表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Longest Journey Episode:4
592/779

592列車 色々と違う

 2062年3月25日・土曜日(第18日目)天候:晴れ 東海旅客鉄道(ジェイアールとうかい)関西本線(かんさいほんせん)亀山(かめやま)駅。

最長往復切符往路亀山(かめやま)駅で途中下車

 亀山(かめやま)駅で列車を降りる。名古屋(なごや)行きの列車はまだ30分以上待たなければならない。その間にちょっとだけ亀山(かめやま)の駅周辺を見て回ろうと思ったのだ。

亀山(かめやま)駅って何か広いよね。」

萌がつぶやく。

 そのつぶやきには同意だ。亀山(かめやま)駅の構内はかなり広くなっていて、そのほとんどが開けた空き地になっている。昔はがらんどうとなっている辺りにも線路が張り巡らされていたのだろう。

 しばらくしてから亀山(かめやま)駅に戻るとキハ120系が止まっていた。この車両は柘植駅からかも駅の間で乗った車両だが・・・。この亀山(かめやま)駅は東海旅客鉄道(ジェイアールとうかい)西日本旅客鉄道(ジェイアールにしにほん)の境界駅となっている。僕らはこのキハ120系に乗った柘植駅は3駅先である。3日かかって3駅となりまで進んできたのか・・・。そう考えるとなぁ・・・。

 16時11分にキハ120系派かも駅に向かって出発していった。

 僕らは電車に乗り込む。東海旅客鉄道(ジェイアールとうかい)の主力車両315系だ。

亀山(かめやま)16時23分→「快速」→名古屋(なごや)17時34分

 亀山(かめやま)を出発する快速列車は途中の四日市(よっかいち)駅まで各駅に停まる。この快速は四日市(よっかいち)亀山(かめやま)間の普通列車も兼ねているからだ。

 河原田(かわらだ)駅で右側から高架橋が寄ってくる。さっき()駅で降りた「南紀(なんき)6号」の走った線路、伊勢鉄道(いせてつどう)線だ。

 四日市(よっかいち)駅からは快速運転に入る。だが、新快速みたいな勢いがあるわけではない。時折単線になる関西本線(かんさいほんせん)をマイペースで進んでいく。右隣には近鉄特急や急行列車が走り、なんとも慌ただしそうだ。

 新幹線の高架橋が見え、その下をくぐって名古屋(なごや)駅へと入る。大阪以来の大都会だ。

最長往復切符往路名古屋(なごや)駅で途中下車

「萌、そろそろ晩ご飯にでもしようか。」

名古屋(なごや)と言えば味噌カツでしょ。」

「味噌カツはいるの。」

僕はそう聞いた。萌はそれには黙った。入らないって言う意思表示で良いのかな・・・。

名古屋(なごや)と言えばきしめんでしょ。」

「きしめんだったら駅降りなくても良かったんじゃない。」

萌がそう言うのは名古屋(なごや)にはきしめんを食べられるところが駅構内に大量設置されているからだ。

「まぁ、良いんじゃない。ずっと列車に乗りっぱなしだし、気分転換も必要だって。」

 きしめんを食べて、名古屋(なごや)駅にホームに戻る。列車での移動はまだ終わらない。ここから乗る列車は中央本線(ちゅうおうほんせん)の特急「しなの」だ。

 「しなの号」はグリーン車を用意した。東海旅客鉄道(ジェイアールとうかい)の特急列車は「ワイドビュー○○」という名が付いている。窓は広く、先頭車両はパノラマが楽しめるようになっているものが多い。せっかくそう言う列車に乗るのだから、前面展望を楽しんでみたいでは無いか。その意味も込めてのグリーン車だ。

名古屋(なごや)18時40分→「しなの21号」→塩尻(しおじり)20時35分

が・・・。

「よくよく考えたら、真っ暗なんだしグリーン車にする必要なかったなぁ・・・。」

「時間分からなかったわけじゃないのにねぇ・・・。お馬鹿。」

「うっ・・・。」

右に新幹線、左に東海道本線(とうかいどうほんせん)を見ながら、しばらく走る。金山(かなやま)駅が近づいてくると列車は東海道本線(とうかいどうほんせん)名古屋鉄道(めいてつ)線の下をくぐり、金山(かなやま)駅に入線する。金山(かなやま)駅を出発すると列車は左に折れ、中央本線(ちゅうおうほんせん)を快走し始める。

 名古屋(なごや)のベッドタウンはすぐに終わり、山の線路へと姿を変える。パノラマから見えていた街の明かりは少なくなり、ヘッドライトの照らす行く手は暗闇に包み込まれている。

 時折Gがかかって、スピードが落ちる。そうなると「しなの」はカーブにさしかかる。「しなの」的には十分減速しているのだろうが、それでも速い。僕が初めて鉄道で恐怖を感じた四国旅客鉄道(ジェイアールしこく)の2000系気動車に乗っているような感覚だ。時たま前を見ていられなくなる。

「・・・。」

「どうかした。」

萌が聞いてくる。

「・・・僕の振り子車両のイメージってトップスピードのままカーブにツッコんで車体が傾くって言うイメージなんだよねぇ・・・。「しなの」ってスピードのアップダウンが激しいなぁと思っただけ。」

GPSスピードメーターアプリを起動してスピードを見ているとだいたい110キロ前後で走り、カーブにさしかかる手前で90キロ台にまで減速することがある。カーブを抜けると再び100キロオーバーまで加速する。その繰り返しだ。

「・・・ふぅん。」

興味はなさそう・・・。

「確かに「あずさ」ってあんまり加減速しなかったかもねぇ・・・。」

 左へ大きくカーブする。右側から線路が近づき、その先に駅を見るようになると塩尻(しおじり)駅だ。

「しなの」をここで降り、今度はさっき右側から近づいてきた線路の方向へ走る普通列車に乗り換える。それで今日の移動は終了だ。

塩尻(しおじり)20時54分→岡谷(おかや)21時04分

最長往復切符往路岡谷(おかや)駅で途中下車


一口メモ

東海旅客鉄道(ジェイアールとうかい)385系

「しなの」で長らく運用された383系の老朽置き換え車両。385系には簡易振り子式車両として製造され、名古屋(なごや)圏から信州への最速列車として今も君臨している。


四国旅客鉄道(ジェイアールしこく)2000系気動車

四国旅客鉄道(ジェイアールしこく)の開発した振り子式特急型気動車。世界で初めて振り子機構を付けたディーゼルカーであり、その技術は開発段階から広く注目されていた。現在走っている多くの振り子式気動車の始祖である。振り子式を使った速達効果は絶大で岡山~高知間を走っている特急「南風(なんぷう)」の所要時間を最大40分短縮する記録も持つ。現在では主力の座を2600系気動車や2700系気動車に譲り、第一線からは退いている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