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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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神輿

 最近やっと言霊の使い方が少々わかってきたところだ。だけどきくらげを生やしたりとか、普段はあまり大したことに使っていないなぁなどと思う。だけど、変なことに力を使うよりはマシだ。


 いきなり陰陽師の血筋と言われて執事も付けられた。とは言え……私自身は特に何もできないというのが実際だ。何かまずいことがあったら術を使うというくらいで、普段は引きこもりのニートと言えるだろう。


「お嬢、大変です!」


「え、何。今日は」


「台風が来ているそうです」


「台風……」


「なんとかできませんか?」


「はぁ!?」


 なんとかと言われ、私は驚く。言霊でなんとかできるかもしれないが、正直陰陽師の力は科学的に説明されていないのだ。一応、病院でパルスを測られたり検査はしたのだが、これは正直人由来のものではなく、『どれだけ勉強したか』によるものだと私は思っている。


 今はニートではあるのだが、なんだかんだで私は大学まできちんと出て、遊びもせずに勉強一筋でやってきていたのだから。


 陰陽道は占事略決につながる。この占事略決というのは、実は民間に広く出回っている。占事略決とはーー実は辞書とか年表とか、片っ端から『めちゃくちゃ分厚い本や辞書』のことを言うのだ。これの扱いをマスターし、中身を理解することが陰陽道の一歩なのである。


「台風ねぇ……」


 今来られると米の収穫前なのでいささか困るな。そう思った私は、扇子を持った。仕方ない。ちょこっとやってみるか。


「んじゃ、少しなんとかなるかやってみるから、一旦ひとりにしてくれる?」


「はぁ」


 私はそう言って執事に部屋から出ていってもらうと、ヘッドフォンを付けた。これでトランス状態になる。


 音楽に合わせて扇子を使い、舞う。これでも各種ダンス系はもちろんだが、地味に武道も仕込まれた。舞踏に武道を取り入れた舞を、ヘッドフォンに流れる曲に合わせて踊る。


 三分弱だろうか。踊り終えると、執事を呼んだ。


「これでなんとかなるかはわからないけど……」


「ありがとうございます」


 私自身もこんなことで台風がなんとかなるなんて信用ならねぇんだが、台風は実際に弱まり、消えていった。

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