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二人の出会い②

あの日父さんは羽をもぎ取られた。

翼を折られたと言ってもいい。


1998年、横浜フリューゲルスは突然、消えてなくなった。

父は当時、4年後のワールドカップが日本で開かれる明るいニュースに後押しされJリーグは華やいでいた


僕はそんな年に生まれた。

父は僕に蹴人、シュートという名前をつけた。


フリューゲルスのトップ選手として活躍していた父が息子にサッカーに関する名前をつけたのも当然かもしれない。


しかし、父の翼は折れたままだった。


キャプテンだった父は、自分の身体よりも後輩選手つまりチームメイトの移籍先探しに奔走した。

幸運にも多くのJ2のチームに受け入れ先が見つかった。


父は最後までフリューゲルスにこだわった。

生まれた横浜を愛していたからだけではない。

父と母との出会いもフリューゲルスだからだ。


フランスでのワールドカップに代表として選出される実力がありながら、下らないプライドで、キャプテンとしての責任感背でか父は所属クラブを無くしてしまったのである。

息子が生まれてまもなくのことだった。


僕が14歳なった今、父を覚えている人間なんていないと思っていた。

横浜でなら、あり得たかもしれないが、こんなところで。


沖縄の暑い太陽の下で。


僕は嬉しかったのかもしれない。


本当の僕がやっと認められたようで。

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