表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC  作者: 浜北の「ひかり」
Sasago Vocational College Episode:1
230/779

230列車 殴られたい?

 8月21日。今僕たちは四日市(よっかいち)にいた。

「暑い・・・。ナガシィなにか飲み物ない。」

「持ってないけど・・・。」

「神経おかしいでしょ・・・。なんで飲み物持ってないわけ・・・。熱中症になっちゃうよ。」

心配してくれるのはありがたい。でも、今僕が飲み物を持っていないのは仕方がない。浜松(はままつ)に変えるときに水筒を持っていき忘れたからだ。

「まぁ、もうちょっとの辛抱でエアコン完備のやつに乗れるから。」

「そうだけどさぁ・・・。ねぇ、なんでナガシィは「みえ」に乗った後に四日市(よっかいち)で乗り換えて、そのあとの快速で亀山(かめやま)に行こうとしたわけ。亀山(かめやま)までダイレクトで行けるならそのまま行っちゃってよかったじゃん。」

顔が引きつりそうになった。キハ75の「快速みえ」に乗りたいと言ったのはどこのどいつだ。まぁ、僕も乗りたいと思っていたから、(もえ)の面倒な計画にも賛成したのだけど・・・。考えてみれば、そのまま東海道本線(とうかいどうほんせん)で素直に言ったほうがよかったかもしれない。四日市(よっかいち)関西本線(かんさいほんせん)の駅。名古屋(なごや)を起点に亀山(かめやま)柘植(つげ)加茂(かも)奈良(なら)王寺(おうじ)天王寺(てんのうじ)を通ってJR難波(なんば)にいたる路線である。乗りつぶしマップをもらってからというもの(もえ)はあそこに行きたい、これも乗りたいみたいなことを言い始めた。就活終るまでそれはちょっと待て・・・。

「ところでもう「南紀(なんき)」来てよくない。」

(もえ)が時計を見てそう言った。確かに。時間は9時34分。もう「南紀(なんき)3号」接近のアナウンスは流れてもいい時間になっている。「南紀(なんき)」の停車時間はこんな駅では30秒あれば十分だろう。しかし、いくら停車時間が30秒でもホームに入ってこないのでは話にならない。しばらくたつと「特急南紀(なんき)3号」紀伊勝浦(きいかつうら)行きが2分遅れで入線。発車も2分遅れ。そのあとに入ってくる9時40分発快速亀山(かめやま)行きも2分延着。発車も2分延着で四日市(よっかいち)を発車した。

 列車は席のほとんどが埋まっている具合。次の南四日市(みなみよっかいち)まで行く間に車掌が車内を通って、進行方向前方の運転士がいる乗務員室まで車内を歩いてきた。やっていることはまるで遠州鉄道(えんてつ)である。南四日市(みなみよっかいち)に到着する車掌はドアを開け、降車する客の切符を自分で回収する。やっていることはまさしく遠州鉄道(えんてつ)だ。遠江急行(こうきゅう)は切符を駅員が回収している。その点で両社は違う。

 亀山(かめやま)着は2分遅れのまま。接続で11時14分発の普通加茂(かも)行きに乗車する。この先関西本線(かんさいほんせん)は非電化になり、走る車両は当然ながらディーゼルカーになる。使用車両はキハ120系。去年大糸線(おおいとせん)に乗車したときにもお世話になった車両だ。JR西日本のローカル線用ディーゼルカーである。車内はロングシートで1両のディーゼルカーは半分ぐらい席が埋まっている状態だった。ここで着席しなかったら、柘植(つげ)まで恐らく座ることができない。二人で隣り合って座れるところがあったので、そこに座った。列車は定刻で亀山(かめやま)をゆっくりスタートした。

「ナガシィ。なんで関西本線(かんさいほんせん)大阪(おおさか)帰ろうって言ったの。」

(だから・・・。)

いい加減殴りたいと思った。でも、(もえ)相手にそれをやるとあとで自分がとてつもない被害を被るからやめておこう・・・。クソッ・・・。(もえ)を一発殴りたい。そう言ったのだってお前じゃないかと内心思いながら、

「誰だよ。東海道で帰るのは面白くないからって、プランたてさせたときにくすぐってきたのは・・・。」

「・・・だって。関西本線(かんさいほんせん)って幹線のわりにローカル色強いじゃん。」

「それ言ったらおしまいだろ。」

本当にその通りだ。時刻表で黒い線で描かれている線路も列車が多いという保障はどこにもない。この近くでいえば紀勢本線(きせいほんせん)みたいに列車がほとんど設定されていない路線だってあるのだ。まぁ、まだ紀勢本線(きせいほんせん)には特急が走っているからそれほど問題ではないかな・・・。大阪(おおさか)近隣で言ったら京都(きょうと)から出ている山陰本線(さんいんほんせん)がいい例である。それは時刻表を見ていただければわかることだ。

 しばらくゆっくりゆっくり走ると関。駅は1両のディーゼルカーが止まるにはもったいないぐらい長い。昔は5両以上の列車が多数設定されていた証拠だろうか。とにかく1両では足りすぎている。関西本線(かんさいほんせん)の特徴はこういうところでもある。足りすぎているホームの長さはその昔、長大編成の列車がここを往来していたことを意味している。需要がなくなってきたり、国鉄の経営を少しでも改善するために、短編成かが行われる。施設のいらない部分を壊すのにもお金がかかるからそのままにしておく。その状態が現在だ。

 (せき)をまたゆっくり発車。このスローペースに揺られて、柘植(つげ)柘植(つげ)では草津線(くさつせん)の抹茶色に塗られた113系と亀山(かめやま)行きのキハ120系単行と出会い、その先にゆっくりゆっくりコマを進める。加茂(かも)に着いたら、乗り換え。ここから先はJR西日本が「アーバンネットワーク」と称する区間を走る快速列車「大和路快速(やまとじかいそく)」に乗り換え。

