青田買い
今年も就活シーズンだ。当研究所ももちろん、新卒採用を始めようと思っている。しかしどんな人材がいいのだろう? 前は動画サイトを使って優秀な頭脳を発掘しようとしたのだが……。
「何かいい案は浮かんだかい?」
前回、バーチャルアイドルになってくださった今日中に声をかけられる。
「今回は全く浮かびませんよ」
「そういうときはデータを見たらどうかな?」
同じ問題は出さないので、もうバーチャルアイドルにならなくていいと思っている教授は余裕そうだ。だけどデータを見ろとは一体。
僕はアドバイスに従って研究所に勤めている人のグラフを見た。得手、不得手は誰だってある。研究所職員の能力分布だ。
それを見た感じ、どうやら当研究所は、社会性やコミュニケーション能力に長けた人が足りないようだ。
「ふむ」
僕は一瞬考えたのち、あるひとつのテーマを考えついた。
「TRPGにしましょう。この問題ももちろん、『問題のない問題』です」
「ほぅ……面白そうだ。今度は私も解いてみようかな? さすがにもうバーチャルアイドルはやりたくない」
「教授もぜひ」
「ところで、問題はどこに発表するんだ?」
その問いかけに、僕はにやりとして答えた。
「児童養護施設です。幼くても、貧乏でも、優秀な人材はいますから」
教授も僕につられてか、にやりとした。




