581列車 高山から
2062年3月21日・火曜日(第14日目)天候:晴れ時々曇り 西日本旅客鉄道北陸新幹線新高岡駅。
W16系はゆっくりと新高岡駅のホームから離れ始める。「つるぎ号」は金沢まで速達運転する列車でも新高岡には停車する。速達型の「つるぎ」は新大阪~金沢間で「かがやき」と同じようっている。
富山駅に到着すると僕たちは荷物をまとめて、列車から降りる。次の列車は高山本線の普通列車なのだが、すぐに高山本線に乗り換えず、お昼ご飯を済ませてから進むことにした。
最長往復切符往路富山駅で途中下車
「ナガシィ。今日の晩ご飯はどうする。」
「そうだなぁ。どうしよう。家帰ってご飯食べるじゃ、遅すぎるよねぇ。」
「うん・・・。ますのすしの一番大きいの買って二人で食べる。」
「・・・それでよくない。」
在来線の改札口で最長往復切符をみせる。改札口の上には「あいの風とやま鉄道乗り場」と大きく書かれていて、小さく高山線乗り場とも書かれている。富山駅に乗り入れていた在来線がJRだったときも高山本線は北陸本線の路線を間借りしているに近い状態だったからここからJR線に乗れると思えないのは仕方の無いところかもしれない。
ホームにあがると高山本線の間借り感はさらに強まる。長いホームは全てあいの風とやま鉄道のホームであり、高山本線のホームはその端にぽつんと置かれているだけだ。そこにくる車両もあいの風とやま鉄道の車両よりも少し小さいキハ120系気動車だ。
富山14時05分→猪谷15時03分
高山本線を走るキハ120系は中国山地をゆくキハ120系とは違う。軽快気動車のゆえんである車体の軽さを思う存分発揮するかの如く、継ぎ目を軽快にたたいてグイグイ走る。
猪谷15時08分→高山16時17分
猪谷駅では西日本旅客鉄道から東海旅客鉄道に管轄が写る。車両は小さいキハ120系から大きいキハ27系に移った。
猪谷駅を発車すると床下からエンジン音に混じってかすかにモーター音が聞こえてくる。高山本線は全線にわたって電化されていない。この車両からモーター音が聞こえてくるのはキハ27系が「発電機を動かし、電気モーターで走る」ディーゼルカーだからだ。
「静かねぇ・・・。」
「静かだなぁ。」
「何か、眠くなって来ちゃった・・・。ナガシィ、肩貸して。」
「・・・。」
そう言うと萌は僕の方に寄りかかって目をつむる。僕も少し寝ようかな。お昼を食べた後にやってくる眠気が今頃になってやってきたのだ。
高山駅への到着はあっという間だった。高山からは特急「ひだ」に乗り換える。よく近鉄特急みたいと言われる塗装をしたキハ81系が止まっている。この車両もキハ27系と同じ「発電機を回して、モーターで走る」ディーゼルカーだ。
高山16時32分→「ひだ18号」→岐阜18時39分
高山駅では多くの人が「ひだ」に乗り込む。目立つのは外国人観光客か・・・。静かな車内は彼らの声で少々うるさい。電車に乗ったら大声で話すというのは自粛してほしいものだ。日本には「電車の中で大声で話す」というルールはないからだ。
テーブルを広げて、富山駅で買ったますのすしを二人で食べる。器に入っている寿司を8等分になるように切り分ける。
「まるでピザだな。」
「ピザほど薄くないけどね。」
大きいますの寿司もあっという間になくなった・・・。
岐阜駅に降りると帰りのラッシュが始まっている。岐阜駅にやってくる315系電車には多くのサラリーマンが押し込められている。
岐阜18時45分→「快速」→米原19時35分
帰りの時間帯と言うこともあり、乗っている間に席が空くことはあったが、待っていたと言わんばかりに仕事帰りのサラリーマンがそこに収まる。結局、米原の近くにならないと椅子に座れなかった。米原駅まで戻ってくると231系が出迎える。19時47分発の新快速に乗れば20時16分に守山駅に到着する。予定からは1時間15分速い到着であるが・・・。
「どうする。」
「「びわこエクスプレス」の切符ここで払い戻すのもねぇ・・・。それに今のうちに湖西線せめておいた方が良いんじゃない。昔ほど便利じゃないし。」
「・・・そうするか。」
米原20時03分→「新快速」→近江塩津20時36分
近江塩津20時40分→近江今津20時58分
近江今津21時08分→山科22時09分
山科の駅で少しばかり走る。反対側にすぐに入ってくる「びわこエクスプレス」に階段近くの扉から乗り込み、自分たちのグリーン席へ歩く。
山科22時12分→「びわこエクスプレス4号」→守山22時31分
「今日もお疲れ様。」
グリーン席に座ると自然とその言葉が出てきた。
最長往復切符往路草津駅まで使用
草津→守山間守山駅で運賃精算の上乗車
一口メモ
東海旅客鉄道キハ27系気動車ゼルエンジンで発電し電気モーターで走る電気式ディーゼルカーであり、315系と設計を合わせたことでトータルでのコストダウンをはかる。東海旅客鉄道らしい気動車として仕上がっている。
東海旅客鉄道キハ81系特急型気動車
キハ89系の老朽置き換え用として製造された特急型気動車。基本設計はキハ27系をベースにしており、共通化出来る部品を全て共通化し、開発コストの削減を図っている。塗装は上半分がオレンジ色で下半分が白色のため、「近鉄特急」と呼ばれる。・・・似てるんだよ・・・。
東海旅客鉄道315系電車
東海旅客鉄道が開発した次世代型313系電車。SiC素子VVVFインバーター制御・マグネシウム合金を使った車体・多用途LCD液晶パネルなど313系からブラッシュアップされた。東海旅客鉄道管内全ての電化区間に乗り入れることが出来、用途・配属先によって数多くの兄弟が存在する。今も継続して製造さらる。




