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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Wakasa-Obama→Uresino-Onsen Episode
543/779

543列車 96-81

 2062年3月2日・木曜日(第-5日目)天候:曇り 東海旅客鉄道(ジェイアールとうかい)中央新幹線(ちゅうおうしんかんせん)名古屋(なごや)駅。

「まもなく名古屋(なごや)です。」

アナウンスが始まるとリニアは減速を開始する。自動放送が終了し、車掌による肉声放送に切り替わる頃、足下からGがかかる。リニアの底部に取り付けられている格納式のタイヤが接地したのだ。

「早いねぇ・・・。まだ30分ぐらいしか経ってないよ。」

「本当だな・・・。リニアって全区間乗っても早いんだろうなぁ・・・。」

「そうね。今度は何往復かしてみる。光に頼んでさ。」

「ハハハ。いやな事するなって言われるよ。」

荷物をまとめて、L3系(エルスリーけい)から降りる。ホームには発車ベルが響き渡り、L3系(エルスリーけい)はすぐに出発していった。そして、そのホームには入れ替わる形で別の「ふじ号」が入線してくる。こういう光景はかつての東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)を彷彿とさせる。ただ、ここで東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)のような光景が展開されると言うことは「栄華は全て過去のもの」であると言うことの裏返しでもある。

「ナガシィ、リニアはあんまり好きじゃないですか。」

「・・・別に。好きでも嫌いでもないよ。」

「ふぅん。」

「さて、時間あるよ。どうする。」

僕はそう聞いた。次に乗る列車は特急「しらさぎ号」敦賀(つるが)行き。現在時刻は16時10分ほど。「しらさぎ」の出発時間は17時48分。1時間40分時間がある。ご飯を食べるには少々早いが、じっくりと品定めをして食べる時間がある。

名古屋(なごや)だし、カツ丼かきしめんかな。」

「・・・ハハハ。カツ丼かきしめんな。」

熟考も何もなかったか。

若狭小浜(わかさおばま)嬉野温泉(うれしのおんせん)の乗車券名古屋(なごや)駅で途中下車。

 中央新幹線(ちゅうおうしんかんせん)のホームからエレベーターで地上に上がる。改札口で乗車券と特急券を見せ、特急券には無効印を押して貰い、乗車券には途中下車印を押して貰う。駅前には多くのタクシーがひしめいている。そのタクシーを呼び止め、スーツ姿のビジネスマンが次々と吸い込まれていく。

「何。」

(もえ)が僕の服を少し引っ張ったからだ。

「アレのタクシーのナンバー見て。96-81だって。」

「いっ、行こうか。」

「ナガシィ顔真っ赤。」

「違う。それは違うって。」

 きしめんを食べ終わり、名古屋(なごや)駅に戻る。名古屋(なごや)からは「しらさぎ」に乗車。あたりはだんだんと帰宅ラッシュの様相を呈し始め、ホームに入ってくる快速、普通列車には多くのビジネスマンが乗り込んでいる。僕らはそんなビジネスマンを横目に特急列車で悠々帰ることにしよう。

名古屋(なごや)17時48分→「しらさぎ13号」→米原(まいばら)18時48分

「ナガシィ。」

「んっ。」

「96-81。」

「恥ずかしいもの思い出されるなぁ・・・。」

「何で。アレ結構嬉しかったんだからね。」

「もう、恥ずかしいから辞めて。」

「今の車は96-84だっけ。」

「おお。辞めろ・・・。本当に恥ずかしいから。」

(もえ)の口撃は米原(まいばら)まで続いた。

米原(まいばら)18時57分→守山(もりやま)19時35分

若狭小浜(わかさおばま)嬉野温泉(うれしのおんせん)の乗車券守山(もりやま)駅で途中下車


一口メモ

96-81

永島(ながしま)智暉(ともき)の所有した車「レヴォちゃん」の希望ナンバー。「車型キロハ1号」内燃機関搭載、グリーン・普通合造車の1番目の意。グリーン席は助手席である。


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