400列車 RAV4
名神栗東インターから高速道路に入り、新名神、新東名経由で最寄りの浜松浜北インターから高速を降りる。
「もうすぐだからね。二人とも。」
萌が後ろに乗っているひかりと智萌に声をかけた。さすがにこの歳になってくるとお互い反応がいまいちになってくるか。小さいときは智萌はしゃぎまわってたけど・・・。光は今回車で来ていることに少々不満げだ。
「はーい。」
「うん。」
そういう返事が返ってくるだけだ。
「んっ。」
ETCレーンを通過し、国道152号線に入り、与党の交差点を左折する。ここを曲がり、しばらく走れば実家に到着する。
「到着。」
僕はそう言うと、光たちはさっさと車から荷物を出し、家へと歩いて行く。
「おっ、来たな。」
淳兄ちゃんがそれを見ていった。
「淳兄ちゃん久しぶり。」
「みんな元気そうだな。」
「淳兄ちゃんもね。」
そういうと、僕は淳兄ちゃんが触っている車に目をやった。見るからにSUVだ。淳兄ちゃんは普段の帰省にはインプ○ッサを使ってるけど、冬季シーズンに限ってフォ○スターを使っていた。でも、この車はフォレ○ターでもない。
「新しい車でも買ったの。」
「ああ、まこっちゃんがね。」
「えっ、これ真琴姉ちゃんの車。」
へぇ、SUV乗るんだ。
「いや、俺のインプも古いけどさ、まこっちゃんのワゴ○Rも古くなってたんだよ。それで、まこっちゃんが俺のためにってね。RA○4にしてくれたんだよ。」
「軽自動車からSUV。いろいろ大変じゃない。」
「大きくなったからなぁ・・・。それに大変なのはそれだけじゃないよ。まこっちゃん何も血迷ったんだかマニュアル車買ったんだよ。いくら俺のためとはいえ、ぶっ飛びすぎだよ。ハハハ。」
淳兄ちゃんはそう言った。ていうか真琴姉ちゃんMT運転できるんだ。初めて知った。
「それで、これで青森まで行ったの。」
「ああ、途中運転代わりながらな。楽だったよ。ただ、まこっちゃんまだ運転慣れてないみたいで乗り心地は悪かったけどね。」
「ハハハ。」
といっても、僕はマニュアルで免許とってないから、運転すらできないけどね。あんまり真琴姉ちゃんのこと笑えない。
「速く荷物おいて来いよ。重いだろ。」
「あっ、うん。そうする。」
ふと、いつも淳兄ちゃんのインプレッサの止まっている車庫を見ると、そこには夏に来たときと変わらずインプレッサが止まっていた。前来たとき買い換えようとかって話になってなかったっけ。結局買い換えなかったんだなぁ・・・。
さて、しばらく仕事も忘れて休もうか。




