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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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BPM131

 本日は共通テスト。僕は電車の中で小さな電子メトロノームを取り出した。


 ヘッドフォンをつけるとBPMを131に合わせる。このテンポが一番心地よい。普通の音楽とは違うところ。『すべての音楽的要素を削ぎ落としたところ、メトロノームの音だけを聞いたほうがいい』という結論に至った。


 ピッピッピッピという音が脳を刺激する。とりあえず、僕はこの共通テストで満点合格をしないといけない。なぜなら『使命』があるからだ。


 僕の使命。それは『世界の音波の異常を確かめる』こと。もし本当に、あのカセットテープ・『SHOW』の歌詞通りだったなら、世界は相当まずいってことになる。異常音波が世界に広がったせいで、各国の情勢がおかしくなっているとするならば。


 異常音波は人為的に広められたのかどうか……それはわからない。ただ、たまに思うんだ。あのカセットテープのバンドは、宇宙からのメッセージを伝えていたんじゃないかって。衝のズレを教えてくれた、あのカセットテープは僕の宝物だ。実際のところ、衝がズレていたかどうか、確かめるすべはなかった。でも僕は何故か不思議な確信があった。


 地球はまずい。何がどうまずいのかはわからないけど、宇宙的にまずい。だから僕はその宇宙の謎を解明するために、とりあえず日本で一番頭のいい大学に入らなくてはならない。ただ、どこの大学が日本で一番いい大学かというのが最近よくわからなくなった。だったらとりあえず共通テストで満点取ればいいだろ? っていう結論だ。


「次は、東大前ーー」


 地下鉄のアナウンスが、目的地を告げる。メトロノームをオフにすると、僕は一旦目を閉じた。


 音楽を道具にしてたまるか。僕はただの音楽愛好家が高じてこうなっただけ。もし音楽が地球をおかしくしているならば、その問題を解決しないといけない。だけど、それがもし宇宙からの介入があってのことならば……。音楽が好きだからこそ、音楽の力を借りずに満点を取る。これは『音楽好き』の使命でもある。


 電車から踏み出して、決戦の地へ向かう。満点以外に、僕の『合格』はないーー。


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