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この修羅場、俺のせいじゃないよね!

吹っ飛ばされるはずだったクロエの姿はそこにはなかった。

「逃げられたか?」と剣を鞘に仕舞う。


「総長、どうされましたか?」と駆け寄ってくる部下。


「いや、なんでもない。」友人の妹が王城に忍び込んでいるとは流石に言えなかった。


「持ち場に戻ってくれ。」慕って集まってきた部下を元の配置に戻るように促した。

「はっ!」と言って自分の持ち場に向かって行く。中には訓練場で汗を流すものもいる。


あとで妹が王城に侵入していたとノエノスに抗議の手紙でも一応書いておこう。

いやもしかしたら検閲が入るかもしれないからぼかしてそれとなく。

いやアイツわかるだろうか?とどこか暴走気味で鈍感な所があるノエノスのことを考える。


「うん、まぁラミーナ様経由にするか。」と頭の中で尊敬するノエノスの母親のことを考えていた。

「あと一応送られてきたノエノスの手紙も一枚混ぜておこう。」アイツの手紙の内容を親に見せると思うと。

「ぷぷぷ。」と思わず笑ってしまった。


さてと久しぶりに王都の街の巡回でもするかーと勝手に王城を抜け出すシロンだった。



「気を隠すなら森の中、フルフちゃんが混ざってもわからない場所!」ピコンと何かを閃いたようにビックリマークを頭の上に魔法で作っている。

なぜか無駄なことにこだわっているのはなぜだろうか?


「ということで王都の孤児院に潜入です。きっと何かのイベントが発生しているに違いありません!私の美少女狼としての感がそう囁いています。」


美少女狼の感って、なに?

「クンクン、イエッサーあっちです。」みたいな感じのノリだろうか。

そんなこんながあり、絶賛誘拐されている俺は王都のスラムの孤児院の中で絶賛子供のおもちゃにされていた。


「あの弟を奪おうとする宿敵でもここはいくら何でも見つけられないでしょう。ふふふ。」とほくそ笑む。


「バン。」と勢いよく孤児院のドアが開く。


「げぇー、なんでここがわかったんですか!」と頬を吊り上げて驚愕した顔をする。

「私のテト様への愛を舐めないでいただきたい!」そんなことを言ってフルフを捕まえようと孤児院で大立ち回り。

周りの子供たちはノリがよくそれを目を光らせて見ている。


「これが伝説に聞く修羅場。」

「おおう一人の男を取り合うなんてロマンチック。」と乙女のような顔で言う少女。

「いやバトルもすげーぜ。」

「俺もこんなに強くなれるかな?」とか好き勝手に言っている。


大丈夫かこの孤児院と決して構ってもらえなくなって寂しいわけではない。

絶対ないからな!とかくだらないことを思っていたら。


孤児院の子供の一人に抱きかかえられ外に連れ出された。

「これ売ったらいくらになるだろう。」とかそんなことを呟いている。

「おれは売りものじゃねーよ。」と思わず喋ってしまう。


「・・・」と固まる少女。

その沈黙が長い、無反応が恐い。


「猫が喋った。」


「竜だからな!」


「そうともいう。」

「いやどうなんだ?異世界でもいうのか。」


「異世界?」と首を傾ける。

「いや、こっちの話しだ。」


「そう。」とまた沈黙が訪れる。会話が続かねーとなんだか沈黙が恐い。


「猫さんは、なんだか喋りやすい。私孤児院じゃ、いつも一人ぼっちで影でこそこそしているの。でも皆の事は好きなんだけど・・・喋るとなるとぜんぜん。うんとかあっとかなっちゃうどうしてだろう。」と頭を撫でてくる。


「そうか。」この子を鑑定してみればなんかネクロマンサーって出たんだけど。

うん、これは言わない方がいいか。

いや死んで転生だからネクロマンサーに通じる所があるのか?

