713列車 国道上にある国道
2062年5月20日・土曜日(第74日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道鶴見線浜川崎駅。
僕たちは浜川崎から扇町行きの普通列車に乗り込む。工場が業務をしない土曜日であることと昼間であることも絡んで3両編成の鶴見線の車内はがらがら。先頭車両から最後尾の車両をずっと見通すことが出来る。
浜川崎10時17分→扇町10時17分
浜川崎→扇町間の乗車券使用開始および終了
扇町駅で少し下車。辺りを見回すと工場ばかりである。だが、その工場に向かって1本線路が延びている。さび付いていてあまり使われていないようであるが・・・。
「ここを列車が通る事ってあるのかな。」
「播州さんが言ってたでしょう。特大貨物が通るって。変圧器とかあっちから運び出す時にさ。」
「・・・そういえばそんなこと言ってたっけ。」
さて、あまり見て回ることは出来ない。ここまで乗ってきた電車に乗り込み、来た道を戻る。
扇町10時30分→浅野10時39分
扇町→浜川崎間の乗車券使用開始および終了
最長往復切符復路浜川崎駅より使用再開
浜川崎駅から最長往復切符の利用に復帰し、隣の駅の武蔵白石駅に停車。僕たちの乗る線路の隣には1本線路が通っている。あの線路は大川という駅につながる鶴見線大川支線。しかし、今回あの路線に乗ることはない。今の時間から大川に行く電車は17時58分の安善発までないのだ。ついでにそれが最終列車である。この辺りは工場しかないからなぁ・・・。観光で何時間をつぶせるような場所ではないし・・・。
最長往復切符復路浅野駅で途中下車
浅野11時37分→海芝浦11時41分
浅野→海芝浦駅までの乗車券使用開始および終了
浅野駅から海芝浦方面に分岐する鶴見線の電車に乗り換え、終点の海芝浦駅で下車。
ホームのすぐ脇は海であり、日本一海に近い駅で間違いないだろう。ただ・・・。
「今日はさすがに開いてないか。」
駅に併設されている公園は開いていなかったらしい。まぁ、公園自体海芝浦の近くにある企業の工場の持ち物みたいな所だから、相手無くても不思議じゃないか。
海芝浦12時01分→国道12時10分
海芝浦→浅野間の乗車券使用開始および終了
最長往復切符復路浅野駅より使用再開
乗ってきた電車で再び来た道を戻る。浅野駅から最長往復切符の使用を再開して、今度は鶴見駅の一つ手前の駅国道駅で下車する。
最長往復切符復路国道駅で途中下車
この国道という駅、国道が近くにあるから国道という駅名になったんでしょうという考えを持つ人もいるかもしれない。そして、それは間違いではないのだ。
「近くに国道があるから国道って。考えた人ネタ切れ気味だったのかな。」
萌が言う。
「ネタ切れだったんじゃない。北海道だって、同じ駅名が連続することだってあるんだし。」
大体日本の駅名というのは地名を基準にして決める傾向にある。北海道のニセコという駅もニセコという街にあるからニセコになったと言うくらいだ。つまり、その駅が出来る地域に身近な名前になると言うことになる。鶴見線の沿線はどこもかしこも工場まみれで開発された場所が多い。そういう場所は身近な地名などあるわけ無いだろう。だから、一番身近な地名以外の何かで決めたというのがことのいきさつだと考えられるのだ。まぁ、推測だからどうなのかは知らないが・・・。
駅を降りてみると暗い場所へと出た。通路の左右を見てみるといかにも昭和という雰囲気が漂う。昼まで晴れているにもかかわらず、通路は暗い。当てになる証明は通路におかれたお店の看板くらいだ。
「ぱっと見は結構怖いわね。」
「怖いねぇ・・・。まぁ、確かに。」
「この駅、降りてみたけどこの雰囲気に惹かれるのよねぇ・・・。私はこの雰囲気にも惹かれないわ。むしろ、引く方ね。」
「ハハハ・・・。引く方ね。」
「・・・この駅もうちょっと新しくしないかな。」
「新しくしたらしたで、大ブーイングが起こりそうだけどね・・・。」
「ブーイング怒ってもいいから綺麗にしようよ。この雰囲気は犯罪臭しかしないって。」
「犯罪臭ってなぁ・・・。」
「暗いって言うのがいけないって。明るくしようよ。明るく。」
「僕に言われても困るんだけど。」
「それもそうか・・・。」
まぁ、それに関しては色んな首長って言うものがあるか・・・。
国道12時40分→鶴見12時42分




