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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Iwatsuki High School Episode:1
488/779

488列車 平和なお昼ご飯

「本当は(あずさ)の作ったお菓子を食べてお話ししたい所なんだけどねぇ・・・。」

私はそう言いながら、机の反対に座っている(あずさ)に言う。

「ハハハ。おいしいって言ってくれるのはありがたいわねぇ。」

「あら、おいしいって言ってくれるのが大希(だいき)君じゃなくてちょっとがっかりしてるんじゃないの。」

そう意地悪なことを聞いてみると、

「あのねぇ・・・。確かに、大希(だいき)においしいって言ってもらえるのが一番嬉しいけど、自分で作ったものがおいしいって言ってくれるのは誰であっても嬉しいものよ。がっかりなんてしないわ。」

と返事。そのあと私の後ろの様子をうかがってから、

「それにしても、(ひかり)君ちょっと見ない間にたくましくなったわねぇ。」

と言った。(ひかり)は今智萌(ともえ)と一緒にお昼ご飯を作っている。前回やらせた時は結果としてマズイものを作ってしまったが、今回は(ひかり)もいることだし大丈夫だろう。

「そうねぇ・・・。顔つきが変わったというか、何というか。何、もしかして(あずさ)ってそう言うの好きだっけ。」

「コラ、私はそういうのじゃないっていうの。勝手にそういう人にしないでってばってそれはいいのよ、それは。・・・私達が知らないだけで、案外子供の成長って早いのかもしれないわね。陽君もそのうち可愛い子でも連れてきたりしてね。ハハハ。」

可愛い子かぁ・・・。(ひかり)もそのうち帰省と称して可愛い子を連れてくるのだろうか。それはそれで楽しみ・・・。

(あずさ)陽斗(はると)君のそういう事情何か知ってるの。」

「・・・なんとなくかな。女の勘ってやつ。」

「女の勘かぁ・・・。」

(ひかり)、お願いだからその顔やめて。」

智萌(ともえ)の悲痛な叫びが後ろから聞こえてくる。

「私達のお昼は大丈夫なのかなぁ・・・。」

「大丈夫、大丈夫。智萌(ともえ)一人じゃ心配だけど、(ひかり)もいるから。」

「前に魔法の料理生産されたって言ってたわねぇ・・・。私に言ってくれたら、0からレクチャーしてあげるわよ。もちろん、お給料ぐらいは貰おうかしら。」

「えっ、そこは無償じゃないの。」

「ハハハ。冗談よ。普段おちょくられるから少し意地悪してみたくなっただけよ。」

「意地悪しないでよ。」

「だったら、その前の非礼を謝ってもらおうかしら。」

 お母さんと(あずさ)お母さんの会話が聞こえてくる。が、そっちをかまっている場合でもなさそうだなぁ。お母さん、(あずさ)お母さんと話しているのはいいんだけど、こっちも大変だよ。

「えっと、ここで砂糖を入れればいいのね。」

智萌(ともえ)はそう言うと一つの容器を手に持ち、

「ちょっと待って・・・。それ砂糖じゃなくて、塩。」

「えっ・・・。塩。」

智萌(ともえ)・・・。お前の顔には目がちゃんと付いてるのか。塩の入ってる容器と砂糖の入ってる容器は形状から全然違うだろうが。それも見分け付かないのか。おう、コラ。」

「お母さん、(ひかり)がすっごい怖い顔してくる。怖いから変わって。」

「そもそも、お料理教えてって言ってきたのは智萌(ともえ)でしょ。ウチが怖い顔してるとかそう言うの関係ないでしょ。」

数分後・・・。

 少しは形になってきたかなぁ。

「あのねぇ。智萌(ともえ)。何でウチが作ってるのかなぁ・・・。」

(ひかり)が「見てられない」って言って変わったんじゃない。」

「・・・見てられないって言うのはそうだねぇ・・・。そりゃあね、塩と砂糖を間違えるようなお姉ちゃんだもんなぁ。ウチはさぁ、あんまり料理得意じゃないから調味料どのくらい入れればいいとかそういうことはわかんないけど、入れるもの間違えなければ目分量でも問題ない範囲ってあると思うんだよね。智萌(ともえ)の場合はそれ以前の問題だからなぁ・・・。(あずさ)お母さんに全部レクチャーして貰ったら。そうしたら少しはお察しの腕も上がると思うけど。」

「それは試したよ。でも、(あずさ)お母さん教えるのは得意じゃないって言ってて、断られてるんだ。」

(得意じゃないか・・・。)

意外だなぁ。(あずさ)お母さんって料理に関する知識の多さはすごいと思ったんだけど・・・。

「そりゃ、料理は知識と愛情で作ってるような人だからねぇ、(あずさ)お母さんは。」

「ちょっと・・・。まぁ、否定はしないけど。」

いつの間にか二人がそばに来ていた。

「私達も何か手伝うことあるかしら。」

お母さんが言う。

「大丈夫だよ。お母さん。後はウチがどうにかするから。」

「期待してるわねぇ。」

(ひかり)君の作るお料理期待しちゃうなぁって・・・智萌(ともえ)ちゃん。」

「お前は逃げるな。」

「チョッ。怖い。ホント怖いから・・・。ねぇ、お母さん。(ひかり)のこれは誰に似たの。」

「お父さんの隠れた顔・・・かな。」

今日は平和なお昼ご飯の時間が訪れそうです。


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