テトの時間割の行方は?
「そんなのダメです。」と一番真っ先に否定したのはスミンだった。
「そうです。テトは自由です。」この二人は今のままの方が俺を確保することができるので反対意見だ。
「えーでもさー、テトだけ遊び歩いてズルくなーい。」と言って反論するクロエ。
「そ、そうです。たまーに遊びに来て欲しいです。」ハウと言う孤児院の少女。
おおうとまた孤児の皆が目を輝かせている。
「俺はまぁーノリで言ったところがあるからな。ちょうどいい王城のマスコットになりそうだったから。」ってコイツ涎垂らしている。絶対に食べる気だ。
「じゅるり。」と言う音が口から・・・
「テト様は美味しくない。」
「テトは美味しくない。」
「テトは美味!」
「テトは・・・不思議な味?」と庇おうとしてくれた物となんかノリと違う意味で言ったものがいる。
「そのまずいのがいいんじゃないかー。」コイツゲテモノ系が好きなのか?
「がお。」こわー。
それから5人はあーだこーだと言い合いながら、いい時間になっている。
そして誰も帰ろうとしない。
睨み合いが続いている。
帰ったら一種の負けだと思っているのかもしれない。
時間割の話しはどうやら流れたようでホッとした。
「では、嫁として私が連れて帰りましょう。」と先手を制したのはスミンだった。
「そんなの私、私、姉として連れて帰って美味しいご飯を・・・あーんする。」と手をあげて近づいてくる。
「まだ駄目、この子成分を補給出来てない。今晩、孤児院に泊っていくべき。」
「私も泊って行こうか?夕方の摘まみにどうだ。」
「がおお。」捌くように包丁を俺に近づけるな。
「それはだめー。テトのご主人はクロエだからぁー連れて帰りまーす。」とハウからテトを受け取っている。
「あー。」と残念そうにするハウ。
「また連れてくるからねー。」と屈んで少女を撫でるクロエ。
「うん。」と元気よく返事をした。その後ハウが孤児院の皆に囲まれもみくちゃにされていた。
「そうか残念だ。」と引き下がるシロン。
簡単に引き下がったのはちょっと恐かった。
しかし視線は獲物を狙う目だった。もう絶対にあわないようにしようと誓うテト。
「それよりもクロエまた手合わせしような!」とシロンが誘っている。
「いいけどぉー。お姉ちゃんより弱いー!」
「お前な!戦いには相性もあるからな!」
「えー。そうなの?」とシロンと姉が何度やっても姉がかつビジョンしかない。
この5年でさらにかなり強くなっているのだった。
「じゃあまた来まーす。」と三人はそう言って孤児院を去って行った。」
「あーでもなぁ。あんなゲテモノ料理の素材はもう二度と。」と悔しがるシロン。
「涎を吹きなさい。」とナプキンを差し出すのは孤児院のママさんだった。
「と言うか仕事は大丈夫なの?」
「あっそうだ!」と今思い出したように王城に駆け戻っていくシロンだった。
それほど食べたかったのかもしれない。
「あー食べたかったな。せめて一口。ああ、二口は。噛みついておけばよかったー。うぉぉぉ。」とサボった時間を夜中に徹夜して頑張る総長だった。
帰りしに買い食いをして、いや殆ど差し入れだったが・・・いつの間にか裏路地街の人気者になっているクロエ。その両手には串焼き。
それをバクバク食べる。残さない精神は大事。
フルフもその可愛らしい見た目とさっき助けてもらったお礼に色々もらっていた。
「バクバク、もぐもぐ。テトも食べますか?」と聞いてくるが、全然くれる気配がないまま食べ続けているのはどうなんだ。口元にはたれが沢山付いていた。
スミンはお金で買って俺に食べさせてくれる。
なんていい女なんだと思ったのはまぁ内緒だ。
俺が食べた後の串をじーっと見ていたが、何だろうか?
そんなこんながありながら俺達は屋敷に帰ってくる。
「さてとー本当の時間割を作ろーう。」ニコニコするクロエ。
「そうですね。姉としてテトの将来はちょっと心配です。しっかり勉強をしていい学校に!」と拳を握る。
「がおお。」いや、俺従魔だからね!
「待ってください二人とも、テト様がそんなことを望んでると思うんですか?」と叱りつけるスミン。
「がおお。」よしもっと言ってやれ!スミン!
「ここからここまでが私が絶対で、ここからここまでも私の時間です。」
「がお。」っておい!
「ちょっと取りすぎー!」
「横暴!横暴!」と机を叩く。
「そんなことはありません。ここにいる誰よりも私はテト様を愛しているのだから!」と語っている。
スミンが書いた時間割をぐしゃぐしゃとしてポイと捨てるフルフ。
「あんなのダメに決まってるでしょう!常識を考えてください。テトが可哀そうです。ここは姉である私の時間を・・・」と時間割すべてに姉の時間と書いている。
「いやその方が横暴でしょう。」
「これはダメー。」と二人からダメ出しをされている。
よしこの隙に俺は逃走を謀る。
しかしボス三人娘からは逃げられない。
「何処に行かれるのですか?」
「お姉ちゃんをおいて何処に行くの?」
「ご主人様と一緒に地獄(勉強をしよう)に落ちよう。」とクロエはオーバーだがそんなことを三者三様に言ってくる。いやクロエお前仲間が欲しいだけだろう!
そうだなクロエが勉強をしているか見張る役を俺は買って出た方がいいかもしれない。
「がーお。」と一言溜息をついて三人の議論を尻目に俺は竜の身体を生かしながら筆を握るのだった。
完成した時間割はクロエの勉強を見るための時間割だった。
「がおお。」我ながら完璧だ。パクと口に加えて三人の元へ向かう。
「これは・・・。」とスミンが最初に見る。反論するかと思われたスミンは反論しない。
どちらかと言うと。
「待って、これじゃあお姉ちゃんが一緒に遊べない!」と抗議するフルフ。
「これもクロエ様を学校に入れる受験勉強のため!仕方がありません。」スミンがフルフに勝ったと内心思っているだろうなんせ教師役はスミンだ。
「ガーン。」とそう言われれば流石のフルフも断ることは出来なかった。
逆に固まっているのはクロエだった。そもそもの言い出しっぺだ。
「ちゃんと勉強をしましょうね!」とクロエに見せる。
クロエは真っ白。そう真っ白になって崩れ落ちた。
「私の。私の遊ぶ時間わー。」という叫び声が屋敷に響渡った。
時間割には終日クロエの勉強に付き合うみたいな事が書いてあって・・・
朝起きて勉強、昼もご飯を食べて勉強、夜も寝る間を惜しんで勉強と書いてある。
勉強嫌いのクロエにとってはもう嫌だろうね。
「ぎゃお。」言い出しっぺがやらないわけにはいかないよね。
「入試まで時間がないのです。今日は仕方ありませんが明日からビシバシとやっていきましょうね!」
「しかたない、このフルフたんも勉強を見てあげます。」と先生チックなコスプレに早着替えをしている。
「がーん。」とトドメを刺された気分になるクロエだった。
その晩クロエはこっそりとこの屋敷を抜け出すのだった。
まぁ一応気付いた俺はパタパタと追いかけるのだが・・・
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