クロエの逃走(入試勉強から)
ルオンは怯えていた。
昼間、そのルオンはまたあの女の襲撃があるかと思って、マユカに護衛に付いてもらったが結局は何もなく。
「もうしっかりしてくださいよ。王様になろうとしている人が、子供じゃないんだから・・・。」と叱りつけられる。
「だってお前は知らないだろう、アイツの恐怖を。」と思い出しただけでガクガクブルブルしている。
「?それじゃあ私は行きますので、しっかりしてくださいね。何かあったらベルを鳴らしてください。」
「ああ。」と頷いている。
こんな真剣な王子は見たことないなと思いながら、部屋を後にした。
ルオンはホッと一息入れる。
ふぅーとベットに転がって天井を見る。
指を鳴らして明かりを消して就寝しようとして目を閉じた。
うんんと何か違和感を感じる部屋の温度が熱いのか?
目を開ければ漂う火の玉が消えたり付いたり。
「ひぃぃー。」という声をあげる。
それに驚いて近くのベルを取ろうとしてないことに気づく。
「誰か、誰かいないのか?」
辺りを見渡せば・・・
天井に張り付いている女の子が火の玉によって照らし出され発見した。
「ひぃぃー。」
「ばぁーお化けだぞー。」と脅かしてくる。
心臓が止まるかと思ったルオンは布団を被りガクガク震えている。
「こわくなーい、こわくなーい。」と布団の周りを回られながら言われる。
逆に恐い。と首を振る。
もしかしてこの少女は私が呪えと指示した辺境の娘なのではないか?
第三王子とコネクションを取ろうとした辺境伯との仲を裂こうとしてしたことだった気がする。背格好も育ったのなら同じくらいかもしれない。
その怨霊が私の前に現れて・・・ガクガクブルブル。
「ぎゃぁーーーーー。」と叫ぶ。
その叫びはこの部屋の中で完結していた。
「もう、どうしてーそんな恐がるのー?友達なのにー?」と声をかけるが布団から出て来ない引きはがすか?
いや、この場合上に乗っかって一緒に寝ようと決めるクロエだった。
「ぐぅーぐぅー。」という寝息が聞こえだす。
この幽霊私に憑りついて寝ているのか?
「私が呪われるー。ふぅーふぅーふぅー。」と目を見開いている。
油断をすれば呪われてあの世へと連れていかれるかもしれないそう思うと恐くて眠れない。
ガタガタ震える。それにこの布団から出ようと思って出れる程甘くはない。
「もう、勉強やだー。うんん。ぐー。」
上に乗っている幽霊の女が出させてはくれない。
なんせ私を抱き枕に寝ているのだから・・・
朝マユカが起こしに来るまでこのままの体勢でいるしかなかった。
「ほらいくよ。」
「いやだいやだ。」と答えるクロエをひっぱているのは連れ戻すのにやって来たうたはだった。
「鬼!悪魔!魔王!」と罵るが、うたはには通じてはいなかった。
「ふふーん、そんなことでは動じないですよ!しかし妖刀ござるは何処に!」ときょろきょろしているうたは。
誰にも見つからず王城からクロエを確保して屋敷に向かっていた。
「あれ?この道だったかな?」
「もうちょっと行ったら食べ歩きができるよー。」ぴくと反応するうたは。
「なにその羨ましい所。」と目が肉になって涎を垂らしている。
基本的に辺境伯家の者は食いしん坊が多いのだ。
「うーんとこっち。」と案内するクロエ。
「おおう、確かにいい匂いが・・・。」
「さてこの隙にー。」と逃げようとするクロエ。
「待ですー。一緒に食べる。憧れだったんだ女の子と一緒に食べ歩き!」と目を輝かせる。
「そうだねー。」そう言えば食べ歩きはノエノス姉さまや、スミンとばかりでフルフともしたかもしれない。いやあれは騒動になったからノーカン?と首を傾ける。
「とにかく一緒に食べまくるのです!」と拳を握る。
「おー。」とそれに乗るクロエ。
二人は楽しくおしゃべりをしながら食い散らかしてその串で的あてなんかもして、景品をもらいさらに、壇上に上がりながら漫才をして・・・、とにかく楽しんでいる。
「これは明日からですかね。」
「ああ。」
「かなりの、いやもう寝れない感じかもしれないですね。」とスミンが言っている。
「ああ、可哀そうだがこれもクロエのためだ。」と屋根に登っている二人はそんなことを言っている。
「所で私たちもお腹いっぱい食べませんか?」と聞いてくる。
「うん、まぁいいけど。」と隣に誰かがやってくる。
「ふふふ、そうは問屋が降ろさないのです。」
「お前はまた私とテト様のいちゃらぶ大作戦を邪魔して!」
「西に弟あれば西に行き、東にテトが飛べば、お姉ちゃんは猛ダッシュで駆けつける。これぞ姉魂!」と法被にも姉魂と書かれてある。
「ふふ、決まった。」と格好を付けている。
「そんな服装でテト様はきっと恥ずかしいです。」
「なにおーデートの時までメイド服の自称嫁気取りに言われたくない!」
「なにおー。」
「やるかこんちくしょー。」と睨み合っている。
でっなんでこうなっているんだ。
「ふふふ、普通に決めては面白くないからです。」
「私とテト様の愛の糸を感じ取ります。」と紐に括られている俺。
「見えた、これがお姉ちゃんの愛。」と紐を引っ張れば耳かき。
「くぅーこれで弟の耳かきをしろと天は行っているのかー。」
「ふふふ、愛が足りなかったようね。私はこれにする。今、私とテト様との本当の愛を示す時!」と思いっきり引いたら。
〝あなたはきっと振られます。〟と書かれた紙が・・・
「ぷー、ぷー。」と地面を叩いて受けているフルフ。
「白く。真っ白に、私とテト様の愛の糸が無くて・・・。」と轟沈しているスミン。
「ってこれフルフの文字じゃん!」アイツやりやがった、イエーイ、イエーイとピースをしている。
「よく見れば貴女の字ですね!汚い!」
「何を証拠に言っているのかな?かな?」と首を傾けてニヤッとしている。
「くっそこいつー。」と地団駄を踏むスミン。
「さてと私の番、私の番。これだー。」引っ張れば何かのおもちゃのカエルのような。
引っ張ればびよーんと舌の風船が伸びる。何かの魔道具だろうか。
目がキラーンとしているフルフ。またなにか良からぬことを。
「次こそは・・・。」と紐を引こうとするスミン。
「テトカエル一丸、やれー。」おもちゃの風船の攻撃がスミンのおでこにさく裂する。
ぱしと言い音がして周りが静かになる。
「ごごごごご。」とスミンの背後に燃える炎が見える。
「やり過ぎちゃった。テヘペロ。ここは撤退。」と敬礼して逃げていく。
「待てコラー。」とそれを追いかけていくスミン。
「いや俺どうなんの?」と思わず声に出したのは仕方ない。
「はい嬢ちゃん。」
うん、誰かきたのか紐を引く。
「私なら一発。」と昨日のハウという少女だ。
紐を引っ張れば俺の首が締まる。
「?」と首を傾ける。
またびゅっとすれば俺の首がしまる。
「?」とまた首が締まる。
「まだ嬢ちゃんだから力がないのだろう。アイツ持ってていいから、可愛がれよ。」
「ふふふ、これで貴方は私のもの。」
「いや違うからな。」
「猫がしゃべった。」
「昨日と同じ反応すんな!」
「そう言えばそうだった。」と少女に抱かれて孤児院へと向かうテトだった。
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