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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Distress Episode
279/779

279列車 ケースバイケース

 9月20日。ジェイアール千葉鉄道(ちばてつどう)サービスっていう会社の企業説明会があった。集合場所は総武線の津田沼駅。津田沼の近くにある車両所の中を借り手の企業説明会となった。昼からの企業説明会ということもあり、いつもみたいに「のぞみ200号」で出発していくということは今回なかった。

 9月25日。大阪(おおさか)に戻って就活中。25日に平百合(ひらゆり)の内定が決まった。内定したのは吉野山にあるケーブル会社。吉野の観光みたいなことを全般的にやっているためか会社名の中に「ケーブル」っていう言葉は一つもなく、代わりに「自動車」っていう言葉があった。その会社は早期就業を条件にこっちに提示して来たみたいだったため、平百合(ひらゆり)は後期が始まってすぐに早期就業に行くことが決まった。これで、またクラスの人数が一人減るわけだ。

 同日。就活の再スタートの最初として提出していたJR西日本の契約社員採用の結果が出た。結果は否。書類選考は再び通過とはならなかった。さらに、企業説明会に行った千葉鉄道(ちばてつどう)サービスから2次試験の案内。一次試験はJR西日本と同様適性検査を含めた、パソコンでのテストだった。それを通過した人だけに配られるのが案内である。

 9月26日。難波(なんば)先生から案内があった日綜警(にっそうけい)っていう警備会社の書類を作成。書類は学校が一括で提出するらしいので、郵便で送る時みたいに送付状とはそういうものはいらない。志望動機だけ迷ってはいたけど、簡単でいいと言われて・・・。「こんな感じでいいのか」とこっちが疑問に思う程のものでも難波(なんば)先生のOKはもらえた。

 9月27日。書類4枚っていう異例の量ある東京臨海高速の書類を書きはじめた。内容は阪急で書いたものをほとんど転用して何とか一日の中で納めきった。この後清書書きとかがあるから、清書して提出できるのは9月30日がいいところか。

 9月30日。今日から後期のスタートである。また、全員と会うようになるのだ。

 10月1日。今日はほとんどの人が新入社員歓迎会みたいなもので抜けた。当然ではあるが、今日に予定されていない所と決まっていない人は呼ばれるはずもなく、今日も勉強である。同日学校に残ったのは今治(いまばり)木ノ本(きのもと)犀潟(さいがた)(もえ)高槻(たかつき)千葉(ちば)、僕。高槻(たかつき)が内定の決まった日綜警(にっそうけい)は前者だと聞いた。まぁ、仮にそこから内定をもらったとしても、入社式と一緒にやってくれればいいのに・・・。集まるのは面倒だ。

 10月2日。今日は昨日の少人数とは打って変わって、大人数。と言っても、早期就業で抜けている人のほうが多い気がする。夏休みの間にここまで減ったか・・・。その一員に平百合(ひらゆり)が加わっている。

 同日。新たに内定者が一人出た。内定したのは千葉(ちば)で、羽犬塚(はいぬづか)と同じ企業に勤めることになるらしい。羽犬塚(はいぬづか)は現在早期就業で、関西国際空港にいるらしい。まぁ、それは周りから勝手に入って来た情報である。千葉(ちば)もそこで働くことになるのかな・・・。まぁ、どうなろうが、関係のないことか。それは変わりない。

 10月4日。2日前に続けて内定者が一人出た。内定は木ノ本(きのもと)で、遠江急行(こうきゅう)からだそうだ。

よ・・・よかったね・・・。自分のところは早期就業かどうなのかは知らないけど、木ノ本(きのもと)からはそんな話は聞かなかった。いや、聞きたいとも思わなかった。

 同日。難波(なんば)先生から日綜警(にっそうけい)の試験案内があった。試験日は10月17日。会場は大阪環状線(おおさかかんじょうせん)桜ノ宮(さくらのみや)近く伸びる。地図はかなり簡単なのしか書いてない。最寄駅と会場を結ぶ大きな道路が一本線で書かれている。会場となるビルはずの真ん中にある円筒か。こんな案内を信じて、会場にたどり着くことができるのか・・・。それは微妙だ。

