235列車 変わりたい
10月15日の月曜日。研修旅行の委員に僕はなった。実際のところやりたかったからだ。それは自分の中でも、少しは変わりたいと思うところからきていた。さて、変わるのはいいのだが、まだ26日の案を出せていない。どうすればいいのだろうか。あのあと木ノ本たちを萌が詮索して、運賃でこっちが負けているということが判明した。
「・・・。」
今は時刻表とにらめっこ状態ではあるが・・・。全然思いつかない。思いつく路線もあるのだけど、いろいろと分が悪かったりする。例えば、近江塩津と桜井線、和歌山線を回るルートは時間がない。例えば7時47分大阪発の、新快速湖西線経由敦賀行き・琵琶湖線経由米原行きの場合は始める時刻8時00分を越えているし、終わる時刻も越えてしまう。そうなると次は8時45分発の新快速湖西線経由近江今津行きとなるのだが、近江今津に10時04分に到着したところで、その先に行動ができない。近江塩津に行く場合は30分あとに大阪を発車する新快速湖西線経由敦賀行きしかないのだ。これで近江塩津まで行くと近江塩津着は11時01分。この時間に近江塩津では行動に限りが出てしまうし、木ノ本たちの距離を越すことはできない。
「・・・。」
「思いつかないの。」
萌が聞いてきた。
「そう簡単に思いついたら、こんなに悩んでないって。萌は何か思いついたの。」
「全然。一番距離稼ぐんだったら地方交通線のらないとダメでしょ。」
「まぁ、どこかで乗らないとだめだよなぁ・・・。」
「かといって、幹線の新快速に頼るっていうのもなぁ・・・。あれだと速いから、結構な時間短縮にはなるけど、草津から近江塩津に行って、そのあと湖西線で戻ってくるか、湖西線で近江塩津まで行って、そのあと琵琶湖線で草津まで戻ってくるルートに限定されるし、関西線で木津まで来てからも問題よねぇ。学研都市線か大和路線しかないんだもんね。」
「まぁ、学研都市線に乗ったら、放出まで来て、そのあとおおさか東線に乗ったら、そのあとはたかが知れてるもんな・・・。駅数だったら、なおさら、阪和線とかのほうが稼ぎやすいけど、駅じゃないからなぁ・・・。」
「・・・。」
「ここはこっちに詳しい草津と高槻に任せても見る。」
結論は結局こうなった。
10月16日。今日の授業のうち1時間だけ、この旅行を組むことのできる授業がある。
「で、考えてないってことか。」
高槻が呆れたような顔で行っている。呆れられてもなぁ・・・。僕は草津みたいに万能頭脳じゃないんで。
「う・・・うん。」
「まぁ、考えようじゃないか。」
「なぁ、智ちゃん。草津。やっぱこれしかなくね。」
栗東が口を開いた。
「この7時47分の新快速敦賀行き。」
その意見にちょっとだけ顔がゆがんだ。
「そんな時間で大丈夫かなぁ・・・。」
「えっ。難波先生にこの時間から始める代わりに、終わる時間はやめてもらえば、問題なくね。」
「・・・。」
うーん。それで通るのかなぁ・・・。
「なぁ、智ちゃん。時刻表見て。」
「えっ。うん。」
時刻表を見る係は僕。どうやら調べるのは草津、高槻よりも早いらしい。
「新快速は調べなくていい。草津線から先頼む。」
草津が口を開いた。
「じゃあ、草津。この新快速で近江塩津何時。」
「近江塩津が9時37分。その次の近江塩津からが10時05分で、草津が11時22分。」
「えっ、その間列車無いの。」
「あるにはあるんだけど、9時41分発の列車はまた湖西線に戻っちゃうから、それで一筆書きじゃなくなるだろ。」
「・・・。」
「栗東。草津線で草津を11時57分。終点の柘植に12時39分。」
栗東が書いたということを見てから、先に続ける。
「次、柘植発12時42分。・・・加茂着13時35分。・・・で、このままどっち行くの。」
