これが恋なのか?
美由紀と正子にワインを持っていき、ホールを回りながら空いているグラスがないか確認、あれば
「次、どうされますか?」
と伺いをたてる。
それを繰り返しながら、目では先輩達の振る舞いを追い、質問があればすぐに直輝に相談。
を繰り返しながら大体2時間くらい経っただろうか。店が賑やかになってきて、海斗自身も少しほぐれて話せるようになってきた。
そしたら、直輝から蓮の近くに行くよう指示を受けた。蓮の指名料はこの店ダントツで高いはずなのに、順番待ちになるくらい女の子が話したがる。
男として悔しい気持ちも持ちながら、席の近くに行って順番待ちの女の子と軽い雑談をしようと思い話しかけようとした。
その女性の名前は菜津実と聞いた。
髪はロングで肌は白く、眼がくっきりしており、鼻はそれほど高くない。見た目から28、9くらいだろうか。美人とまではいかないが、純粋そうな澄み切った瞳がとても魅力的な女性だった。
一目惚れする体質ではないはずなのだが、海斗の中で今までに感じた事のない感覚と鼓動の高鳴りを感じた。
これは恋なのか❓
いや、初日で仕事に慣れていないからだと自分に言い聞かせて席についた。