253列車 恋バナ in 湯布院
3月7日。8時30分に門司港に着いたら、すぐに九州鉄道記念館へと向かい、そこから自由行動。僕は萌と自由行動をする。一度本州下関に渡り、そのあとまた九州に戻って「ソニック」に乗り、由布院まで行く。由布院に行ったら、今日泊まるホテルに行って、それで今日の自由行動は終わり。
ホテルの部屋割りは2年生が2部屋。僕たち1年生は女子と男子2部屋に別れる。僕の部屋は暁、草津、近畿、栗東、今治、高槻、僕の7人。ご飯を食べ終わってからは・・・、
「なぁ、なぁ。好きな人っている。」
そう口を開いたのは暁だ。
「・・・。」
でも、誰に問いかけているのかが分からない。だから、黙ったままになっている。
「えっ。せめて誰に言っているのかが分からないと・・・。」
近畿がそう言うと、
「ああ。ごめん。シンチャン。」
シンチャンとは今治のことだ。
「えっ・・・。僕・・・。」
今治は回答に困ったのか、考え始めた。それに痺れを切らしたのか、
「ああ。もう。速く回答してくれないかなぁ・・・。だいたいこの中で聞いても意味がないのって智ちゃんじゃん。」
「えっ・・・。」
「いや、えっじゃないって。好きな人って萌ちゃんでしょ。普段からずっと一緒にいるのに・・・。気にならないわけないでしょ。」
「・・・まぁ、気にならないわけじゃないし・・・。」
「それに前言ってたじゃん。」
「えっ・・・。あっ。暁、それは・・・。」
「・・・えっ・・・。ああ。ごめん、ごめん。」
暁は何とかわかってくれたみたいだ。
「お前一体、稔哉に何握られてるんだよ。」
と栗東が言う。えっ。まぁ、何握られているかだけは聞かない・・・。
「・・・まぁ、話し戻そうじゃない・・・。稔哉。聞いても意味がないのは智ちゃんだけじゃないぞ。俺だってそうだし、近畿だってそうじゃん。」
「・・・そうだなぁ・・・。だから、シンチャンに聞いてるんだって。でもシンチャンなかなか話してくれないしなぁ・・・。あっ、そうだ。草津はどんな子がいい。」
「俺か・・・。そうだなぁ俺は萌ちゃんみたいな包み込んでくれるような人もいいなぁ・・・。でも・・・。・・・なんて言ったらいいのかなぁ・・・。うーん。うまく打ち解けあえれる人がいいなぁ。・・・とにかく。」
「へぇ・・・。女子の理想系って感じだな・・・。それ言ったら萌ちゃん完全な女子の理想系じゃん・・・。100パーセント。智ちゃんのこと完全に包み込んでるし、うまく打ち解けあえてるし。いうことがないなぁ・・・。」
「言うことがないわけじゃないけどねぇ・・・。」
と僕が言う。
「だって、いつも言いたいんだもん。僕ってさぁ、本当によく萌にいじられてるから・・・。やめてほしいんだよねぇ・・・。別に別れ話出してるわけでもないのに・・・。なんか。萌このごろ不満ばっかり持ってるように見えるんだ・・・。」
「そうかなぁ・・・。萌ちゃん言うことはちゃんと言うしそういうことないんじゃないの。」
高槻が言う。
「うん。だから、僕の思い過ごしだと思うんだけどねぇ・・・。」
ガチャ。ドアの開く音がした。すぐに仕切りの代わりになっているふすまが開いて、犀潟が顔を出した。
「どうした。犀潟。」
「いや。あっちの部屋キツイ・・・。マシなやつがりくしかいないから。」
「・・・。」
そう言えば、こっちの部屋にいないメンツがあっちの部屋にいる。あっちの部屋にいるのは犀潟、平百合、千葉、長万部、百済、水上、羽犬塚。うん。ああ、千葉がかわいそう・・・。よく平百合のパシリにされているからなぁ・・・。水上もあっちの部屋にいるのが苦痛だろうねぇ・・・。今は女子の部屋にでも逃げてるかなぁ・・・。と思っているとまたガチャっとドアが開いて、今度は萌が顔を出した。
「ナガシィ。あっちから避難してきた。」
「噂してたら彼女が来たぞ。」
栗東が騒ぐトーンで話した。
「ナガシィ。ナガシィどこで寝る予定。」
「えっ。ここだけど・・・。」
僕がいるのはふすまに一番近いところ。部屋に入ると右側にいる。
「じゃあ、今日はここで寝る。」
「えっ。なんで。自分の部屋で寝ればいいじゃん。」
「あたしの部屋にいたら、また今日も寝れないもん。水上君がこっちの部屋に来て、零ちゃんや美鈴ちゃんといろいろ話してるから。多分、眞実ちゃんもこっちに逃げてくると思うよ。」
と言ったところで瀬野が顔を出した。同じ理由で逃げ来たようだ。
「ねぇ、智ちゃん寝るところどこ。」
「なんで。だから、なんで二人とも僕の寝るところを聞くの。」
「えっ。こっちで寝たいから。」
いや、そうじゃなくて・・・。
「いいんじゃないの。萌ちゃんが隣に寝てたら、智ちゃん襲えるでしょ。」
「いや、襲えるとかじゃなくて。」
「そう言えば、智ちゃんって萌ちゃんとやったことある。」
「ないよ。」
「えっ。ないの。何年一緒にいるわけ。それで一度もやったことないの。なんでやったことないの。それでも男・・・って男じゃないかぁ・・・。」
「男だよ。」
「・・・高槻は自分の彼女やったことある。」
「・・・まぁ、胸揉んだりぐらいはしたことある。」
「あっ。あるんだ。海斗。」
「うん。謙吾にも言ってないから、これ知らないのは当然。」
