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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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オリオン

「ともかく急げ!!」


「わかったって!! でもなんでだよ!? 理由は?」


「話してもわかんねーだろ!!」


 タローに急かされて、大声を上げたマツと僕は始発電車を降りる。始発とか、ともかくなんでも一番は嫌いだ。目立つから。


 到着したのは山だ。長野の山頂――この時期の朝は冷え込む。そんな場所に、マツはベース、僕はギター、タローはタムを担いできた。


 きっかけはよくわからない。ただ、いきなりタローが幼馴染の僕らをたたき起こした。


『とりあえず楽器持ってこい! 急げ!! 地球がヤバい!!』


 アマチュア無線機を持っていたタローが、何か異変に気付いたらしい。いつも何事も幼馴染のふたりに流されっぱなしの僕と、音楽以外はどうでもいいマツだが、タローが家の前で騒ぐもんだから、仕方なく言うことを聞いている。


「ヤバいって、何があったの。とりあえず説明して?」


 到着したこのだだっ広いは、何かの宇宙観測所って父さんが言ってたっけ。興味なかったから、あまり遊びにきたことはない。ギターを肩から降ろすと、タローはタムを持ったまま演奏準備に取り掛かるよう指図する。



「ともかく鳴らすしかないんだよ!! 音楽を!!」


「……はぁ?」


「うっせぇんだよ、タロー!! よくわかんねぇけどここで演奏すりゃいいんだな!? よくわかんねぇけど、地球のためなんだな!?」


「そうだよ!!」


 ……はぁ。マツは単純すぎるっていうか、もうどうでもいいんだろうか。何が地球に起きているのか、説明もまったくなし。タローは「演奏しろ」の一点張り。一体なんなんだ。タローは何を受信したんだ?



「準備できたけど」


「くっそー!! あの小説みたいに、結局また誰かが『届いてくれ!!』って叫ばなくちゃならねぇのかよ!! ヒーローを作り出さなきゃいけねぇのかよ!!」


「うるせぇんだよ、タロー!! 地球がやべぇんだろ!! 救えるのは俺たちなんだろ!? ヒーローとか知らねぇけどなってやろうじゃん!! つーか、なるしかねぇんだろ!?」


 半狂乱のタローと、大声で叫びまくるマツ。ああ、頭が痛い。


「歌え、ソラ!!」


 ふたりの怒声が吹きっ晒しで何かのアンテナだけ立てられている場所に響く。はいはい、いつも面倒くさいことは僕にお任せね……。わかったよ。歌いますよ。


 ギターをかき鳴らし始めると、赤い空から星が流れてくる。この流星群は、僕たちの演奏が終わるまで止まらなかった。


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