盗作
あたしは小説家だ。……と言っても今の時代はAIに書かせる輩も多い。楽していいじゃない。面白ければ人が書いてもAIが書いても一緒だ。だけど一応あたしは『AIでは』書いていない。あたしはーー小説大賞の落選者の小説から拝借している。あたしの悪事の共犯者である編集には、「あなたとは作家として接したくない」と言われているのが証拠だ。まぁ、あたしのやっていることは所謂『盗作』なのだが。
「ここ、少し主人公の気持ちがわかりにくいな」
そう思って、あたしは筆者である盗作元の作家のSNSを見てみることにした。
『今日は子ども食堂に寄付しました』
けっ、いい人ぶりやがって。そんないい人アピールいらねぇわ。誰にアピってるのさ。小説大賞落とされて、あたしの養分になってるくせに。
『夏真っ盛りで熱中症多発。ライブ会場に塩あめ配りに行った』
バカじゃん。誰のためにそんなことやってるんだか。盗作している引け目から、いちいち鼻につく。
さて、次の投稿は……と指を滑らせてみると。
『あんたの隣、衛星落ちるよ』
ーーえ? あたしが瞬きしたときだった。
ドーンッ! と大きな音と閃光。あたしが窓の外を見ると、何だかクレーターみたいなものができている。嘘……マジで隕石ーーいや衛星が落ちたの?
『びっくりしたでしょ、盗人さん』
「ひっ!」
驚いたあたしはスマホを投げて全裸になり、脱糞するしかなかった。