 10月6日。ジェイアール千葉鉄道(ちばてつどう)サービスの2次試験。試験は9時30分からと書いてあったので、いくら大阪(おおさか)を「のぞみ200号」で出たからと言って、間に合うものではない。なので、昨日に千葉(ちば)入りして、今日の試験に来た。会場は千葉(ちば)駅近くにあるJR東日本の建物の中。1階のなんかの教室みたいなところと、2階の会議室みたいなところを借りて、試験を行った。試験内容はクレペリン検査とか電球の色の識別とか0から48までの数字がランダムにはいたものを探していくとか。今まで専門学校でやってきたようなものとそうでないものの適性検査。それとグループディスカッション。ディスカッションは新手のものだったけど、やりきったか・・・。合格が分かるのは一週間以降。適性検査の判断にどうもそれぐらいかかるらしい。

 10月10日。先日の2次試験の結果が、マイナビに届いていた。結果は合格。次の試験が最終で、これを通れば、内定となる。時間は昼からと9時からの二つがあったが、昼からのものはすでに全部埋まっていた。9時からかぁ。間に合うはずはないから、またホテルに泊まらなきゃいけないのかぁ・・・。

 このころになってくると千葉(ちば)難波(なんば)先生に呼ばれることは多くなってきた。早期就業の準備に追われているのだろうか。ただそれだけだろう。それに比べて、木ノ本(きのもと)のほうはそういう気配が全くない。嫌でも、自分は早期就業にはいかないっていうことが漂ってきていた。気楽でいいなぁ・・・。

 10月17日。

「気楽な日に試験ってねぇ・・・。」

(もえ)はそういうこと言いながら、僕の前を歩く。

「まぁ、あっちからの指定なんだし、仕方ないんじゃないの。試験日だけはこっちが変えてくれって言ったってどうにもならないことなんだしね。」

僕はそう返した。

「分かってるけどさぁ・・・。どうしたの。そのどっかに引っかかるような言い方は。」

(もえ)はそう言った。

「どっかに引っかかるって・・・。僕は事実を言っただけだけど。」

「はいはい。そうですね。」

(もえ)は聞くのをあきらめたのか、呆れたのかそう答えた。

 今日の試験は前述する通り、日綜警(にっそうけい)の試験である。桜ノ宮(さくらのみや)駅近くにあるか異常なため、大阪環状線(おおさかかんじょうせん)に乗って桜ノ宮(さくらのみや)駅まで行かなければならない。そのために今僕たちがいるのは大阪環状線(おおさかかんじょうせん)のホームである。大阪(おおさか)のホームにはたくさんの同年代ぐらいのスーツ姿の人がいる。全員方向性は同じだろう。日綜警(にっそうけい)がどれぐらいの規模で今回の募集をかけているかなんて関心ないけど、ここにいるスーツ姿が全員いくと考えて、別に疑いはないか・・・。

「ところで(もえ)、今日僕たちの学校から日綜警(にっそうけい)ってところ受けるのは二人だけ。」

「違うよ。犀潟(さいがた)君も受ける予定だけど。」

「って、犀潟(さいがた)居ないけど。」

「別の電車で来るんじゃないかなぁ・・・。私たちは早くいって待ってよってナガシィが言ったから今ここにいるんじゃない。」

(もえ)は今ここにいる当然の理由を言った。確かに、あの大雑把極まりない地図を渡されて、ギリギリにいけばいいかと考えるほうの頭がどうかしている。そう考える人はある意味のキチガイかもな。

 桜ノ宮(さくらのみや)駅に着いたら、当然のことだが、どっちに行けばいいのやらとなった。地図の真ん中に描かれていた円筒の建物。それを見つけて、行けばいいか見たいなノリで周りを探していたら、確かに円筒のビルがあった。下手な地図よりも分かりやすい気がした。その近くに行って分かったことだけど、地図の真ん中に描いてあった円筒の建物はホテルであって、テナントが入るようなものではないってことだった。

