成の鶴見線(つるみせん)の車内はがらがら。先頭車両から最後尾の車両をずっと見通すことが出来る。

浜川崎(はまかわさき)10時17分→扇町(おうぎまち)10時17分

浜川崎(はまかわさき)扇町(おうぎまち)間の乗車券使用開始および終了

 扇町(おうぎまち)駅で少し下車。辺りを見回すと工場ばかりである。だが、その工場に向かって1本線路が延びている。さび付いていてあまり使われていないようであるが・・・。

「ここを列車が通る事ってあるのかな。」

播州(ばんしゅう)さんが言ってたでしょう。特大貨物が通るって。変圧器とかあっちから運び出す時にさ。」

「・・・そういえばそんなこと言ってたっけ。」

 さて、あまり見て回ることは出来ない。ここまで乗ってきた電車に乗り込み、来た道を戻る。

扇町(おうぎまち)10時30分→浅野(あさの)10時39分

扇町(おうぎまち)浜川崎(はまかわさき)間の乗車券使用開始および終了

最長往復切符復路浜川崎(はまかわさき)駅より使用再開

 浜川崎(はまかわさき)駅から最長往復切符の利用に復帰し、隣の駅の武蔵白石(むさししらいし)駅に停車。僕たちの乗る線路の隣には1本線路が通っている。あの線路は大川(おおかわ)という駅につながる鶴見線(つるみせん)大川支線(おおかわしせん)。しかし、今回あの路線に乗ることはない。今の時間から大川(おおかわ)に行く電車は17時58分の安善(あんぜん)発までないのだ。ついでにそれが最終列車である。この辺りは工場しかないからなぁ・・・。観光で何時間をつぶせるような場所ではないし・・・。

最長往復切符復路浅野(あさの)駅で途中下車

浅野(あさの)11時37分→海芝浦(うみしばうら)11時41分

浅野(あさの)海芝浦(うみしばうら)駅までの乗車券使用開始および終了

 浅野(あさの)駅から海芝浦(うみしばうら)方面に分岐する鶴見線(つるみせん)の電車に乗り換え、終点の海芝浦(うみしばうら)駅で下車。

 ホームのすぐ脇は海であり、日本一海に近い駅で間違いないだろう。ただ・・・。

「今日はさすがに開いてないか。」

駅に併設されている公園は開いていなかったらしい。まぁ、公園自体海芝浦(うみしばうら)の近くにある企業の工場の持ち物みたいな所だから、相手無くても不思議じゃないか。

海芝浦(うみしばうら)12時01分→国道(こくどう)12時10分

海芝浦(うみしばうら)浅野(あさの)間の乗車券使用開始および終了

最長往復切符復路浅野(あさの)駅より使用再開

 乗ってきた電車で再び来た道を戻る。浅野(あさの)駅から最長往復切符の使用を再開して、今度は鶴見(つるみ)駅の一つ手前の駅国道(こくどう)駅で下車する。

最長往復切符復路国道(こくどう)駅で途中下車

 この国道(こくどう)という駅、国道(こくどう)が近くにあるから国道(こくどう)という駅名になったんでしょうという考えを持つ人もいるかもしれない。そして、それは間違いではないのだ。

「近くに国道(こくどう)があるから国道(こくどう)って。考えた人ネタ切れ気味だったのかな。」

萌が言う。

「ネタ切れだったんじゃない。北海道だって、同じ駅名が連続することだってあるんだし。」

 大体日本の駅名というのは地名を基準にして決める傾向にある。北海道のニセコという駅もニセコという街にあるからニセコになったと言うくらいだ。つまり、その駅が出来る地域に身近な名前になると言うことになる。鶴見線(つるみせん)の沿線はどこもかしこも工場まみれで開発された場所が多い。そういう場所は身近な地名などあるわけ無いだろう。だから、一番身近な地名以外の何かで決めたというのがことのいきさつだと考えられるのだ。まぁ、推測だからどうなのかは知らないが・・・。

 駅を降りてみると暗い場所へと出た。通路の左右を見てみるといかにも昭和という雰囲気が漂う。昼まで晴れているにもかかわらず、通路は暗い。当てになる証明は通路におかれたお店の看板くらいだ。

「ぱっと見は結構怖いわね。」

「怖いねぇ・・・。まぁ、確かに。」

「この駅、降りてみたけどこの雰囲気に惹かれるのよねぇ・・・。私はこの雰囲気にも惹かれないわ。むしろ、引く方ね。」

「ハハハ・・・。引く方ね。」

「・・・この駅もうちょっと新しくしないかな。」

「新しくしたらしたで、大ブーイングが起こりそうだけどね・・・。」

「ブーイング怒ってもいいから綺麗にしようよ。この雰囲気は犯罪臭しかしないって。」

「犯罪臭ってなぁ・・・。」

「暗いって言うのがいけないって。明るくしようよ。明るく。」

「僕に言われても困るんだけど。」

「それもそうか・・・。」

 まぁ、それに関しては色んな首長って言うものがあるか・・・。

国道(こくどう)12時40分→鶴見(つるみ)12時42分


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