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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Longest Journey Episode:2
571/779

571列車 大和より紀伊

 2062年3月16日・木曜日(第9日目)天候:曇り時々晴れ 西日本旅客鉄道(ジェイアールにしにほん)呉線(くれせん)(くれ)駅。

 軍港の街(くれ)。帝国海軍(くれ)鎮守府が置かれ、最重要海軍施設として機能していた。帝国海軍が解体されて以降も海上自衛隊の基地がここには置かれ、日本の海上防衛の一翼を担っている。

 僕たちは今、(くれ)の街を歩いているが、視線の先には潜水艦が見えてきている。この潜水艦も元は自衛隊で使っていたものらしくて、確か「おやしお型潜水艦」で合ってたかな(←「ゆうしお型潜水艦」が正しい。)・・・。まぁ、いいか。

 だが、今日は前々から行きたい、行きたいと思っていたところに行こうと思う。この近くにある大和(やまと)ミュージアムという所だ。

(くれ)大和(やまと)ミュージアム

 表には大砲が置かれている。

「ナガシィ。これが大和(やまと)の主砲。」

萌がそう聞いたが、

「それは長門(ながと)型戦艦2番館陸奥の艦砲だよ。大和(やまと)のはもうちょっと大きいと思うよ。」

と言った。でも、萌にはピンとは来ていないようだ。大砲を見るとイコール大和(やまと)の主砲となるのも戦艦大和(やまと)が現代日本人に知られた最も有名な戦艦になっているからであろう。ここは数日前の「SL人吉(ひとよし)」のお母さんと同じかな。

陸奥(むつ)・・・。戦艦って大和(やまと)だけじゃないの。」

ズッ・・・そっからか・・・。

「一応日本も戦艦は持ってたんだよ。大和(やまと)武蔵(むさし)長門(ながと)陸奥(むつ)日向(ひゅうが)伊勢(いせ)扶桑(ふそう)山城(やましろ)金剛(こんごう)比叡(ひえい)榛名(はるな)霧島(きりしま)。」

と言ったところで萌のマイクロSDが容量いっぱいになったらしい。

「えっ、えっ。大和(やまと)に、武蔵(むさし)に・・・。えっと、何。」

この辺りは某擬人化ゲームでかなりメジャーになった方だと思うのだがなぁ。絵が得意な(あずさ)ちゃんはここら辺知ってたなぁ・・・。まぁ、船としてじゃなくてキャラクターとしてだったけど。

「個艦名は別に覚えなくても良いよ。」

「ナガシィ、詳しい。」

「僕もあんまりよくは知らないけどね。ただ、金剛(こんごう)型、扶桑(ふそう)型、伊勢(いせ)型、長門(ながと)型、大和(やまと)型で持っている主砲の大きさくらいは分かるけど。」

「うう・・・。何言ってるか分かんない。ナガシィのいってることで分かんないことは久しぶりだよ。」

「それは嘘つけ。」

僕のいっていることがよく分からないはよく言ってるじゃないか・・・。

 館内に入ると今度は大きな模型が出迎えてくれる。これは誰にでも分かるだろう。

「これが宇宙戦艦ヤ○ト。」

それは冗談で言っていると信じたい。何故、知らない人はこうも大和(やまと)を宇宙へ飛び立たせ、コスモリバースを取りに行かせようとするのだろうか。

「違うって、これが大和(やまと)。戦艦大和(やまと)だよ。」

「今のはさすがに冗談だよ。宇宙戦艦とは全然違うから私でも分かるって。」

「・・・。」

それにしても大和(やまと)って大きいと実感する。ここに置いてあるものは実物の10分の1サイズらしい。と言っても大和(やまと)は全長263メートルだったから、この模型でも25メートルプール以上の大きさを持っているのか。

 見ていると高角砲の数が多い。12.7cm高角砲はシールドに覆われているものと覆われていないものを合わせて片舷6基12門備えている。それに加え25mm三連装機銃が1,2,3,4,5・・・。どこまで数えたっけ。もういいや。中でも目を引くのは四〇糎三連装砲3基9門だろう。

「主砲口径は46cmだが、型式は40cmとなっていた。対外的に40cm砲艦を作っていたと発表したためである。へぇ・・・。そうなんだ。」

「今更。」

「今更って言わなくてもいいじゃん。知らなかったんだもん。」

「・・・。」

「ナガシィはさぁ、宇宙戦艦よりもこっちの方が好き。」

「そりゃね。あの主砲から1tの車が40キロ先まで届くなんて聞いただけで胸熱だよ。」

「・・・車を40キロ先まで飛ばす・・・。キチガイじみてるわね。」

日本人の大和(やまと)に対する愛っていうのは結構なものだと思う。やっぱり、「世界最強」と「飛雲の戦艦」という所に反応する人が多いんだろう。男の僕は今の歳になっても「世界最強」の方に反応せざるを得ない。大和(やまと)型戦艦が46cm砲をぶっ放し、敵艦をなぎ払う様を描く架空戦記はとても面白いと感じるものだ。

「因みに、ナガシィが一番好きな戦艦は何。やっぱり、大和(やまと)。」

「・・・紀伊(きい)型戦艦かな。」

「はっ・・・。」

もし、艦に詳しい人がいるのならば今の萌の反応は正常だと言っていただきたい。

大和(やまと)ミュージアム→(くれ)


一口メモ

大日本帝国海軍紀伊(きい)型戦艦(ウィキペディア参照)

全長:252.1メートル

水線部幅:32.49メートル

基準排水量:42600トン

出力:13万1200馬力

兵装:45口径41cm連装砲5基10門

   50口径14cm単装砲16門

   50口径12cm単装高角砲4門

   61cm魚雷発射管8門

欧米列強の勢力に対抗すべく考案された八八艦隊計画艦の1艦。早期に艦隊を揃える必要があるとの判断から関係は天城型巡洋戦艦(赤城の空母改装前段階)とほぼ変わらない艦とされた(上記数値は全て机上の空論で有り、カタログスペックとなった可能性もある)。しかし、ワシントン海軍軍縮条約の発効により紀伊(きい)型戦艦はあえなく全艦がキャンセルされ、日の目を見ることはなかった。架空戦記では大和(やまと)型戦艦よりも強化された艦として、また上記スペックを持つ艦として猛威を振るうものが有り、活躍するところはやはり見ていて嬉しいものです(もちろん、彼らの主砲が放たれない方が平和であるのは間違いないです。)。


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