「・・・。」
「近畿は。やったことある。ああ。もういいや。この中で経験者何人。」
手を挙げたのは高槻と暁以外。
「残り全員やったことないのかよ。」
「アハハハ・・・。」
話にちょっと区切りが見えると、萌が僕の上に座ってきた。
「ちょっ・・・。萌・・・。」
「重い。」
「・・・。」
言いたいことを言われる。
「私。ナガシィより軽いよ。それでも重い呼ばわりする。」
「・・・。あっ・・・。はん。」
「相変わらずすごい声。どこから出てるんだよ。」
「ちょっ。萌。やめて、くすぐったい。」
「大丈夫。くすぐったいだけだから。」
「・・・。」
と言ってから、萌が僕の上からどいたと思うと、浴衣がはだけそうになる。ちょっと待って。パンツ見える。
「なんで。見せてくれたっていいじゃん。どんなパンツ穿いてるかぐらい。」
瀬野・・・。それ女の子が言う言葉じゃないと思う。
「どんなパンツ穿いてるかって。そういうこと聞かなくても。」
「なぁ、今治はどんなパンツ穿いてる。」
と言って、瀬野は今治の浴衣をめくる。・・・何この光景・・・。僕の目線でも今治の穿いてるガラパンが見えるよ・・・。見えてから、瀬野は僕の肩を平手打ち。ちょっと痛い・・・。それが終わったら、今度は栗東。それがすんだら、高槻。えっ。全員のパンツ見る気。ていうか、いい加減やめなさいよ。
「なぁ・・・。萌ちゃんはどんなパンツ穿いてる。」
「いや、いや、いや、いや。ちょっと待て。ここで萌ちゃんのパンツ見るの。」
突然部屋の電気が消える。
「ちょっと・・・。」
消したのは犀潟らしい。
「よし。これで見えても大丈夫だな。」
「大丈夫だなじゃなくて。瀬野。やめなさい。」
僕の近くに瀬野がいたから、誰が誰だか判別はできる。瀬野の肩をつかんで、萌に飛びつこうとする瀬野を止めると明かりがついた。
「おいおい。彼女の前で堂々と浮気かよ。」
「浮気じゃないってば。」
「へぇ・・・。ナガシィ、本当は眞実ちゃんのことが好きなの。」
「えっ。だから、違うって。」
「おい。これはさすがにヤバいぞ。認めようか。」
「えっ。認めるとかじゃなくて・・・。瀬野は僕の中じゃあ、彼女でも何でもないって。ただの同じ学科の女子ってだけだから。」
「・・・。」
何かと話がこじれているよねぇ・・・。
この話は一度お風呂にはいろうということで打ち切られた。お風呂に入ってから、また同じメンバーが僕の部屋に集まる。しかし、今度はさっきみたいな話にはならなかった。だいたいの人が一度に集まることがなかったからだ。
「ふぅ・・・。」
布団の上に横になる。今この部屋にいるのは僕だけ。少しはゆっくりできるかなぁ・・・。と思っているとガラッとドアが開いた。誰かと思うと羽犬塚だ。
「どうしたの。」
「いや。お菓子たくさん持ってきたんだけど、こんなに食べきれないからこっちの人たちでも食べてもらおうかなぁって。」
そういうと羽犬塚ハモってきたお菓子を畳の上に広げ始める。ポテトチップとか。結構たくさん持って来ている。
「えっ。これ食べちゃっていいの。」
「いいよ。どうせ食べきれないし。」
「ありがとう。」
羽犬塚は置いていくものを置いていってから部屋を出ていった。僕は羽犬塚が残していったものを食べていた。するとガラッと扉があいて、萌が顔を出した。
「萌・・・。」
「よっと。」
そう言って萌が僕の上に座る。
「えっ。いや。だから・・・。」
そう思っていると足がくすぐったくなった。ダメだ。くすぐったくて我慢できない。動こうとすると萌の重しがそれを邪魔する。でも、何とか寝返りをうって、それを脱しようとした。
「アハハ。そんなにくすぐったかったか。」
瀬野・・・。瀬野は僕が動いて、浴衣が少しはだけたことを見逃さなくて、めくろうとする。でも、僕のほうがちょっとだけ早くて、それを阻止する。
「なんで。ちょっとぐらい見られてもいいじゃん。厳重に守るって。やるときどうするんだよ。お互い裸見せたくないのか・・・。いや、下着からかぁ・・・。」
「やる時ってねぇ・・・。」
そのあと萌と瀬野は外に出ていった。しばらく戻ってこない間に高槻と草津、暁、近畿が戻ってくる。
「なぁ。古今東西でもやらない。」
暁が切りだす。それでやるお題は鉄道会社名。テンポでよくと進んでいくことが決まった。
「じゃあ、僕から行くな。古今東西・・・J西。」
暁スタート。次は草津。
「・・・神戸高速。」
次は高槻。
「東京メトロ。」
次は近畿。
「J東。」
最後は僕。
「東海。」
そのあともたくさんの鉄道会社名をあげていく。その先に上がったのは阪急電鉄、阪神電鉄、京浜急行、京王電鉄、東武鉄道、南海電鉄等。いろいろな鉄道会社をあげていったが、暁がすぐにダウンして、あんまり続かなかった。古今東西が終わるとうまい具合に外に出ていた瀬野と萌が戻ってきた。しかし、栗東が戻ってこない。他の人の話では女子の部屋にいるようだ。
そのあともいろいろな話で盛り上がる。寝たのは日付の変わり目。結局その時間になっても栗東は戻らず、この部屋には高槻、暁、近畿、草津、今治、僕、瀬野、萌が寝た。僕と萌。瀬野と今治は添い寝状態となっていた。