「この、トイレなしにあたったら最悪の区間。」
(和歌山線ね。)
「加茂13時45分発、奈良14時00分着・・・。」
「あっ。王寺まで行っちゃって。」
「えっ。ああ。えーと、王寺14時18分着。」
「次和歌山行って。」
「・・・。王寺14時40分発、高田14時56分着。・・・その先が高田15時28分発、和歌山17時31分着。
「はい。The end.」
高槻がそう言った。まぁ、これはもう歴然としている。目標時間を過ぎているうえに、始める時間を早めて、終わり時間も早める以前の問題になっている。
「なぁ、草津いい考えある。」
「・・・。」
草津はしばらく黙っていた。
「確か、16時28分大阪着の敦賀からの新快速あったなぁ・・・。」
「んっ。ああ。あれかぁ。」
高槻はそれで通じたらしい。さすがここ大阪の撮り鉄である。
「それの近江塩津の時間何時だったっけ。」
「えっ・・・。」
「ちょっと待って。今調べる。・・・14時40分。」
「じゃあ、14時35分着の新快速近江塩津行きだな・・・。そいつは草津が13時20分だから・・・。」
(その先な。)
僕は草津線のページを開いた。草津に13時20分以前に着く柘植からの列車を探す。
「柘植12時01分発のやつ。草津着が12時45分。それで、柘植に行くなら、加茂10時39分発で柘植11時37分着のやつがある。」
「永島。それで、奈良まで行って、奈良から、桜井線と和歌山線を通って久宝寺まで行って、久宝寺からおおさか東線で、放出に行って、放出から京橋まで逆算して。それで何時に乗ればいい。」
「えっ・・・。」
高田から久宝寺まで行く列車って設定されているのか・・・。僕はこっちには詳しくないから、そこはまぁいいか。
「10時29分加茂着の「大和路快速」。それが奈良を10時13分。・・・。奈良に10時08分着の桜井線の列車が高田を9時25分発。・・・高田に9時18分着の普通が王寺9時01分発。」
「えっ。JR難波から直通してない。」
「うん。王寺で止まってる。」
「あっ。そうか。休日と頭がこんがらがってる・・・。」
「王寺8時55分着の快速で久宝寺が8時42分。久宝寺8時36分着のやつで放出が8時20分。・・・8時16分放出の普通で京橋が8時10分。」
「・・・。じゃあ、大阪城北詰まで行きたいから、その時間調べて。さっきの新快速は尼崎が16時35分着だから。」
「・・・。えーと。16時39分尼崎発の普通が大阪城北詰に16時56分。」
ノルマ達成である。始まる時間は8時00分以降。終わる時間は17時00分前だ。遅れとかがなければ、これは問題ない。
「じゃあ、次は運賃かぁ・・・。」
「今計算して出した。」
今度は高槻が口を開いた。
「運賃の計算黒で切り上げすると382キロ。これを運賃表で見てみると6300円。」
「・・・えっ。」
「そこまで稼げればもういいかもなぁ・・・。」
「これで文句ないって。後は女性陣がどこまで距離を稼ぐか。こっちからしてみれば、380キロ越えなければ運賃で勝つんだからな。」
確かに。どのように運賃を計算するのかと言うことだけを言っておこう。もし、利用区間が31.8キロだったとしよう。この場合小数点以下の数は切り上げる。つまり、運賃の計算は32キロで行うことになる。そして、運賃表を見るのだが、32キロの運賃は31キロから35キロまで共通の運賃570円。つまり、31.8キロの運賃は570円となる。僕たちの場合は381.○キロなので、計算は382キロ。382キロは381キロから400キロまでが共通の運賃6300円。女性陣は380キロ以下であれば361キロから380キロまでの運賃6090円となり、僕たちの班が運賃で1番になる。
まぁ、すべては次の火曜日に明らかになることだ。




