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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Summer Vacation Episode
507/779

9507列車 始発列車

 7月26日5時55分。私達は学生服に身を包んで米原(まいばら)方面行きのホームに立っていた。普段、この制服を着ている時は大阪(おおさか)方面にしか行ったことが無いのだが・・・初めてこの服で学校以外へ行くことになる。

「今日から修行が始まるのね。」

「まぁ、修行だね。今日は頑張って秋田(あきた)まで行こうか。」

と言う。少し前に行程と日程は聞かされたが、正気の沙汰じゃないと思う。

1日目:栗東(りっとう)米原(まいばら)敦賀(つるが)金沢(かなざわ)上越妙高(じょうえつみょうこう)柏崎(かしわざき)吉田(よしだ)新潟(にいがた)村上(むらかみ)秋田(あきた)

この距離を全部在来線で移動しようというのだから、本当に狂気としか言い様がない。しかも、最初に聞いた時村上(むらかみ)と言うところから秋田(あきた)までの移動は新潟(にいがた)駅で秋田(あきた)行きの特急列車に乗ったにもかかわらず降りてしまうと言うことを聞かされた。お金がかからないのは分かるが秋田(あきた)行きの特急から降りたにもかかわらず、目的地が秋田(あきた)というのは理解出来なかった。

 ちらりと(かがやき)の着る学生服を見る。所々シワが寄っている。それに、かなり着古している感じがする。

「シンクン。最近それで旅とかした。」

「してないよ。この時のためにお金貯めてたからね。今回は出費がすごいことになるけど、大丈夫だよ。」

「親から借金してまですることじゃないと思うんだけど。」

「就職祝いだって。旅終わったらバイトするし、仕事始めたら本格的に返すから問題ないよ。」

「・・・。」

就職祝いかぁ・・・。でも、それで許してくれるって(かがやき)の親は厳しいのか厳しくないのか。

「まもなく1番乗り場に普通米原(まいばら)行きが到着いたします。」

いつものアナウンスがホームに流れ、大阪(おおさか)方面からは黄色と白のライトを付けて電車が入ってくる。

「225系だね。」

(かがやき)は即答する。ライトだけで分かるのか。すごいなぁ・・・。

 電車の中はすいていた。ちょうど空いていた席に二人で腰掛ける。あたりは明るくなっているが、まだ寝ている印象だ。そんな景色が後ろに過ぎ去っていく。

「ハァ・・・。」

眠い・・・。思えば何時に起きたんだっけ。(かがやき)は早速勉強道具を広げて勉強し始める。こんな朝早くからよく出来るなぁ・・・。こういうこと多くこなしているからか・・・。

 米原(まいばら)に6時38分に到着し、6時50分の敦賀(つるが)行きに乗り換え。待っていたのは2両編成の電車だった。だが、たくさんの乗客がすでに乗っており、私達が乗っても座るところはどこにもなかった。仕方なく立っていたが、長浜(ながはま)木ノ本(きのもと)と乗客はどんどん減り、近江塩津(おうみしおつ)でついに数えられる程度にまで減った。

敦賀(つるが)からは新幹線に乗って上越妙高(じょうえつみょうこう)って言うところまで行くんだけど、乗る「つるぎ」が金沢(かなざわ)止まりなの。」

「つまり、金沢(かなざわ)で乗り換えが必要って事ね。」

「そういうこと。」

電車はトンネルへと入る。長いトンネルを抜け、山間の駅に停まった。駅を見ると狭いホームと屋根が付いているだけだ。近くに家があるためまだこの駅を利用する人はいるのだろう。

 駅を出発して、山の中へと入り、山を抜けた時には敦賀(つるが)の町並みが見える。

「まもなく敦賀(つるが)敦賀(つるが)です。なお、車内保温のためドアは自動では開きません。ドア横のボタンを押してお降りください。」

(慣れない・・・。)

最近知ったものだが、やはり慣れない。ドアとは勝手に開くものじゃないんだ。

 敦賀(つるが)に7時36分着。乗る列車は7時46分発の「つるぎ810号」らしい。


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