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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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研究論文

 大学に入学して、必修授業を受ける毎日なのだが、気になることがある。


 ーーいつ論文を書くんだ? レポート提出とかはどうやら夏休みに課題が出るということ。卒論自体は多分、4年次に書けばいいのだと思われる。まぁこれが大学で培った勉強の総決算になるのだろうけども。


 さて大学に入学してみたはいいが、もしかして案外やることないーー? 僕は気づいてしまった。


 正直高校時代はテレビも見ずに学校・予備校の往復。かろうじてある娯楽というのがカセットテープの音楽だけだったとは言え……。なんというか、大学に入ったらバイト以外にガチでやることがなくて軽い五月病みたいな感じだ。こんな平和で、暇でいいのだろうか? 本当にありがたいことだけどもね。


 僕は何気なくノートパソコンを開いた。一応大学には『大学の自治』というものがあるらしい。細かい国語的な用語はわからないのだが、『自治』っていう言葉は『自立』という言葉に似ているなぁと思う。要するに、論文とか勝手に書いて、研究室に持っていけばいいのだろうか? 大学入学のときにはそんな説明なかったし、研究論文を教授とかに持ち込む学生の話なんて聞いたことがない。そもそもそういうことは給料をもらっている助教とか、教授・准教授の仕事では? 最近では学生の疑問点を研究材料にしてしまうという独創性のない研究者もいるみたいだからなぁ。僕もほいほい論文を提出して、勝手に自己利益にされたらたまったもんじゃない。こちらは学費を払っている身なんだからな。


 とはいえ、教授たちも研究費用は自ら賄っているらしいということも聞いている。よくわからないけどーー大学って金がかかるな!?


 一応、論文のネタはあるっちゃあるんだ。しかもかなり独創性は高いと思っている。何せ、大学受験前からの研究課題だからな。


『音楽好き』の僕の使命。それを達成するために僕は大学に入学したのだがーー実は大学入試の時点でそれはある程度まとまったんだ。ずばり、『音波が人間に与える影響』。これに関しては結論が出ている。


 だって僕、赤門落ちてるもん。


 うちの場合、どちらかというと自宅が勉強する環境じゃなかったっていうくらい騒音がひどくて。兄弟の多い家だったら特にあるあるなんだろうけども。それに加えて赤門目標じゃ疲弊もするって当たり前の話。


 でも、赤門落ちたのに、僕の心は晴れ晴れしていた。どういうことなのかはあまりよくわからない。親元を離れてのびのびしているせいもあるのだろうか? 


 音楽の力を借りなかったことは悪いことではなかったと思うけど、BPMだけ使ったところで多分あんまり意味はない。音波で人をノイローゼにすることはあるけども、こういうのってすべてまとめて『環境』の話なのだ。音楽に関しては、むしろ音波とかBPMの問題ではなく、実際に使われているのは多分『言霊』のほうなんだよね。


 そういう論文を書いてもいいけども、今はあんまり書きたくはないかなぁ。


 僕はまだ、もう少し受験後の自由な時間を過ごしていたい年頃なのかもしれない。

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