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MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Distress Episode
260/779

260列車 励ましの声

 4月17日。僕たちは名古屋(なごや)にいた。

「もう。ナガシィったら。本当にバカなんだから。」

「仕方ないでしょ。忘れちゃったものは忘れちゃったんだから。」

「仕方なくないでしょ。クリアファイル忘れて、朝っぱらから学校中探したけど、結局先生のところにあったじゃない。そういうふうに自己管理ちゃんとしてないから、こういうことになるんでしょ。」

「・・・。」

何とも言えない。確かに、昨日クリアファイルをどっかに忘れたのは自分だしねぇ・・・。それにそれで朝から学校に行って忘れそうな場所探したけど、結局見つからなかった。でも、見つからなかった理由は難波(なんば)さんのところにあったからである。

「ホントにバカなんだ・・・。」

「もう。そこまで言わなくてもいいでしょ。」

「言ってやるって。バカでしょ。」

「だから・・・。」

「バカでしょ。」

「・・・。」

僕が黙ると(もえ)は僕の顔に指を当てて、顔を寄せると、

「認めなさいよ。」

「わ・・・。」

はぁ・・・。最近はこういうことばかりかなぁ・・・。まぁ、いいや。それは置いといて。企業説明会をするのは名古屋(なごや)からほど近い建物のようである。それを確認した。そうしてから、僕たちはお昼を食べに一度、名古屋(なごや)駅に戻った。名古屋(なごや)駅の中には食べ物横丁みたいな場所やマックスや、ドーナツ屋とかいろんな食べ物屋さんが入っている。ここで食べ物に困ることはないだろう。その中のマックスを選んで中に入った。

「ねぇ、行き新幹線出来ちゃったけど、帰りはどうするつもり。」

「そうだなぁ。近鉄(きんてつ)でも別にいいんだけどなぁ・・・。」

「「アーバンライナー」つかって帰るの。」

「えっ。新幹線で結構な出費してるのに「アーバンライナー」使う。」

「誰のせいで新幹線になったと思ってるの。」

「・・・ご・・・ごめんなさい。」

「まぁ、企業説明会終ってから最初に乗れる「アーバンライナー」って15時の「アーバンライナー」だろうしね。それなら余裕で乗れるでしょ。」

「うん。余裕だよ。」

「それで帰ると難波(なんば)は17時ぐらいになるかなぁ・・・。」

「分かんない。そこは調べてみないと。」

スーツに着いちゃいけないってことで今回はテリヤキバーガーは頼んでいない。ハンバーガーを頬張ると、プレートに乗ったゴミを捨てに、ゴミ箱のあるところに行った。

「あれ。永島(ながしま)。」

ふと、僕を呼ぶ声がした。誰が呼んだんだろう。そう思って、あたりを見回してみた。すると、僕の位置から左斜め前にこちらをずっと見ている人がいた。彼は眼鏡をかけているけど、どこかで見た顔だった。

