583列車 複雑な和歌山行き
2062年3月22日・水曜日(第15日目)天候:晴れ 西日本旅客鉄道東海道本線守山駅。
守山13時48分→「新快速」→草津13時52分
守山→草津の乗車券使用開始
「ごめん、ナガシィ。」
「別に怒ってないよ。」
「ナガシィがそう言うときはだいたい怒ってるときでしょ。ごめん、イライラさせちゃって。ついつい話し込んじゃった。」
「・・・。」
新快速はグイグイスピードを上げて栗東駅を通過する。草津駅の手前で左側から高架線が近づいてくる。これから乗る草津線だ。草津駅のホームに新快速が滑り込むと、左側には新快速運用からは完全に離れた223系が止まっている。乗務員室扉にはオレンジ色のラインが2本入り、デチューンされたことを示している。
草津13時57分→柘植14時40分
最長往復切符往路草津駅より使用再開
草津線は一旦走ってきた方向に走り、東海道本線から右へ大きく舵を切る。単線の線路を走って、東海道新幹線の高架下を抜けていく。数駅過ぎれば、辺りは田園風景に変わり、駅の近くだけ宅地化が進んでいる風景を変わる。今では草津線のまわりが滋賀県なんだと思える。
右側から線路が近づいてくると関西本線の柘植駅に入る。
柘植14時42分→加茂15時35分
柘植駅ではキハ120系に乗り換え、加茂に向かう。GPSのスピードメーターアプリを起動して、スピードを見てみる。ちょうど84キロという数字が出てきた。
「結構速いねぇ。」
「高山本線のキハ120が速いのは分かるんだよな・・・。関西本線って今は優等列車とか一本もないのに、結構速いんだよなぁ・・・。」
キハ120系は遅い。その先入観が僕たちの感覚を狂わせる。
加茂に到着すると、列車を乗り換える。区間快速新大阪行き・・・。関西本線(大和路線)、JRなにわ筋線経由で新大阪に行く列車。この列車に乗ったままでいれば、奈良に行くことが出来るが、最長往復切符は次の木津駅から片町線(学研都市線)、大阪環状線、関西本線(大和路線)経由で奈良に行かなければならない。
加茂16時12分→「区間快速」→木津16時19分
木津16時28分→「快速」→京橋17時22分
京橋→新今宮
新今宮18時15分→「区間快速」→久宝寺18時29分
新今宮からJRなにわ筋線の列車に乗り換える。転換クロスシートを備える231系5000番台の車内は夕方ラッシュと重なり、かなり混雑している。
「萌、一個提案があるんだけど。」
「何。」
「久宝寺から、直通快速に乗れるんだけど。そっちは325系のロングシートだから、そっちの方が良いんじゃない。」
「直通快速に乗るのは良いけど、奈良から先の桜井線と和歌山線は良いの。」
「うん、大丈夫。問題なし。梓ちゃんと話していたときに時刻表で調べたから。」
「あ・・・そうなんだ・・・。」
久宝寺18時35分→「直通快速」→奈良19時03分
久宝寺でおおさか東線からやってくる直通快速に乗り換え、奈良を目指す。ロングシート車両がやってくると言うこともあって、結構空いているように見える。
王寺駅でサラリーマンの多くが下車し、僕たちもロングシートに腰掛けることが出来た。
奈良駅では桜井線(万葉まほろば線)に乗り換え、高田駅で和歌山線に乗り換える。ロングシートの車両に揺られること3時間。感覚がだんだんと麻痺してきたところで和歌山に到着する。
奈良19時25分→高田20時13分
高田20時18分→五条20時47分
五条20時51分→和歌山22時19分
最長往復切符往路和歌山駅で途中下車
一口メモ
西日本旅客鉄道JRなにわ筋線(路線記号:N)
新大阪~JR難波間に開業した地下鉄線。日中、この線には「大和路快速」、「関空・紀州路快速」が乗り入れるため和歌山方面、奈良方面には速く移動出来る。また「大和路快速」はおおさか東線(新大阪~放出~久宝寺)へ直通運転する。建設コストが高額だったため、西日本旅客鉄道はこの路線を保有する関西高速鉄道から線路を借り受ける形で列車運行している。
途中駅:新大阪~大阪北梅田~JR難波
西日本旅客鉄道231系5000番台
東海道本線系統の231系の関西本線・阪和線系統の車両。車内は関西国際空港への大型荷物を持った旅客に対応するため、2列+1列の3列シートを完備する。車両を共通化出来たことによって、関西本線・阪和線での突発的な運用変更に対応している。
西日本旅客鉄道325系電車
東海道本線各駅停車の列車に投入された車両。207系の老朽置き換え車両。西日本旅客鉄道は通勤電車でも3扉車を製造しているが、東海道系統にはホームドアなどの設備のため4ドア車として製造されている。




