497列車 忙しい日々
3月に入ると就活が解禁された。そうなると登録したマイ○ビやリ○ナビには大量の新卒採用情報が流れるようになる。ウチの登録した会社の情報も早速開示され、ウチはその情報をまとめるのに忙しくなる。もちろん、情報開示されたのは就活サイトのものばかりではなかった。
「東海旅客鉄道の説明会。」
「ええ。さすが鉄道高校ね。」
亜美はそう言いながら、一枚の紙を手に取った。
「東海旅客鉄道の企業背悦明快はこの学校で行われるわ。参加は自由よ。」
「参加は自由かぁ・・・。」
ウチはほっとしていた。マイ○ビとかのサイトを見ても高校から就職出来るって言う枠がなかったからなぁ。そもそも東海旅客鉄道の就職に関して、高校生からの就職って言うのを想定していないのだろうと思っていた。だが、こういう特別枠でウチらは受験することが出来ると言うことか。そして、その意味は東海旅客鉄道への就職はそれしか無いと言うことでもある。
「聞いておいて損はないと思うわ。」
「むしろ聞かなかったら損しかないね。」
「・・・ええ。そうね。」
「・・・。」
「どうしたの、光ちゃん。」
「いや、他にもそういう企業の説明会と買ってあるのかなと思って。」
「有るはずね。光ちゃん学校の事務室の奥に就活情報の掲示がされているの知ってるでしょ。だいたいあの場所に書いてあるわ。」
「あっ、そうなんだ。じゃあ、早いところ見に行っておかないとなぁ。他の企業のことも調べないと行けないし・・・。ハァ、大変・・・。」
こんなに忙しくなるとはなぁ・・・。家に帰っても就活のことばかりだ。でも、就職が決まったらこういうことから解放されるのかぁ・・・。
「ヨシッ、いろんな事調べるために帰ろう。」
ウチは立ち上がって、亜美に「じゃあ」と言って去った。
「・・・私も帰っていろいろするか。」
ウチは帰ってる間にスマホを見ながら帰る。普段からこういうことはしないんだが、就活が始まってからこういうことが多くなった。小田急電鉄、東急電鉄はまず説明会を聴きに行かないとならない。
調べてみて分かった事って言うのもある。例えば、東武鉄道や京浜急行電鉄は本体での採用がなかったりする。その代わりにステーションサービスなる会社があり、その会社に入ってから本体に行くということをしている。
(そういう企業もあるんだなぁ・・・。)
・・・と関西にも行かないとなぁ・・・。今は就活のために公欠が許されるから、春休みを待たずに関西に行っておかないと。
「えーっと、阪急電鉄、京阪電鉄、近畿日本鉄道は・・・。」
調べて、調べて、調べ続ける。その日々が流れていく。