「えっ・・・。」

永島(ながしま)だよなぁ・・・。」

「さ・・・佐久間(さくま)。」

「えっ。何しに名古屋(なごや)に来てるの。いま大阪に住んでるんじゃなかったっけ。」

「今日は企業説明会でこっちに来てるだけだよ。」

「へぇ・・・。説明会ってどこの受けに行くんだよ。」

東海交通事業(とうかいこうつうじぎょう)だけど。」

「マジで。俺もこれから交通事業(こうつうじぎょう)説明会危機に行くんだけど。」

「えっ。ウソ。」

「ウソ言ってどうするんだよ。てか、何時から。」

「13時から・・・。」

「マジで。俺も時間一緒なんだけど。」

「ウソ。」

「だから、お前にウソ言ってどうするんだって・・・。」

「アハハ。それもそうだなぁ・・・。」

「ナガシィ。」

「んっ・・・。」

「誰と話してるの。」

「ああ。高校の時の友達。」

「ふぅん。」

「おいおい。あわないうちにいい彼女引きつれちゃってるじゃないの。」

「えっ・・・。あれ。あったことない。」

と聞いた。

「全然。初めて会う。」

「私はよく見てるけど・・・。文化祭の時に良くナガシィと話してたよねぇ。文化祭以外だったらそんなに見なかったけど、イベントの時も結構たくさん顔は出してたけど。」

「えっ。じゃあ、彼女ってもしかして。」

「うん。幼馴染・・・だよね。」

「なんで確認するようになるの。」

「それにしても、マンガかよ・・・。」

佐久間(さくま)はそうつぶやくと立ち上がって、ゴミ箱のほうに歩く。ゴミを捨てて、外に出ると、

「こういうことって本当にあるんだな。こんな風に同じ企業の説明会を聞きに行くのに、顔なじみと会うって・・・。」

「本当にマンガみ体だよねぇ・・・。」

「ホントにマンガだよなぁ。どういう偶然なんだろうな。」

マックスのあったところから名古屋(なごや)駅を突っ切って、セントラルタワーズのある出口へ歩いていく。

「あっ。そう言えばさぁ。お前って、アドレス変わってる。」

「えっ。」

「いやぁ。俺の前持ってた携帯ついにブッコしてさぁ・・・。いろんなデータ吹っ飛んだんだよ。だから、お前のアドレスが知りたくてさぁ。」

「ああ。いいよ。後で見せるね。」

「ところで、お前の携帯。」

「えっ。ああ。スマホに変わったよ。」

「ですよねぇ、時代の流れだよねぇ・・・。」

そんな会話をしながら、企業説明会が行われるビルに向かった。企業説明会は13時から行われた。そこから約1時間程度の説明会が終わると僕たちは学校からもらってる公欠届に企業の印鑑を押してもらえば、今日するべきことはすべて完了する。後は何で帰っても大丈夫だ。

 企業の印鑑をもらって部屋の外に出ると見慣れた顔がいた。

美鈴(みすず)ちゃん。」

(もえ)ちゃん。(もえ)ちゃんも同じ時間だったんだ。」

「うん。知らなかったの。」

「知らないっていうか。話してくれなかったじゃん。」

「あっ。ハハ。そっか。」

(もえ)・・・。」

「えっ。誰、あれ。学校の知り合い。」

「うん。同じクラスなんだ。」

「へぇ・・・。カワイイじゃん。」

 そのあとエレベーターに乗って、1階に下り、名古屋(なごや)駅まで話しながら歩いていった。みんなで旅行したときのこととか、たくさん話した。話がひと段落すると、僕は携帯のメールアドレスを佐久間(さくま)に教えた。そのあと、佐久間(さくま)は在来線で浜松(はままつ)に帰ると言って、僕たちと別れた。

「どうしようか。」

「何で帰るの。新幹線、近鉄(きんてつ)、「アーバンライナー」。どれ。」

「うーん。近鉄(きんてつ)で帰ろうかなぁ・・・。急行でゆっくりと。」

美鈴(みすず)ちゃんは何で帰るつもり。」

「えっ。スルー。」

「あたしは、「アーバンライナー」で帰ろうかなぁって思ってるけど、まだ決まってないんだ。」

「じゃあさぁ。一緒に帰ろうよ。」

「えっ。」

蓬莱(ほうらい)はちょっと考えてから。

「それでもいいよ。(もえ)ちゃんが一緒なら絶対に迷わないしね。」

「ねぇ、僕はいつまで無視されればいいの。」

(もえ)ちゃん。(とも)ちゃんが寂しがってるけど。」

「いいって。」

(もえ)はそういうと蓬莱(ほうらい)の背中を押して歩きはじめる。

「えっ。あっ。ちょっ・・・。ちょっと。」

 そのあとちょっとな酔いながら、近鉄名古屋(きんてつなごや)まで歩いてきた。駅近くまで歩いてくると僕は大阪難波(おおさかなんば)までの切符を買った。運賃は2300円と安い。

