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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Longest Journey Episode:2
574/779

574列車 活躍した者達

 2062年3月17日・金曜日(第10日目)天候:晴れ 西日本旅客鉄道(ジェイアールにしにほん)津山線(つやません)津山(つやま)駅。

 姫新線(きしんせん)から見えた扇形車庫はここである。車庫の中にはディーゼルカーとディーゼル機関車が入っている。扇形車庫で想像するようなSLは置かれていない。だが、ここには遺産だらけだ。

「このディーゼルカーはよく見た顔よねぇ。」

萌はそう言いながら、たらこカラーのディーゼルカーを指さす。僕には全然なじみのない車両なのだが・・・。

「キハ33形・・・。」

萌はプレートを読み始める。

「あっ、全然なじみ無かったわ。客車からディーゼルカーに改造された車両なんだ。これ。・・・50系客車から改造されたが、トラブルが続いたため、製造は2両で打ち止められた。」

「同じ50系を種車にした北海道のキハ143形とは大違いだな。」

僕が言う。

「そうよねぇ。キハ143形って結構走ってる気がするし。」

調べてみるときは143形・・・キハ141系というグループは総数44両と言うことだった。キハ33形の22倍か。そりゃ、多いと感じるよなぁ・・・。

 その隣に目を向けるとキハ28形、キハ58形が止まっている。これらはこの辺りを走っていた急行列車に運用されていた車両だ。僕らが乗ってきた姫新線(きしんせん)にも、これから乗る津山線(つやません)にも、明日乗る因美線(いんびせん)にも昔は彼らが走っていた。急行「みまさか」、急行「みささ」、急行「砂丘(さきゅう)」・・・。どれも聞いたことない人の方が多いか。

 その隣にはディーゼル機関車が並ぶ。鉄道ファンが見なければどれも同じ顔が並んでいるだけにしか見えないだろうが・・・。

「DF50形ディーゼル機関車にDD51形ディーゼル機関車、DD13形ディーゼル機関車、DE50形ディーゼル機関車。DF50形以外はみんな似たような顔してるわね。」

「DF50は電気モーターで動いてたからだろうなぁ。他のは液体式変速機を付けた普通のだし。」

「えっ、これ電気モーター点いてるの。国鉄って電気モーターで動くディーゼル機関車作ってたの。」

「ああ。でもこれだけだよ。」

たぶん、技術的に無理だったか、整備コストがかさんだか、労組から「こいついや」と言われたか。それのどれかだろうなぁ。

 鉄道遺産を見てから、津山線(つやません)の列車に乗った。

津山(つやま)14時35分→岡山(おかやま)16時02分

「まもなく岡山(おかやま)岡山(おかやま)です。岡山(おかやま)駅ではホーム側の全てのドアが開きます。ドアから手を離してお待ちください。運賃、乗車券は駅係員にお渡しください。山陽線、伯備線(はくびせん)宇野線(うのみなとせん)瀬戸大橋線(せとおおはしせん)赤穂線(あこうせん)吉備線(ももたろうせん)はお乗り換えです。」

乗り換え線を愛称でいわれてもピンとこない。

 岡山(おかやま)のホームに降り立ち電光掲示を見てみる。倉敷(くらしき)方面は16時10分発の府中(ふちゅう)行きと16時14分発の新見(にいみ)行き。これらの列車に乗れば、今日の朝出発した倉敷(くらしき)に行くことが出来る。距離は15.9キロ、所要時間は15分程度だ。

「ぐるぐる回ってきたのね。」

「そうだなぁ・・・。最長往復切符はこういうこと何回もあるからな。頭痛くなりそう。」

「ハハハ。こんなことで頭痛くなってたら、この先キツいぞ。」

「そうだな。」

最長往復切符往路岡山(おかやま)駅で途中下車

 今日の行程は岡山(おかやま)で終了だ。


一口メモ

日本国有鉄道(こくてつ)50系客車

国鉄が製造した通勤用客車。車体は赤一色で塗装されていたため「ブルートレイン」の対義「レッドトレイン」と呼ばれた。しかし、客車列車を運行するよりもディーゼルカーを運行した方が効率がよいということが発覚して以降50系客車は動力車か改造されたものが多い。


日本国有鉄道(こくてつ)キハ33形気動車

1988年50系客車オハ50形を種車に動力車化改造して出来た新形式。新車製造するよりもコストを抑えられるとして考案されたのだが、製造は2両にとどまっている。2010年定期運用から完全撤退した。


日本国有鉄道(こくてつ)キハ58形急行形気動車

国鉄が製造した急行形気動車。キハ28形、キハ58形、キハ65形などの総称としてキハ58系と呼ばれる。かつては気動車急行として日本各地で運行されていたが、急行列車の廃止に伴い、徐々に普通列車として運用されることが多くなっていった。晩年はもっぱら普通列車として運用され2012年完全撤退した。


日本国有鉄道(こくてつ)DF50形ディーゼル機関車

国鉄が製造した亜幹線向けディーゼル機関車。製造当時液体変速機の製造技術が未熟だったためにディーゼルエンジンで発電して出来た電気でモーターを回す電気式のディーゼル機関車とされた。機関車としては非力で次形式DD51形が製造されるとそのほとんどが活躍の場を失っていった。現在は3両の保存機を残すのみである、


急行「みまさか」・急行「みささ」・急行「砂丘(さきゅう)

かつて津山(つやま)に来ていた急行列車。「みまさか」は大阪(おおさか)中国勝山(ちゅうごくかつやま)月田(つきだ)間(大阪(おおさか)津山(つやま)間は「みささ」と併結)。「みささ」は大阪(おおさか)鳥取(とっとり)倉吉(くらよし)間(大阪(おおさか)津山(つやま)間は「みまさか」と併結)。「砂丘(さきゅう)」は岡山(おかやま)鳥取(とっとり)間(津山(つやま)鳥取(とっとり)間で「みささ」と併結)を結んでいた。利用者の低迷に伴いどれも廃止された。


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