それって前世の俺がゾンビ?いやいやと頭を振った。


「猫さんも私と同じだね。」と同士を見つけた様にちょっとだけほんのちょっとだけ笑ったような気がした。

「あと俺が喋ることは皆に内緒な。」

「うん、基本私一人事が多いだけで全然喋らないから。」

「その割には俺と話しが弾んでる。」

「うん、なんか猫さんはこの世のものではないような気がするから、話しやすい。」


「なんだかお前の口からそんなことを言われると竜の俺でも寒気がしてくるのだが・・・なぜだ。」

「さぁ?」と首を傾けていた。


そんな俺とたわいない話しをしてちょっと遠回りをしながら孤児院に帰るのだった。



「おおう戻って来たな少女よ!さぁお姉ちゃんにテトを渡してもらおう。」

「違う。嫁の私にテト様をください。」とずいっと二人に迫られて少し焦っている少女。


ちょっとずつ後ろに下がり壁際に追い詰められる。


「さぁ。」

「こっちに!」


バン!と無遠慮に入ってくる女がいる。

「巡回中です。」

「わーシロン総長だー。」

「シローン。」


「おおう遊びにきたぞー。これ御土産なー。」とお世話係の女の人に渡している。

「むむ、何か不審者がいる。」とスミンとフルフに警戒して剣を抜こうとする。


「待ってください、私たちはその・・・」

「そう、愛する弟をさがして3千里。はるばる王都にやって来たフルフタンです。」と拳を握りながら語りだし最後は可愛いポーズを取るフルフ。

「ちなみにそいつは私の弟を連れ去った極悪人です。」と目をキラーンとして罪を押し付けようとしてくる。


「なっ私は嫁として、夫を連れ去ったこのわから屋を懲らしめにきただけです!」

「ちっちっち、嫁ならば持っているはずのもの結婚証明書を出すのです。さぁー。」

「そんなものはないけど、このリングがその証!」

「リングなんて浮気相手に渡すものですよー。」


「ガビーン。」と膝を付く。

「この偽狼め。」と悔しがりながら言っていた。

「へへへお姉ちゃん、ヴィクトリー。」と左手を腰に勝利のピースサインをしている。

言い負かし方でフルフに勝てるのは中々いないだろう。


「おいおい、それで肝心の夫は何処にいるんだ。」と皆して俺の方を見る。


「おいおい、人外じゃないか。」とめちゃくちゃ驚いている。

「こう見えてテト様は頭がいいのです。そこに惚れる。絆される。」

「そうです。人の弟を人外だからと軽蔑しないでください。ベストオブマイブラザーです。」と二人に抗議をされてたじろぐ総長。


「ああ。」と思わず返事をしてしまう。


近づいてくるシロン。

「おーよく見ると可愛いな。どうだ私のペットにならないか?」とそんなことを急に言い出すシロン場が氷る。


「それはいや。」

「それはダメです。」

「それはあかん!」と少女とスミンとフルフが否定する。


「はーハウちゃんが。」

「ハウちゃん、そんな!」とか孤児院の皆が固まっている。


「ハウちゃんが普通に喋った!」と孤児院の皆が驚いている。


そんなことを尻目に辞退は進行していく。

「それはー私のペッーツ!」と何処からともなく現れて発言するクロエ。

さっきから屋根裏部屋にいたよな。

発音が惜しい。もうちょっとなのに要勉強だ!


睨み合うシロンと周りの女達。

あれこれってかなりの修羅場なんじゃと汗が流れる。

いや俺悪くないよね!皆!と見回すと物の怪に見えてきて、震える。

そういえばこの事件の最初は俺のライバル、真っ白のモフモフの毛並みの鳥だった。

アイツめーとここにいないやつを恨む。


この重い空気をどうするかクロエの方を見る。

にぱーっと何か伝わったのかもしれない。

「じゃじゃじゃーん。テトの時間割ー!」丸い円の時間が書いてある物を用意する。

「はー?」と思わず言葉を発してしまったのは仕方ないことだろう。

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