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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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年の瀬

 Rabbitに言われて何気なく来た丸の内。とりあえず話によると、『衛星が都内に落ちてきたら首都機能が麻痺してヤバいから、なんとかして結界でも張っておいて』とのこと。


 ……というか、『なんとか』ってなんだ。確かに私は陰陽師の家系かもしれんが……なんとかって、本当になんなんだ。よくわからない。


「お嬢、どうします?」


「とりあえず、言霊を使えばよいのだろう?」


 偉ぶってはいるが、言霊を使うにしろなんと言えばいいのだろうか。あとこれは仮説ではあるのだがーー


「多分、言霊と言ってもひとつふたつではなく、膨張させたものでなくてはならないかもな」


 あごに手を当てて考える。私の言霊は確かに効くらしいのだが、衛星落下を回避させるには言霊だけでは足りないかもしれない。もっと必要なものがあるだろう。


 確か、渋谷や新宿のほうでは街頭ビジョンを使っての音波膨張をさせていたっけ。アレに関しては電気の使いすぎだという苦情が来たらしいが。あと、専門分野ではないからわからないが、あの音波は「違う」と思われる。だが、私が使うのは音波ではなく、言霊だ。音波に関してはまた別の専門家がいるだろうがーーそちらとも連携を取らないといけないのかもしれない。


 クリスマスシーズンの丸の内。繁華街とは違うので落ち着いてはいる。言霊と言えば、渋谷のハロウィンだな。あそこは私ではなく警察官がうまく使ってはいるのだが……。


「Rabbitと連絡はつくか?」


「それが……今は少し多忙なようで」


 Rabbitはいつもふと現れるからタイミングが掴めない。ええい、面倒だ。「きくらげうめぇ」できくらげが生えたんだから、適当に言っておけばいいのでは? よし。


「衛星が落ちませんように!」


 行幸通りで大声で叫ぶと、丸の内街の会社員たちやウェディングフォトを撮っている新郎新婦が注目する。これじゃあ奇人である。でも、これで都内の平穏が保たれると思われるので勘弁してほしい所存。


「ふう……」


「お疲れ様です、お嬢。せっかくクリスマスマーケットやってるんで、お茶でもしませんか?」


「お茶?」


 ……いいのか? これ。ちょっとデートっぽい……。照れながら私は、意外な気分転換に少しだけ心が踊った。だけどもうクリスマスシーズンか。


「いい年の瀬になるといいな」


 何気なくつぶやく。このつぶやきが言霊となり、平穏に過ごせますようにーーそんな願いを込めて。


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