「ナガシィ。「大和路快速(やまとじかいそく)」で一気に大阪(おおさか)まで行っちゃえばいいじゃん。」

乗り換えるとすぐに(もえ)はそう言った。

(だから・・・。)

もう我慢の限界である。

「それ全部(もえ)が言ったんだろ。」

8両で止まっている「大和路快速(やまとじかいそく)」。僕たちがいる1号車(クハ221形)の中には僕たち以外誰もいない。迷惑だからいけないが、大きな声で(もえ)にどなりつけた。

「・・・そうだけど。」

「プランの通り帰るからね。まだまだ大阪(おおさか)には入らないよ。」

この先もそのプランの通りに僕たちは行動した。「大和路快速(やまとじかいそく)」で久宝寺(きゅうほうじ)まで揺られる。久宝寺(きゅうほうじ)から4月にこっちに来た時とは逆におおさか東線(ひがしせん)放出(はなてん)へ。放出(はなてん)から学研都市線(がっけんとしせん)木津(きづ)まで乗車。木津(きづ)から奈良線(ならせん)の「みやこ路快速(じかいそく)」に乗車して、京都(きょうと)京都(きょうと)から新快速(しんかいそく)とも思ったが、ちょうど発車してしまったので、緩行線の207系でゆっくりと新大阪(しんおおさか)までコマを進めてきた。御堂筋線(みどうすじせん)に乗り換えたが、車両が30000系ということはなく10A系に乗車。緑地公園(りょくちこうえん)で下車をして、ちょっと早い夕ご飯。

 夕ご飯を終えて、部屋に行こうとすると、

「あっ。(とも)ちゃん。」

高槻(たかつき)と会った。えっ。僕の呼称はいつの間に(とも)ちゃんになったんだ・・・。まぁいいけど。

「久しぶり。帰って来たのか。」

「うん。」

「へぇ・・・。どう浜松(はままつ)。楽しかった。」

「それはもちろん。」

学校の前に座れそうな場所があるから、そこで高槻(たかつき)と話していると草津(くさつ)も加わった。

「へぇ。結構遊んできたな。」

「あっ。そう言えば草津(くさつ)遠州鉄道(えんてつ)の30系の26号引退すること決まったぞ。」

「えっ。あれ引退するの。惜しいなぁ・・・。今日本で一番古いMcとTcだろ。」

草津(くさつ)の言うMc、Tcというのは前者が「制御電動車(せいぎょでんどうしゃ)」でモーターのついている車両。後者は「制御車(せいぎょしゃ)」で運転士が乗る乗務員室がある車両でモーターが搭載されていない車両を言う。

「そうかぁ。引退するのかぁ・・・。」

「あっ。後際まで貫通幌がついてるのも分かったよ。その26号と25号が、連結面にあるのが雨どいだけで、際まで幌がついてた。」

「なるほど。雨どいまで隠したらN700系(エヌナナ)の全周幌かぁ・・・。」

というのはN700系新幹線のそれぞれの車両の連結面は全て騒音軽減のためおおわれているからである。

「うわぁ・・・。在来で全周幌かぁ・・・いらなくね。」

高槻(たかつき)がそう言った。

「そうだな。在来じゃあいらないね。東海でも313系(サンイチサン)に付けることは考えなかったし。」

「でも、ダンパはつけたな。」

「・・・そうだな。」

ちょっと話に詰まった。

「あっ。草津(くさつ)新大阪(しんおおさか)に来る間に207の量産先行みたいなやつを見たんだけどさぁ。」

「えっ。F編成見たんだ。」

「あれっていまだに現役。」

「ああ。ふつうに営業入ってるよ。初期GTO。もう登場して20年以上経つね。」

「おお。さすがJ西。「古いものを大切に使いましょう計画」。」

「国鉄か。」

しばらくそう言う方面の会話をして、また会話に詰まった。

「そう言えば、お前らどういう帰り方してきたんだ。」

「えっ。関西線(かんさいせん)に乗って、そのあと東線(ひがしせん)のって、学研都市(がっけんとし)に乗って、奈良線(ならせん)で帰ってきた。」

「・・・ぐるっと一回りしたね。」

草津(くさつ)

「・・・へぇ、奈良県に1度も入らない奈良線(ならせん)でねぇ・・・。てことは103系見てきた。」

「ああ。うん。奈良線(ならせん)って未だに。」

「そうだよ。奈良線(ならせん)っておじいちゃんをまだ平気に使ってるよ。まっ、あいつらもいつまで生き残れるか。この頃危なくなってきたからなぁ。」

「そうだな。奈良線(ならせん)普通にも221系(アメニティ)入れ始めてきたからな。」

こういう話をして、今日は解散。翌日から、僕と(もえ)は学校に戻ってきた。駅でアルバイトをしている近畿(きんき)とも久しぶりに会い、浜松(はままつ)であったことを近畿(きんき)たちにも話した。でも、僕があったのは昨日のメンバープラス近畿(きんき)千葉(ちば)だったため、そんなにはなせたわけではないが・・・。それでもだんだんと会っている人員は増えていった。瀬野(せの)蓬莱(ほうらい)内山(うちやま)水上(みなかみ)羽犬塚(はいぬづか)。後のメンツはまだまだ合っていない。こっちにちょっと遅れて戻って来た木ノ本(きのもと)留萌(るもい)にもあったし、九州の長崎(ながさき)に帰っていた(あかつき)とも会った。後は学校が始まれば会うことかぁ・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