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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Iwatsuki High School Episode:1
487/779

487列車 帰り際

 5時50分に大垣(おおがき)に着き、列車を乗り継いで守山(もりやま)駅に到着する。時間は7時00分だ。階段を上がって、窓口で18切符を見せて、改札の外に出た。お母さんもう迎えに来ているだろうからなぁ・・・。早く行こう。そう思って、最短ルートで階段のほうへ行こうとする。

「わっ・・・。」

「あっ、ごめんなさい。」

階段の陰から現れた人にぶつかりそうになり、とっさに謝った。

「って・・・(ひかり)君。」

「えっ・・・。あっ、モズ。」

久しぶりに見る顔だった。

「久しぶり。何、こっちに帰ってきてたの。」

「ああ。今着いたところ。」

「今ッ・・・。今着いたの。」

「うん。昨日夜行に乗って、今日の朝、大垣(おおがき)からずっと乗り換えてきて、今着いたところ。」

「ハァ・・・。鉄道ファンは皆やることなすこと常人では思いつかないわね。」

モズは少し呆れ気味だ。

「ちょ・・・ちょっと待って・・・。」

息を切らしながら、階段を上がってくる人がいた。

(かがやき)君、遅いよ。私は早く行きたいんだけど・・・。」

またしても久しぶりに見る顔だ。(かがやき)は階段を上がってくると両手を膝に付き、いかにも疲れたというようなそぶりをみせる。ふっとあがった顔を見ると中学を卒業した時よりもどこかたくましさが増している。

永島(ながしま)君。久しぶり。」

「今日の朝帰ってきたんだって。」

「今日の朝かぁ・・・。「ムーンライトながら」にでも乗ってきたの。」

「まぁ・・・。そういえば、(かがやき)とモズはこんな時間に駅に来て何してるの。」

「私はこれから部活の練習。」

とモズ。

「僕はこれから大回りしながら勉強。」

(かがやき)が言う。

「へぇ・・・。でも、大回りで勉強って。」

「結構はかどるよ。電車の中も使いよう・・・だよ。どうせ家にいたって勉強はしないし、パソコン、スマホいじってばっかで勉強なんて出来ないから。」

そういえば、亜美(あみ)も国内旅行取扱管理者の試験勉強を乗り鉄している間にやったって言ってたなぁ・・・。アレで結構勉強がはかどるとは聞いているけど、それは個人的な感覚に寄るところであり、全員が全員電車の中で勉強がはかどると言うことではないか。

「ああ。なるほどねぇ・・・。」

「あっ、そうそう。(ひかり)君LINEとかツイッターとかやってる。もしやってるならアカウント教えて欲しいんだけど。」

そういうとモズは(かがやき)のほうを見て、

「そのくらいいいでしょ。アカウント教えて貰うくらい。」

「教えて欲しいなら教えて貰えば。別に何も言わないし。それに新快速はまだ発車しないから。」

時間はまだ7時05分くらい。次の新快速は7時16分であるため、まだ大丈夫だ。

「ああ。ちょっと待ってて・・・。」

ウチはスマホを取り出し、中百舌鳥(なかもず)とLINEを相互登録する。その後、(かがやき)とも相互登録した。

「教えてくれて、ありがとう。(ひかり)君、また会おうって言う前に東京行っちゃうんだもん。ずっとどう連絡取ろうか困ってたんだよねぇ。」

「まぁ・・・。僕はあんまり永島(ながしま)君と連絡取られると困るけどねぇ・・・。」

明後日の方向を向きながら、(かがやき)がつぶやく。

「妬いてる。」

「妬いてない・・・。」

「フフフ・・・かわいい。」

(かがやき)は顔を赤くする。

「アカウント教えてくれてありがとうね。(ひかり)君。」

そういうとモズはウチのほうを見ながら、改札口の方へ歩き始める。

(かがやき)君、早く来てくれないと私が困るんですけど。」

「はいはい・・・。」

そう言うと(かがやき)も改札口の方へ歩き始める。

「じゃ、また会おうね。永島(ながしま)君。」

「うん。ウチ、学校始まるまでこっちにいるから、もし機会があったら遊ぼうな。」

「・・・じゃあ、今誘ってもいいかな。年が明けてから乗り始めに行こうと思うんだけど、その時一緒にどう。勉強会でもやろうよ。」

「オッケイ。」

(かがやき)君。」

「ああ。ごめん。じゃ、後でLINE送るから、それで予定つめようか。」

「分かった。」

(かがやき)の後ろ姿を見送り、ウチは階段を降り始めた。


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