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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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重力

「……ふうん、倒木ねぇ」


 Rabbitは新聞の記事を今日も斜め読みする。どうやら神社の御神木が倒れたらしい。ここ1年で数件、御神木が倒れるという事件は起きている。多分、木の幹が古くなったということはあるだろう。中が腐っていたりすることもあるし。そもそも樹木医が足りているのか? という問題もある。


 当然すべて科学的に解釈できる事実だ。御神木と言えども老木は老木。倒れることだってあるだろう。ただ、それが「地球の危機と関係があるか」ーー。そこが問題だ。


 地球に隕石が落下した場合の危険対策として、すでに前からかなりのことをしている。まず衛星バリア。大気圏上に人工衛星をばらまいておいて、軌道を逸れた隕石やスペースデブリから地球を守る。そして落下物迎撃システム。これは軍と協力しているのであまり大きく報道されることはないが、地球に落下物が近づいてきたときに有効だ。大体のスペースデブリなどは大気圏で燃え尽きるのだが、念のための防御策である。このふたつだけで大きなものは防げるとは言え、科学的なものだけでは解決しえないーーそう考えた日本政府が秘密裏に立ち上げているのが、言霊使いたちなどの非科学的な落下物対策隊だ。


 今回の御神木が倒れた事件について、隕石は関係ない。ただ、問題は大気圏上から地上に降ってくる分子。ボロンとかなんとか名前がついているらしいが、細かいことはどうでもよい。それが倒木と何かしら関係あるのではないか……というのが政府の見解であった。


「お嬢、政府から連絡です」


「なんだ?」


「昨日御神木が倒れた件で、『言霊を使ったか?』とのこと」


「使うわけがない。隕石がぶつかったとか、そういう話だったのか?」


「いえ……」


 SNSのトレンドでニュースを知ったRexは、まさか自分が疑われるとは思ってもみなかったので、寝耳に水だった。ただ、考えられることはある。


「言霊は使ってはいない。だが……他の霊力者たちが張っている結界が破られているのかもしれん」


 新聞を読んでいたRabbitは、コーヒーに口をつけてからため息をついた。


「まぁ雨だったし、葉っぱに雨の雫がつくとその分木に負担はかかる……それにこの木がある土地は横の路地を観光客がたくさん通るから、振動もあっただろう。ということは……」


 Rexも緑茶をすすると、スマホから目を離さずつぶやく。


「言霊にも『あるもの』があるんだ。もちろんすべてのものにそれがある。今回の原因もその『あるもの』だろう」


 違う場所にいるふたりが、ともに出した原因。それはーー


「『重力』だ」

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