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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Longest Journey Episode:12
712/779

712列車 雑踏無縁

 2062年5月20日・土曜日(第74日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道(ジェイアールひがしにほん)東海道本線(とうかいどうほんせん)品川(しながわ)駅。

 朝、土日でも出勤の人たちが大体会社に入りきった頃、僕たちは品川(しながわ)駅へと向かった。土曜日と行っても、東京(とうきょう)の人の数は以上である。2,3日前くらいから見慣れた人の数ではあるが、日本中まわってくるとこの人の数がどれほど以上なのか嫌でも分かるようになる。これら人の波は日本がまだ未来に続く息吹そのものだろう。

品川(しながわ)9時08分→「踊り子(おどりこ)105号」→川崎(かわさき)9時16分

最長往復切符復路品川(しながわ)駅より使用再開

 伊豆急下田(いずきゅうしもだ)行きの特急列車「踊り子(おどりこ)」に乗って、隣の川崎(かわさき)駅で下車する。今回はグリーン車を使っていないだけだが、贅沢な乗り方をしているものだ。

川崎(かわさき)9時24分→尻手(しって)9時26分

 川崎(かわさき)駅から南武線(なんぶせん)の列車に乗り換え、隣の尻手(しって)駅で下車する。

 僕たちは尻手(しって)駅から浜川崎(はまかわさき)方面に向かわなければならない。ホームに降りると僕らの乗ってきた電車の反対側に2両編成の電車が止まっている。車内に人はまばらである。同じ東京(とうきょう)にいながら、彼らと僕らの後ろの電車には大きな溝がある。

尻手(しって)9時36分→浜川崎(はまかわさき)9時44分

 尻手(しって)駅を出ると電車は数多くの線路をまたいだ。下は東海道本線(とうかいどうほんせん)の線路がずらりと並んでいる。そこをひっきりなしに最大15両編成の列車が行き来する。一方の僕たちの乗る電車はどこか違う。

「下は慌ただしいけど、私達はのんびり走っている感じよね。」

東京(とうきょう)にものんびり走る電車があるんだなぁ・・・。

 浜川崎(はまかわさき)駅に到着。降りて、駅の時刻表を見てみるとかなりスカスカである。僕たちの乗ってきた電車は9時47分発の尻手(しって)行きとなって尻手(しって)駅に折り返していくが、その次は30分後の10時17分。さらにその次は40分後の10時57分。首都圏にあるにしては列車本数がかなり少ない。ラッシュでも7時の5本が最大だ。

「昼間は40分に1本かぁ・・・。使う人いるのかな。」

「いても少ないだろうなぁ・・・。まぁ、良いんじゃない。南武線(なんぶせん)の本体はこっちじゃないし。」

「それもそうかぁ・・・。」

 駅舎の外に出ると、駅員が一人立っていた。

「切符を拝見いたします。」

どうやら改札業務の真っ最中らしい。

 僕らが最長往復切符を見せると駅員は面食らったようで、僕らに声をかけてきた時の笑顔は消えた。少し口の辺りをこわばらせながら、切符をつぶさに確認する。僕らが今まで切符を見せた駅員の中でかなりしっかりと切符を確認している部類に入るだろう。

「はい、ありがとうございます。」

「どうも。」

「はい、ありがとうございます。」

「あっ、はい。」

萌の切符はさっさと返した。同じ切符だと直感したからだろう。

「私の時はあんまり確認しなかったわよ。」

「そりゃ、こんなの持っているなんて思わないでしょ。」

「プラス、スーツを着た人間がね。」

「そうそう。」

 南武線(なんぶせん)浜川崎(はまかわさき)駅から鶴見線(つるみせん)浜川崎(はまかわさき)駅まで道を渡って移動する。ここからは少し鶴見線(つるみせん)をまわってみよう。

最長往復切符浜川崎(はまかわさき)駅で途中下車


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