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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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研究室151

「研究室151かーー」


 入学式を終えてしばらく。僕は、大学キャンパスをうろついていた。僕は受講する予定のゼミの担当教授がいる場所を探していた。


 キャンパス内の理工学部の館は、少し暗くて胡散臭い。学校の地図を見ると、立入禁止区域に指定されているっていうから、なおさら怪しさ満載だ。だが、ゼミの教授はそんな場所にいるらしいので、一応行かなくてはならない。


 緊張するなぁ……って、なんだあれ?




「おい、おっさん!! てめぇ金取られてぇのか!!」


「研究費用たくさんもらってんだろうが!!」


 えっ……カツアゲ? 大学でもカツアゲなんてあるの? もういい歳だよね!? なんていうか……大学まで来て、やることがカツアゲ!? そもそもそんなところに大人数でいられたら迷惑なんですけど!!


「えーい、うっせぇな! そんな金ねぇっつってんだろ!」


 あーあ、カツアゲ被害者っぽいおっさんが言い返す。なんというか、年齢的に見て、カツアゲというよりおやじ狩り? 止めに入りたいけど、ちょっと怖いな。5人も取り囲んでるし……。あんな風に言い返せるくらいなら、大丈夫かな?


 そう思ってひっそり立ち去ろうとしたところだった。


「あっ! お前!! 悪ぃな、おめーら! こいつと今から研究あるんだったわ。ってことで、去れ!!」


「えっ……」


 僕ぅ!? 嘘でしょ。いきなり振るなよ、おっさん!! 僕より年上だから失礼かもしれないけど、言わせてもらうよ、「おっさん」って。なんで僕も巻き込むんだよ。おっさんは僕を捕まえると、後ろに隠れる。えぇ……。ど、どうしよう。


 とりあえず僕は、目の前の方々へ丁重に言った。


「あ、あの……とりあえずお引き取りいただけますでしょうか。なんかよくわからないけど」


「ちっ、ガキを盾にするなんて、だせぇな」


「醒めた。行くぞ。また来るからなぁっ!」


 ぞろぞろと集まっていた人たちが去っていく。……よかった。取り囲んでいた人がいなくなると、おっさんは俺にへらへらと笑いかけた。


「いやぁ助かったわー。やつら単位が欲しいくらいならまだしもよぉ……なんで俺の財布まで狙ってくるんだよっていう」


「はぁ」


 あんなに大勢の女性に囲まれていたから、てっきりアカハラか何かしでかして詰められているのかとも思ったけど、違うのか。まぁ、アカハラとかだったら直に詰めないで、大学事務から言ってもらったほうが大学っぽいけど。でも単位ねぇ……。やっぱりここの大学は取るのが難しいのだろうか?


「……まぁ、僕はちょっと研究室を探していますので」


「ん? 何号室だ」


「151研究室です」


「ここだ。ちなみにここの城の持ち主は俺な? よろしくっ!」


 えぇ……。まさかこのおっさん、151研究室の教授!? ……あの女性たち言ってたな。「また来るからな」って。もしかして僕、とんでもない人のゼミ選択しちゃった?


 入学直後なのに、幸先悪いなぁ……。そんなことを考えて、頭を抱えながら僕は新学期のスタートを切った。

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