「ナガシィは急行で帰るんでしょ。」

「えっ・・・。」

「私たちは「アーバンライナー」で帰るから。」

「えっ。ちょっと待って。それじゃあ・・・。」

「ウフフ。大丈夫だって。(もえ)ちゃんの冗談だから。」

「えっ・・・。でも、蓬莱(ほうらい)さんはいいの。急行で行ったら難波(なんば)に6時ぐらいに着くことになるよ。」

「別にいいよ。一人で来るのもなんかさびしいし、(もえ)ちゃんがいれば、どういうルートで帰っても大丈夫だからね。信頼してるから。」

「いやぁ・・・。」

「あっ。どっちで降りよう。京都(きょうと)で降りようかなぁ・・・。あっ。でも、京都(きょうと)までどうやっていけばいいのかわかんないなぁ・・・。」

「最初は何で来たの。」

「新幹線。」

「だろうね・・・。」

「まぁ、自分の降りたい方で降りればいいんじゃない。」

「ていうか、蓬莱(ほうらい)さん。近鉄(きんてつ)って遠回りだよ。いいの。新幹線で帰らなくて。」

(もえ)ちゃん。(とも)ちゃんがハブってくる。」

「えっ。別にそういうわけじゃ。」

「大丈夫だって。ナガシィ。後で覚えてろよ。」

あ・・・。うん。降参しよう・・・。

 蓬莱(ほうらい)は結局、京都(きょうと)に行くことで落ち着いた。大阪まで行っても、その先、新快速に乗って近江舞子(おうみまいこ)まで行かなけれならなくなるからなぁ・・・。そこは京都(きょうと)に行っても大阪に行っても変わらないことだ。どちらのほうが早いかと言えば、それは断然、京都(きょうと)からのほうが早いであろう。

近鉄(きんてつ)のるの初めてなんだ。」

「えっ。以外。(とも)ちゃんって結構いろんなところ行ってるから。」

「言ってるけど、その時は全部18切符だったから。こっちのほう通って大阪に行ったことはあるけど、そのときだってJR使って言ってたしね。それに、ほとんど東海道線(とうかいどうせん)で行くから、名張(なばり)のほう回って大阪に行くことがまずないし。」

「そうかぁ・・・。だから、近鉄(きんてつ)で戻ろうとしたんだ。」

「うん。」

「またこれで、乗るつぶしノートに描きこめるよね。」

「そうだね。」

言い終わると僕は目を細めた。さっきから、上と下のまぶたが合わさりかけている。

「眠って行ってもいいよ。」

(もえ)がそう言った。

「えっ。でも、(もえ)って起こす時に必ずくすぐるじゃん。」

「そうしないと起きないからくすぐってるだけだけど。」

「そこまで熟睡してないってば。」

「してるって。」

「・・・(もえ)ちゃん。あたしも起こしてもらっていいかなぁ。」

「いいよ。じゃあ、乗り換えるちょっと前に眠ってたら起こすね。」

「ありがと。」

そういうと蓬莱(ほうらい)のまぶたは閉じて、頭も下がった。眠り始めてからは電車の揺れに任せるようになった。僕も眠かったから、いつの間にか眠ってしまったらしい。この頃、目的地に早く着くように感じるのは全て、途中の睡眠が影響しているからだ。

 伊勢中川(いせなかがわ)に着く手前で(もえ)に起こして貰い、反対側に来る大阪上本町(おおさかうえほんまち)行きの急行に乗り換える。急行の時は目が冴えていたので、みんな起きていた。途中の長いトンネルなどをぬけて、奈良県入り。奈良県のほとんどの駅に止まり、大和八木(やまとやぎ)蓬莱(ほうらい)が降りた。京都(きょうと)に行く中で一番早いのは大和八木(やまとやぎ)で降りて、急行とかで京都(きょうと)まで抜けていくルートがあるからだ。僕たちを乗せた急行はそのまま特急が通過するのを待って、発車。その先、急行は順調に飛ばして大阪入り。鶴橋(つるはし)で、奈良線(ならせん)からの列車に乗り換えて、大阪難波(おおさかなんば)に出る。大阪難波(おおさかなんば)到着18時22分だった。


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