 試験会場についてちょっとしてから、僕らと同じ時間の列車で来たスーツの集団も試験会場に到着。犀潟(さいがた)も試験会場に到着した。試験人数は20人ぐらいか。それぐらいだった。試験は性格診断と常識と作文と面接。これを2時間ぐらいで全部消化するって、どれほどの急ぎ足だろう。ただ、全部終わってみると「これでよかったのか」って思える内容で終わってしまった。

「ねぇ、何なんだろうねぇ・・・。」

(もえ)と歩きながらそう言った。

高槻(たかつき)からこんなの出るよってことは聞いてたけど、本当にそうだとはねぇ。」

僕が言った。

「まぁ、これで滑り止めができたってことでいいんじゃないの。」

「ま、そんなの書類が来てから出ないと分かんないけどね。」

「・・・って、あれ。環状線(かんじょうせん)で帰るんじゃないの。」

「えー、環状線(かんじょうせん)面倒くさいから、ヤダ。」

「はいはい。じゃあ、地下鉄で帰るんだね。」

ちょっと歩いて僕はこう切り出した。

「ねぇ、(もえ)。僕さぁ、千葉(ちば)のやつで最後にしようと思ってるんだ。」

「えっ。」

(もえ)は一瞬立ち止まった。でも、すぐに歩き出す。

「嫌さぁ、このままズルズル落ちてくのも嫌だしさぁ、それに落ちたらもう持たないと思うからさぁ。いま、あの状態からここまで持ち直してきてはいるけど、そう長く持つようなものじゃないしさぁ。」

「・・・それって、落ちたら鉄道は諦めるってこと。」

「諦めるとは言ってない。」

「でも、言ってるようなもんじゃん。」

「・・・。」

しばらく何も言わない。振り返って(もえ)を見てから、

日綜警(にっそうけい)に受かって千葉(ちば)に受かる。それでいいじゃん。それで千葉(ちば)に行けばいい。僕がやりたいのは鉄道の運転士だからさぁ。でも、その形はもう何でもいい。ただやりたいんだ。落ちたら、もう僕はいなくていいんだよ。鉄道好きな僕はね。」

(もえ)は何も言わない。それに驚いていて言葉にならないのか、今のに反論できる何かを探しているのか。

「だって、そうなったらただの嫌な記憶になる。そんな記憶は僕には必要ない。なくていい。だから、落ちたら鉄道好きの僕は殺す。」

これは日綜警(にっそうけい)しか通らなかった時の僕の心情。挫折を知らない周りに僕の何が分かる。一つやりたいものなくなった時の絶望がほかの誰に分かる。分からなくたっていい。それを知っているのは僕と(もえ)だけでいい。それ以外は誰も知らなくていい。誰も・・・誰も・・・。

「じゃあ、今のナガシィを知っている人にはどうするつもり。」

ポツリと(もえ)が聞いた。

「知ってる人はそのままでいい。これから知る人には知らなくていい・・・過去だよ。」

 10月24日。日綜警(にっそうけい)の試験が終わって、一週間。日綜警(にっそうけい)の話によれば、結果がつくのは2週間ぐらいかかると言っていた。だから、まだ来ていない。今日は2時間授業を受けてから、新幹線で千葉(ちば)に向かった。(もえ)千葉(ちば)市内のホテルが取れたみたいだけど、僕は取れなかったから、京葉線(けいようせん)のほうにあるホテルに泊まることになる。それで、千葉(ちば)みなとって駅に着いたのは5時30分ぐらいだった。ホームを降りて、タクシー乗り場がある方へ出る。南口かなぁ・・・。まぁ、方向はどうでもいいか。さて、自分の泊まるホテルだけど、

「どっちに行けばいいんだっけ・・・。」

さらっと調べてきただけのところで一言目に言うのは決まってこれである。


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