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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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電波通信

 夢を見て、ハッと飛び起きた。『蛾は地球の電波を理解している』。うとうととしていたとき、そんなことが頭をよぎった。


 これはーー例のアレか? 宇宙からの通信。最初はそう思い、宇宙省に伝えようと思った。これが宇宙一等書記官の役目だ。


 しかしながら、僕は戸惑った。なんだか違う。宇宙からの通信と感覚が違うような気がした。直感だ。


 宇宙一等書記官になるためには、ある程度嘘の情報と本当の情報を嗅ぎ分けなくてはならない。通信に寝ているときの夢を使うのは宇宙人だけではない。人間だって周波数を使えばできるのだ。宇宙からの通信ではない。これは『地球人が人為的に見せた夢』だ。


 そのことをRabbitに伝えると、こうメッセージが返ってきた。『今すぐ君の脳波を調節するからラジオをつけろ』。どういうことだ?


 訝しみながら、とりあえずラジカセを取り出す。スマホのアプリじゃいけないことは当然わかっている。細かく電波の流れ道を作るラジカセじゃないと。


 ラジオをつけると流行りの曲のトップ10番組が流れていた。『全部聞くように』ーーRabbitからの指示だ。電波が行き交いすぎているな。そう思いながらも砂嵐の音の中曲を聞いていると、ある曲だけ異常に電波良好な曲があった。これか、脳波の調整をしているのは。Rabbit曰く、『ついでに周辺の電波状況も調整中』とのこと。


 ……まったく、誰だよ。人為的に人の夢に介入した愚かな地球人は。こういうことがあるから油断ならないというか、宇宙一等書記官はすべての情報を誤報なく伝えなくてはならない。だけど蛾の研究をさせて得をする人間なんて限られているからな。そいつを引っ張れば地球の電波状況の異変も直る可能性がある。そうでなくとも、また隕石が地球めがけてやってくるっていうときだっつーのに。本当に余計な仕事を増やす迷惑な輩だ。宇宙省、さっさと法律制定して逮捕してくれよ。こんな迷惑な違法電波を流している人間を。


 僕はやれやれと思いながら、隣の家の由香の様子をちらりと見た。部屋の電気は消えている。眠っているのか。まぁ悪い夢を見ていないといいけどな。


 もう一度僕も部屋の電気を消すと、布団をかぶる。せいぜい一般人には迷惑をかけないでくれよ、ニセ宇宙人め。

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