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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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副業:陰陽師

 さて。僕はひとりで反抗している状況だ。ただでさえAIを使うボンボンどもと戦っているというのに、更に僕の名前を使って下駄を履いたボンクラがいると聞いて、自主休講を1週間ほどしている。学生が自主休講していて教授や講師がしちゃいけないなんて法律はないからな。まぁ大学の自治とかそういう問題になるかもしれないが、今のところ僕ひとりでやっていることだ。ただ大学側に学費を返せとか言われたら困るが、だったら給与が安いことを盾にしてやるくらいの勢いはあるつもりだ。


 1週間ほどの無職。本当に何もしない。カップ麺を食べているくらいだ。食生活もないがしろになっているのはよくないと思う。ひとり暮らしの男なんて、気を抜けばそんなもんだ。


 それはそうと、無職とは言え僕は副業を持っている。副業というのか……? これは家柄的なものというか、ただの血筋みたいなものなので少し違うかもしれない。


 はっきり言おう。僕は陰陽師の家系だ。だから科学の道に進んだ。反骨精神というよりも、自分の力を科学的に解明しようと思ったというのが本音である。しかし、はっきり言って自分の力が何なのか、実際科学では解明できないのではないだろうかとも考えている。


 ーー大雨が近づいている。今のところストライキして閉じこもっているので自分自身に影響はないのだが、ふむ。ここでひとつ自分の力とやらを試す実験をしてみるべきだろうか。正直なところ僕の力は不安定だし、実際陰陽師の家系と言ったって血筋がそうなだけで普通のサラリーマンの家で育っている。本当に陰陽道とやらをマスターしたのか、自分でもわかっていない。そう言った意味で、僕はバカだ。でも一応陰陽道は理解したような気がしている。どこで習ったのか? 人から習うものではなく、自分で習得するものなのである。ちなみに30代まで恋愛経験がなければ魔法使いになれるという逸話とは関係ない……と思いたいところではあるが。


 久々にテレビをつけると音楽番組が流れている。素材はケイ素と酸素、イオン、そして言霊と言ったところ。大雨をなんとかできたら、少しは自分の力とやらの分析ができるだろうか。よし。準備は整った。言霊を浴びる。本当にできるか?


 心に一瞬の迷いが出たとき、テレビに映ったのはーー


 ふうん、あなたも副業してたんですね。すごい覇気だ。電波と音波を自在に扱うあの人を見ながら、僕は集中する。曲に合わせて気を読み、印を結ぶときれいに祓う。これは遅効性の術だ。どの程度で術が発動するか……。


「それがわかってたら苦労してないんだよ」


 ストライキしていてもしょうがない。明日から大学に行くか、雨だけど。


 ちょうど印を結んだ24時間後、警報は嘘にように雨は止み、僕は大学構内で二重の虹を見ることになった。


「こんな術だとは……すげぇ」


 科学の力なのか、自分の術式が効いたのか。それはびっくりしすぎて未だに確認できない。

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