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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Iwatsuki High School Episode:1
478/779

478列車 浜松到着

 浜松(はままつ)浜北(はまきた)インターから高速道路を降り、お父さんの実家に到着する。やっぱり淳おじさんの運転は早かった・・・。

「到着・・・。二人ともゆっくりしていってね。」

(じゅん)おじさんはそう声をかけ、車を降りた。後ろに積んである僕らの荷物を降ろしてくれた。

「あなたのおじさん、キチガイじみた走りするわね・・・。乗ってる間速度計アプリ使ってスピード見ていたんだけど、最高速度は152.3キロだったわ。」

「ああ、亜美(あみ)がYouTubeで時折使ってるアレで。」

「ええ。新幹線や「スカイライナー」以外ではじめてみたわ。あの速度。」

亜美(あみ)はスピードには慣れてるんじゃないの。」

「車であのスピードで走るなんて思うわけないでしょ。あの人には失礼な言い方するけど、あの人は相当地球温暖化に貢献する運転の仕方をするわね。」

(地球温暖化に貢献かぁ・・・。)

たしかに車の排気ガスが環境に悪いって言うのは昔からいわれている話だからなぁ。(じゅん)おじさんの乗っている車が古いっていうのは見た目や雰囲気からもよく分かる。たぶん、排ガス規制とかそう言うのにうるさくなかった時代の車なのだろう。

(ひかり)ッ。」

大きい声が家の中から下。玄関の扉が勢いよく開き、智萌(ともえ)が出てきた。

「わっ。」

「会いたかった。久しぶり。(ひかり)。」

「おい。離れろ。」

「・・・。」

「離れてあげなさい。(ひかり)君困ってるでしょ。」

「あっ。真琴(まこと)おばさん。こんにちは。お邪魔してます。」

「こんにちは。(じゅん)君。(とも)君たち来てるわよ。」

「分かってる。まこっちゃん。俺車入れてくるよ。先に行ってて。」

「分かったわ。ほら。いつまでも暑いところにいるのはいやでしょ。さ。涼しいおうちの中に入ろう。あなたも、遠慮なくあがって。」

「ありがとうございます。」

「あっ、部屋だけど智萌(ともえ)ちゃんが案内してくれるから、ついて行ってね。」

「はい。」

 家の中に入り、ウチらのために開放された部屋に向かう。ソファーではお父さんが時刻表を眺めながら、指を動かし何か計画を立てている。お母さんはその近くでお父さんを見守っている。ウチが二人の前を通るとお母さんが気付いて「久しぶり」と声をかけられる。そのすぐ後に「荷物おいておいで」といわれ、ウチは荷物を部屋に置きに行った。

「ここが私達の部屋だよ。」

智萌(ともえ)がそう言い、部屋の扉を開けた。中は結構片付いている。ここに普段から住んでいないからだろうなぁ・・・。私の部屋も最初はこんな感じだったな・・・。

「それにしても、今日はまたどうして。浜松(はままつ)に来たのかな。」

「今日来たのはあなたのおじさんに話があったから。」

「へぇ・・・。私じゃとても考えないこと普段から考えているのね。」

「そうね・・・。」

その先も続けてやろうかと思ったが、回答に反論もなかった。おそらく自分でも私と同じ事はやらないと分かっているからだろう。

「ねぇ、亜美(あみ)ちゃんはここまでどうやって来たの。」

新宮(しんぐう)から特急に乗って名古屋(なごや)から三島(みしま)まで新幹線に乗って、その後はあなたのおじさんに送って貰っただけよ。」

「・・・なんか移動すごくない。えっ、三島(みしま)って静岡(しずおか)の東部だよ。私達今西部にいるのに一旦東部まで行ったの・・・。」

「大丈夫よ。理解されるとは思っていないから。」

そう付け加えた。これを理解できる人間は同族ぐらいしかいない。無駄なことに思える移動も今日のためにやむを得なかったのだ。ここから出る時は浜松(はままつ)から静岡(しずおか)までの乗車券を買足し、静岡(しずおか)から今私が使っている切符を使って東京まで戻るという算段だ。

「よくわかんないけど、キチガイじみたことしてるっていうのはよく分かった。」

(そういう理解でとどまってしまうのが何か悲しいわね・・・。)

私は立ち上がった。ここに来た目的を忘れないためにも・・・。

「あれ、どこ行くの。」

「あなたのおじさんに用があるの。ちょっと行ってくるわ。」

そう言い、部屋を出た。と言ってもどこを探せばいいのやら・・・。通ってきた道を戻っているとさっきのおばさんに会った。

「あっ。」

「ゆっくりしていればいいのに・・・。」

「失礼ですが、社長さんは。」

「ああ。(じゅん)君ならたぶん車庫にいるんじゃないかな。」

「ありがとうございます。」

私は一礼して、言われたところに向かおうとする。

「もうちょっと後にすれば。(じゅん)君だっていつでも話は聞いてくれるよ。」

「あまり遅いのも失礼かと存じます。それに私は疲れていません。お心遣い感謝します。」

「・・・。」

(あの子って本当に(ひかり)君たちと同年代なのかしら・・・。)


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